いまからおよそ千五百年前のこと。
「真桜（まざくら）」という里で一人の美しい姫が自害をした。
　自分を巡って争っていた二人の神を前に、桜の木の下で。
「私は桜の精となって、真桜の里に生まれる子に宿り、この里を見守り続けます」
　それが姫の残した言葉だった。
　あなたがたが争いをやめ、里にふさわしい神となった時に再び姿を現すと告げ、姫の魂は消え去った。
　……とは、真桜町に伝わる話である。

　現代の真桜町。
　この町に生まれた者たちの大半が進学する真桜高校。
　ここには二人のスーパースターがいる。両者とも二年生だ。

　一人は、超秀才の緒方道祐（おがた・みちすけ）。
　入試の点数が全科目百点で、入学以降もテストはことごとく満点をとり続けている。

　もう一人は、超スポーツ万能の坂本暖（さかもと・だん）。
　五つの運動部に所属し、いずれの部でもレギュラーの座を獲得している。

　緒方には「緒方塾」、坂本には「坂本団」というファンクラブがあり、真桜高校の二年生女子はいずれかあるいは両方に所属している。
　四人の女子生徒たちをのぞいて。

　彼女たちが所属しているのは文芸部。
　四人は等しく、部長の岩志木星児（いわしき・せいじ）に想いを寄せているのだった。

『現実（リアル）なんて、クソゲーだ』
ギャルゲーを人生の教科書とする高校生・時枝優（ときえだ ゆう）は、コミュニケーションが苦手な日陰者。彼の唯一の救いは、理想のゲームのヒロイン「雪城星羅」だけだった。

そんなある日、優は星羅と瓜二つの美少女を交通事故から救い、ゲームのような二つのスキルを手に入れる。時間をやり直す【セーブ＆ロード】と、不運を必ずエッチな幸運に変えてしまう【フラグ上書き】の能力を。

奇跡は重なり、その少女――雪白月奈（ゆきしろ つきな）が向かいの家に引っ越してくる。しかし、クールな彼女こそ、自分の容姿に注目されることを嫌い、全てを捨てて逃げてきた元トップグラビアアイドル「月白ユキ」だったのだ。

優の優しさは、【フラグ上書き】の呪いによって、常に最低最悪のエッチなハプニングへと変換されてしまう。それは、彼女が最も嫌う形で、その心の傷を無慈悲に抉っていく行為に他ならなかった。

絶望的なバッドエンドを【セーブ＆ロード】で何度もやり直し、彼はやがて気づく。スキルに頼るだけではダメだ。彼女の心を本当に救うための、たった一つの「正解ルート」とは――。

さらに、月奈の過去から忍び寄るストーカーという悪意の影が、二人の穏やかな日常を脅かし始める。

これは、最低で最高な能力を駆使し、たった一人の少女の心を本気で救おうとする、究極のやり直しラブコメディ。

「1000文字固定」で書いた作品を公開しています。
ジャンルは特に定めていません。
実験作品みたいな側面もありますので、多少内容に不自然感があるかもしれません。
それにつきましてはご容赦のほど…

感想などいただけると励みになります。

原則「毎週火曜日21:00」に更新します。

※「アルファポリス」「カクヨム」「ネオページ」にも同内容の作品を公開しております

原稿料未払い、作品無断使用は当たり前……。
無名漫画家の絶望と挫折、諦めと忘却。

無名がゆえに差別される職業……、
卑賎な自己と相克に打ちのめされ、
どんなに刻苦勉励しても、
結果がすべての世界では
評価されない。

ただ、見下されるだけ！

無名漫画家は寝転んで吠える。

辛酸に満ちた漫画道、
マッチ1本の明かりほどの小さな才が
揺れまくる……、

誰かに認められたい……、

悔しくて、悔しくて、
寝返りを打って、のたうち回り、
枕元に栗の花一輪、二輪……、

毎日が悶々とした不愉快な目覚め。
そして、また陽は昇る。

希望はいまだ見えず。
足元に蠢く黒い絶望。

売れたい、
ヒット作が欲しい、
……浅い感情だけだが
絶望の底をぼんやり照らす。

成功は自信、失敗は経験と
呟いては立ち上がるが、
時は残酷なり。

金なし、宿なし、人脈なし、
歯はぬけ、毛はぬけ、魂ぬけ……、
寂寞の思いと裏腹に、
心の奥から地獄の窯を
煮詰めたような憤怒の感情。

見下され続けた負け犬根性の
熱量だけで書き上げた7万文字。

こっそりと生きた証に墓石としてここに置く。

　　　　　孤立むえん (著)

