昨今の作品ではおざなりになりがちな転生後の記憶を取り戻すくだりも、それなら思い出すかもと思える説得力、その後もサンドラ嬢が突き進む道も生き残りと貴族の礼節を天秤にかければ死んだら元も子もないもんねと考えられれば他者からは奇行に見えても至って理解できる。そしてそれを他者から見ればコントになってしまう辺りを理解しテンポよく表現できている作者の文章力が冴える。主人公は至って真面目なのにユーモラスに感じてしまうのは何処かスポーツの珍プレーの様、狙ってやっているのではなく真面目に本気だから笑っちゃいけないのに笑えてしまうものに通じるとでも言うべきだろうか
主人公はしっかりと勉強はしていても世間知らず(致し方ないのだが)そういった事を重くならず、サンドラ嬢が闇落ちしない理解有る家族達といったほっこり要素を絡めて楽しいエンタメに落とし込める作者様の才に惚れ込んでいます