天界と魔界、そしてその狭間に人間界は存在する。かつて起こった天界と魔界の大戦で人間界は戦場となった。人間は天界と協力し魔界軍を撃退するもどの軍も甚大な被害が出てしまう。人間たちは魔界軍によって生活できる場所の半分以上を失う。そしてその後に起きた凶悪な事件によりある一つの場所以外生活ができなくなった。そのとき『天使システム』というものができる。天界の女神たちは選ばれた人間たちに自分たちの娘である天使を送る。天使は一人一人違う担当の分野の魔法を使うことができ、その天使の持ち主である人間にその担当分野の魔法の基礎原理を何十倍も速く修得させる効果がある。普通の人間やその担当分野じゃない天使を持っている人間はその魔法の修得に十年以上かかるがその担当分野の天使を持っている人間は魔法や個人によって差があるがおよそ三か月で修得できる。選ばれたものは生まれたときに絶対天使持ちであり、選ばれなかったものはその後の人生では絶対にもつことはない。ごくごくまれに天使はその人間の才能の開花と共に女神へと転生する。転生した女神の中からさらにえりすぐられた一人が天界へと帰還することで天界側は大戦によって少なくなってしまった女神を補充し繁栄をもたらすシステム。それが『天使システム』である。このシステムと天使持ちたちによって生活できなくなった場所の半分は元の生活できる豊かな大地になった。現在、世界中で生活できなくなっていたときに一か所だけ生活をおくれた場所に、二度とそのようなことがないように天使持ちを育成するための学校『魔導育成高校』が建てられた。世界でもえりすぐりの天使持ちである魔導士たちが入学するこの高校に黒縄風月は転入することになる。上から下までエリートぞろいのこの学校で彼は異才を隠しながら夢を叶える一歩を踏み出す。