幼い頃に大切なものを失い、心を閉ざすことでしか自分を守れなかった少年。
幼い頃に壊れかけた大切なものを守りたくて、幸福を演じるしかなかった少女。

そんな二人が演劇部で出会って始まった、少しだけずれた青春劇。

悲劇が人の心を抉り、絶望の裏に救われること。
喜劇が人の心を掴み、笑顔の裏で壊れていくこと。

まだ知らない二人が、お互いの心に触れ合った時――それが救いとなるか、破滅を呼ぶか。

これは救済ではなく、共鳴であり。
きっと共存ではなく、再構築の物語。

どこまでも無邪気に、無自覚に――だけど始まった以上は避けられない。
それがどれだけ痛みを伴う役であっても、もう舞台の幕は上がったのだから。

「わ、私の身体は……ち、恥辱と痛みを欲しがってしまう身体に、変わってしまったんです……っ！！」

　女神アリエルによって粗雑に異世界転生させられた青年、海斗がその先で出会ったのは、フィオと名乗る美少女。

　しかし彼女はただの美少女ではなかった。その正体は、正真正銘のド変態で……！？

　残念美少女と送る、異世界同棲スローライフ！！

この世界には、災魔と呼ばれる怪物が存在した。
災魔は、災害発生時に生まれ、古来から人々を襲って来た。
そして、それを討つ禍無師（かぶし）が、英雄視されていた。

そんな中、雨三宮小学校の三年生・主人公・大瀬守（おおせまもる）は、最高位の災魔・龍により、幼馴染と町を失ってしまう。

大瀬守は、多くの禍無師が所属し、災魔から人々を守る「対災魔討伐部隊」、通称「対魔討伐隊」への入隊を決意した。

龍という災害に、守は立ち向かう。
これは、厄災の龍と人類の、壮絶な戦いの物語だ。

『勇者のいない世界など、こっちから願い下げだ』

魔界で勇者が『推し』とされる時代。

魔王エルギアは最終決戦に向けて壮大な計画を立てていた。
しかし、勇者が一向に現れない。
痺れを切らしたエルギアは、お忍びで勇者のもとへ。

そこでエルギアが目にしたものとは。

愚図で変わり者で救いようのない腹黒勇者と、
不器用でお節介焼きで天然気質な魔王。

奇妙でどこか心温まる物語が今、幕を開ける。

私は一条ユミナ。元宇宙の大魔王。訳あって地球に転生しているのだが、私は不愉快である。
この世界、滅ぼすか？
ちなみにこの作品は一話につき400字であることを予め伝えておく。
ついでに300話完結予定である。
私はとある田舎の高校に通っているのだが、これが実に不愉快である。
最も不愉快なのは御手洗ミツキだ。彼女は私の魂の双子、救世主の生まれ変わりだが、完全に使命を忘れてしまっている。自分の美しさの虜になっているナルシストだ。
中森ウララは宇宙人の生まれ変わりだ。面白そうだから、という理由で転生してこないでほしい。
小湊ヒマリは天使の生まれ変わりで、常軌を逸して変わっているから、いつも翻弄されてしまう。
村雨カレンは苦手を克服するために生まれ変わった吸血鬼の生まれ変わりだが、無理をするでないぞ。
担任のこじんまりこちゃんは謎の二頭身の人物だ。彼女の後ろに見えるのはもしや・・・
アケフは伝説の横綱と四番サードの能力を持つ、野球部の顧問だが、彼もまた謎である。
安斎ノエルは爬虫類型地底人の生まれ変わりで生物部だ。けったいな生物ばかりを生み出している。
そのノエルが作ったのがパンダのしーちゃん。本名は粟栗四三という。
さまよえる桜島は学校をさまよっている小さな桜島だ。
双葉コノハはレムリアの大地母神の生まれ変わりである。
ミライちゃんは未来からきたネオ・レムリアの王で超能力赤ちゃんだ。
七瀬ホノカは箱入り娘。守護霊に守られている。
リーザは異世界の道具屋の娘で収集癖を持つ。
黒滝アオイは妖怪退治のお坊さんだ。男に見えるが女である。
泡花フランソワは演劇部のスター。
金次郎は校庭の二宮金次郎の銅像。動けるようになった。
小森カノンは引きこもりの生徒。人呼んで引きこもり観音である。
真弓リリアは手芸部の生徒だ。
西郷ライラは合唱部の生徒だ。
三森アンナは美術部の生徒だ。
月宮アルマはネオ・アトランティスの女王。
東風東風はアルマの従者のオウムである。

「エブリスタ」「カクヨム」にも掲載。

宮本奏は自分に自信がない。人前に出ると赤くなったり、吃音がひどくなってしまう。そんな奏はクラスメイトの宮瀬颯人に憧れを抱いていた。文武両道で顔もいい宮瀬は学校の人気者で、奏が自分を保つために考えた「人間平等説」に当てはまらないすごい人。人格者の宮瀬は、奏なんかにも構ってくれる優しい人だ。

