少女は願う。自分を唯一知り会いに来てくれる彼に触れたいと。しかしそれは叶わない。だって彼女は絵の中の人間なのだから。彼女は二次元、彼は三次元。彼は彼女を三次元の世界に出そうとする。どれだけの犠牲を払ったとしても。

この作品は「アルファポリス」様にも掲載しています。

聖女と聞いて、みんなはどんな人を想像するだろうか？
優しい人？　聖魔法使い？　美人？　乙女？
俺が召喚した聖女様はなんと、血まみれ幼女様だった。

とある国の一室で、賢者ルークは国王の願いであった聖女召喚を行っていた。
時間はかかったが、ついに彼はそれを成功させるのだった。

だが、ルークが召喚した聖女はなんと、血まみれの幼女様。

ここから、ルークの運命は大きく変わるのだった。


聖女とは何か。
彼女の意味を求めて、二人は旅立つ。

気がついたら乙女ゲームでよくある婚約破棄&断罪シーンだった。
きっと夢だ。
だから好きにやってみることに。

アルファポリスにも掲載しています。

これはビーズの星が紡ぎ、つなぐ少女と母の物語。

母のために、少女は星を探し、紡ぐ。それは、願いが叶う星。
その星の物語を、その星に込められた意味を、少女は知らない。それでも、少女はまるで運命に導かれるように、その星に手を伸ばした。

かつて一人の女性の手を離れた星は、再びその手に戻って来る。
込められた、たくさんの思いと共に。

シクシクのお話

シクシクは悲しい子
愚かな子、若くて若くて、寂しい子。

お気に入りの青いとんがりボウシは、いつも星の飾りがまたたいている。

シクシクはいつも悲しいし、愚かで若く、寂しい。

かわいそうだと誰か思ってあげてほしい。

でも、その前にあなた自身、シクシクと共通するところを探してほしい。

きっと、あると思うんです。シクシクとあなた。

そうでしょう？

シクシクを、ひとりにしないでね。

水にまつわる、不思議な話。

奇妙な夢を見た主人公。
いつも通りの日常を送ろうとするが、違和感に気付く。

加齢して歪んだ者にとっての童話、寓話。短編連作。

人の世から魔法の伊吹が消えつつある帝国に、空前絶後の才を持った魔導剣士が産まれた。帝国第三王子、イリアス・アルクメニア。己の出生とともになされた、「戦場に生き、戦場で死ぬ」との神託に逆らうべく、望む死に様を求めて今日も戦場をさまよう。老衰か安楽死を目指す王子が、狂乱の時代を駆け抜けるハイファンタジー。

「今晩、お前んちに泊まってもいいか？」


　その晩、インターホンが鳴った。扉の前にいたのは同じクラスメイトの井上末嗣だ。

「は？」

　間抜けな返事を返すのは君島悠樹。
　級友の突然の訪問に戸惑いながら、脳内で彼はどうやって断ろうかと考えていた。

　別に井上末嗣が問題というわけではない。彼とはクラスのグループの一人。つるんで何かをする程度にはそこそこ親しい。そうではなく誰であっても、部屋に上げるわけにいかなかった。

　実は君島悠樹には世の中に絶対明かせない秘密があった。
　その秘密とは――実は悠樹が性別を偽った女だということだ。

「泊めておあげよ」

　その時背後から声が飛んだ。悠樹の祖母だ。
　ちっと悠樹は心で舌打ちする。

　――泊めておあげじゃ、ねえだろが！

俺は死んだ。満足な人生だった。

俺は、前世で働きすぎのトラック運転手だった。
ガソリンスタンドに突っ込んで死んだ後、女神様に「お前の死は社会を変えた」と褒められ、新たな世界に転生させてもらったんだ。

次に目覚めたのは、うっそうとした森の中。
若返った体と、なぜか体に宿った魔力。

憧れのファンタジー世界で、今度こそ自由に生きてやろうと思った。
それが、『カイン・バンビュード』としての、俺の第二の人生の始まりだった。

この物語は、そんな俺の人生を語る回想録だ。
転生した俺が、いかにしてこの世界で生きてきたのか。
そして、なぜ最終的に「満足な人生だった」と言い切れたのか。

さあ、俺の物語を聞いてくれ。
ある転生者の、波乱万丈で愛すべき半生を。

一人の姫プレイヤーをギルドに加入させてから異変は始まる。

これは現実に起こって欲しくない。
ギルドマスターの苦悩話である。

この物語はフィクションです。
精神的苦痛は自己責任でお願いします。

　体育祭当日、玄関で女子生徒の学生証を拾った小山は何者かに花瓶で頭を殴られたことで意識を失う。運ばれた病院先で彼が見つけたのは左手の甲に書かれた「ダレだ？」という謎の問いかけだった。

『恋のほのお』https://ncode.syosetu.com/n7786er/を読んでくださった方々への後書きにも似た駄文

三年前、閏年の日に殺人鬼と遭遇した水野紘は大学生活最後の年に殺人鬼――――上地ユイと再び邂逅する。ユイは三年前に次の閏年は紘を殺すと決めていたのだ。回避する為に紘はユイから与えられた『死なない為の条件』を探していく。彼らを待ち受ける運命とは。

本編である「双狐炎狼伝」の閑話を集めたものです。

未知それは多くの人を魅了してきた。科学世界になった現在、未知は解明されていき白日の下へ晒されていく。やがてそれは神の手まで伸び、科学者によって神さへも殺して見せた。
　しかし、本当にそうなのだろうか？人間は理論を積み上げるより実際に見たものを信じやすい。では、魔法やエルフ、妖怪や神という概念はどうして出来たのであろう？ 歴史では神と人との子供が王や英雄になっている。
　彼らは見たのではないか？魔法をエルフを妖怪をそして神を。だから神や魔法という概念があり、妖怪や悪魔とういう恐怖があり、エルフやドワーフという人種が存在したのだ。
　だが、神がいなくなるとその姿は幻のものとなった。彼らは幾年といくつもの言葉を経由したが故に伝承として、物語の存在へと成り下がったのである。人の言葉によって存在が曲げられたのである。 曲げられただけで存在していたのだとしたら、この物語もまた同じように曲げられただけで本当は存在した事件だったかもしれない。
　ここまで頑張って見た人に言いたいことが一つ、こいつまじでなに言ってんだ？

死刑囚 怪しい科学企業 後は分かりますね？

自他ともに認める悪役令嬢マリネット。
ある日国を亡ぼすきっかけをつくってしまい、一人で国外に逃げたが、ある一人の男と出会い本当の真実を探り、今度こそ幸福な結末へと進むべく、罪悪感と後悔を胸に刻み過去へと時間巻き戻ったのだった。

核戦争「アウトブレイク」。特殊能力を発現した「覚醒者」までをも生み出したこの戦争の終結から50年。この戦争で人類は三国に分かれた。
その三国の内の「アストラ」の少年ヨハンは平穏な日々を送っていた。
だが、そんな平穏は脆く崩れてしまう。
隣国「レイリア」のケモノの覚醒者の諜報員がアストラの軍部に潜入していることが判明し、その諜報員は逃亡を図った。その逃亡の際、諜報員はヨハンの家に立てこもり、ヨハンの母親を人質にして国外へ逃亡。逃亡の途中でヨハンの母親はその諜報員によって殺されたことが分かり、ヨハンはこの諜報員とその諜報員の国であるレイリアへの復讐を誓い、軍部へと入団することを決意するーー。