イチオシレビュー一覧

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明治維新以降の日本は、土俗的価値観からの脱却こそが近代化だと信じて開発を続けてきました。
その考えは戦後の復興期においても同様で、日本古来の土着的風景が近代的な都市に作り変えられていくのを、私達日本人は誇らしく感じながら見守ってきたのです。

しかしながら、開発で消えていった物は土着的な村落の風景だけではありません。
村や集落に伝わっていた行事や信仰、そして住民達の思いまでもが、儚くも消えていったのです。

第一回小説家になろうラジオ大賞参加作品である本作は、そんな近代化の影で消えていった土着文化の哀惜が根底に流れるホラーで御座います。
ダムの湖底に沈んだ村落から、彼らはやって来る…
元々読書をするのが好きで、ひょんな事からこの「海のシンバル」と言う作品を見つけて読み始めました。
いざ読み始めると一気に物語の世界観に吸い込まれていき、次々にテンポ良く進んでいく展開に夢中になりました。
高い文章力はもちろんなのですが、何より著者様の独特な表現力に感心する方も多いのではないのでしょうか。
私はすっかりファンの1人になってしまいました。
「海のシンバル」と言う物語の中に絶妙なバランスで、フィクションの箇所があるからこそ、ここまで完成度が高い作品が生まれたのではないのかと思います。

読み終えた後に直ぐに2度目、3度目と読みたくなるそんな素敵な作品です。
素晴らしい作品でした。
レビュー作品海のシンバル久々原仁介完結済 / 全12エピソード純文学[文芸]
 耕地が狭い、資源もない、無い無いづくしの中、戦国の世を生き抜いた里見家。城下まで攻め込まれようが、同盟者や重臣が離反しようが一歩も引かず、執念のように強大な北条家と戦い続けた里見家。
 その里見家に、1人の男が逆行転生した。前世で造船設計技術者だった彼の夢は『戦艦を造る』こと。その夢の実現のため、他の転生者と協力しながら、彼は国力増強と技術発展に邁進していく。
 そこに襲いかかるのは、やはり北条家。戦に勝っても配下の国人が調略される。新兵器を造れば、風魔が侵入する。老練な北条家に対抗するため、主人公の採った、あっと驚く秘策とは。
 そして、忘れてはいけないのが戦だ。圧巻の海戦。手に汗握る陸戦。特に、対“地黄八幡”の『衣笠の戦い』は必見!
 果たして里見家は北条家を下すことができるのか。主人公は戦艦を造ることができるのか。
 決して更新速度は速くないが、あせらず今後の展開を見守ってほしい。
レビュー作品我ら、里見水軍連合艦隊オシドリ連載中 / 全41エピソード歴史[文芸]
車を運転しているとき、偶然何かの行列に出くわした主人公。その先頭にあったのは、ガソリンスタンド形式で牛乳を販売しているお店でした。

何でももうすぐ牛乳が値上がりするらしく、皆買いだめをしているとのこと。それならばと、主人公も牛乳をポリ容器一杯分購入しました。

こうして主人公は、向こう数ヶ月分の牛乳の確保に成功します。けれど、それを全て使い切った後に、とんでもないことが起きて……。

流言飛語に惑わされた者たちの、ちょっとユーモラスな物語。どこか皮肉を感じさせるラストが印象的です。
自分と全く同じ存在を探してこいと言われたら、多くの人は鏡を見つめるでしょう。だって、そこにいるのは左右が反転しているとはいえ、紛れもない自分自身なのだから。

でも、もし鏡の中の自分が身に覚えのない仕草をしたら? ピクリと動いていたり、不敵な笑みを浮かべたり……。

自分と同じはずの存在に牙を剥かれるという恐怖を描くホラー小説。後引く怖さが魅力的です。
レビュー作品かがみ。caem短編ホラー[文芸]
鬼がはびこり村が襲われる時代。
少女が七つの時、村が鬼に襲われ、少女は

鬼を皆殺しにした。


戦うために生まれ、戦いしか知らない少女が。
戦う中で人の優しさに触れ、さらなる戦いに赴く。
それはまさに戦狂い。

もうね、文章の一行目から、空気感に魅かれました。
イメージが浮かび、刃をふるう音が聞こえ、振動すら感じられるよう。

スルスルっと流れて読み進められる小気味良い書き方。
自分には非常に合ってました。

長さも手頃で、とても読みやすい作品です。
ぜひ一度ご覧ください。
レビュー作品戦狂のキキshio連載中 / 全459エピソードハイファンタジー[ファンタジー]
海岸で女性が倒れているところを発見した主人公。慌てて助けに駆け寄りましたが、驚いたことに、彼女は腰から下が魚体になっている人魚でした。

そんな人魚に麦茶を差し出し、最後はキスまでしてしまった主人公は、そのとき初めて、自分たちが初対面ではないと気が付きます。

意外な再会を描く物語。幻想的な一時を味わうことができます。
レビュー作品人魚のあの子浮空みどり短編純文学[文芸]
こだわりの味噌汁を楽しめる食堂が舞台の短編です。

読んでいると自然とよだれが出そうになります。
絶対美味しいだろうなぁ〜と思わせてくれる見事な文章力でした。

また、オチも意外性があって良かったです。

味噌汁好きのあなたに絶対オススメの一作です。

もし少しでも気になったなら、ぜひ読んでみてください。
きっと行ってみたくなりますよ。
レビュー作品味噌汁食堂愛猫家 奴隷乙短編コメディー[文芸]
朱肉をつけて、白い紙にポンとすると模様が写るハンコ。何回も同じ図柄が出るから便利ですよね。

そこにはコピーとオリジナルの違いはありません。

では、人間はどうなのでしょうか。

今隣にいる人、学校の同級生、会社の上司。

彼らは本当にあなたのよく知る人なのでしょうか。ハンコで押された模様のように、だた似ているだけの別人という可能性は……?

少しホラータッチな詩。コミカルな雰囲気が恐怖を引き立てています。
レビュー作品ハンコ雨音れいん短編詩[その他]
「俺は、忌み子だぞ」
「私は迷い子だよ」

凍えた世界が温度を思い出す物語り

前作からのファンですが、単品でも問題なく楽しめます。
世界観は異世界から異世界への転移モノ。
読みやすく何度も読み返せる作品なので、
可愛いファンタジー冒険物が好きな方にお勧めしています。
続きを書いて頂きたいと期待を込めての初レビューです。
素敵な作品への拙いレビューで申し訳ありません。

もちろん、前作もお勧めです!
レビュー作品神様は、なんか私にも手厳しい!守野伊音連載中 / 全81エピソード異世界[恋愛]