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作者:斎宮 たまき/斎宮 環/作品情報/Nコード:N8312LG
短編 |
総務部に勤める三浦汐(みうら・しお)は、十年勤めた中堅商社に辞表を提出した。理由欄には「個人的都合」。——しかし一週間後、総務の返答は「受領履歴が存在しません」。印が押されていない。書類はどこかで消えたのだ。
上司の岩淵は淡々と言う。「受領印がなければ、辞表は受理されていない。あなたはまだ在籍中です」。
だが、社内のデータベースからは、汐の勤怠記録も人事情報もひとつずつ削除されていた。社員番号は消え、過去の契約書のコピーも存在しない。まるで彼女が最初から“いなかった”かのように。
汐は調査を始める。総務の中堅社員・河野が密かに漏らした、「受領印の消失は、特定の退職者だけに起きている」という証言。彼らの共通点は「社内不祥事の隣にいた者たち」だった。書類を辿ると、退職届を受け取った記録の中に“もう一人の三浦汐”の名前が浮かび上がる。住所も生年月日も同じ。だが社員番号が違う。
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ジャンル:推理〔文芸〕キーワード: ESN大賞9 ドリコム大賞4 123大賞7 社会派ミステリ 喪失と記録 会社制度 アイデンティティ 二重存在 最終更新日:2025/10/26 14:12 読了時間:約55分(27,024文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
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