そんなふうに思っていた奏だったが、宮瀬は宮瀬で、奏のことが気になっていた。席が前後の二人は知らず知らずにお互いの想いを募らせていって……。

ピュアな感じを目指して描いていますが、BLです。苦手な方はお控えください。
アルファポリスでも同じ内容でほんの少しですが先行公開しています。

怪獣災害の頻発する日本に、金属疑似生命体「ゼーフェル」が大挙して襲来。自衛隊の精鋭部隊「チームゼット」は謎の騎士「ゼンゼ」と共にゼーフェルに立ち向かう。

幼きときから与えられていた“特別な力”と、失われた父の言葉。
誰にも理解されず、恐れられ、傷つく少女エレナが出会ったのは、
同じように影を背負う仲間たちと、運命に抗う選択だった。

光を知らぬ者が、それでも花を咲かせる時、
その美しさは誰よりも――強く、儚い。

これは、力に呑まれず、自らを信じて進む者の物語。
影の中でこそ、咲く花がある。

かつて、世界は“理想”によって設計された。
創造神が打ち立てた十八の〈グリフ〉——それは「時空」、「空間」「生命体」など、世界のあらゆる要素を制御する式(コード)だった。

人々はその断片的なコードを利用して〈トレース〉と呼ばれる魔法技術を生み出し、文明を築いてきた。
けれどいつしか、本来の目的と異なる利用が増え、エラーとして少しずつ積もり、世界は、少しずつ理想からずれていった。


──そんな中、少年アトラが目を覚ます。
廃墟と化した都市で彼が拾ったのは、謎めいた“グリフピース”。
それをきっかけに、彼は他者には真似できない特異な力〈アクセス〉を発現させる。
それは、世界の構造式を理解し、書き換え、再構築(ディコード)する力。

各国に眠るグリフを巡る旅の中で、アトラは仲間と出会い、問題を解決していく。
一方その影で、グリフの脆弱性を突き、全ての力を奪おうとする謎の組織が暗躍を始めていた——。

しかし、少年アトラが持っていたのは、笑顔を守りたいという一心だった。
それは誰よりも優しくて、
誰よりもまっすぐな、強さのはじまりだった。

――これは、世界で一番優しい少年が、
世界で一番強く、駆け上がっていく物語。

【扉物語シリーズ２作目】※火・木・土曜日０時更新
幼い頃から死への強い願望を抱えていた。家庭環境は極めて劣悪で、人生の意味を見失い、金による束縛や親への憎しみに苦しむ。大学を卒業後、ブラック企業で働くことになり、さらなる絶望と死への願望が募っていく。

しかし突然、死を迎え願いが叶う。死後、彼の前に現れたのは謎の管理人だった。彼女は僕を呼び寄せ、生まれ変わることを提案する。僕は転生を望み、魔王 オベリスとして名前を変え新たな人生を歩むことを決意する。新たな世界「フリネラアルペン」で、オべリスは希望と絶望の狭間で何を成すのか。

ーさようなら、絶望の人生。おはよう、魔王の僕。ー

その年の四月一日、世界の明暗が逆転した。
すべての光は闇になり、すべての闇は光になった。

元凶は、アルミラージュ・ムースクイーンというヴァンパイア。
アルミラは血を吸わず、暗闇を浴びると灰になる、突然変異のヴァンパイア。

人外の彼女は、とある双子に接触する。
玉山コトブキと、玉山トワだ。

トワは夏にしか起きられない少女。
兄でもあり弟でもあるコトブキは、妹でもあり姉でもあるトワのことをなによりも大切に思っている。

そんな双子のあいだにアルミラが入ってきて――。

――そして。

※この作品は完結済です。

物語の中心は
今年で結成５周年を迎える男性６人組の歌い手グループ「パラレリウム・フライト」通称　パラフラ

メンバー紹介
名前、メンバーカラー、性格、関係性など
【やしろ】
白/リーダー、温和な性格だが闘志が人一倍強い
【れいあ】
水色/元気なムードメーカー、動画編集に詳しい、ダンスが得意、千幸と一緒にいると賑やかになりすぎる
【Koh-ei(コーエイ)】
赤/家庭環境が複雑で年齢の割りに大人びている、シヲとは年少組
【シヲ】
群青/ 最年少、おとなしかったが５年で揉まれて今では陰キャキャラを自ら突き進む
【千幸（ちゆき）】
オレンジ/関西出身、年齢は上から2番目、芹香とは年長組、台詞読みやASMRなど女性向けコンテンツを一通りやってきた
【芹香（せりか）】
黒/最年長、活動歴が長く業界の知り合い多数、歌作詞作曲MIXなんでもできるオールラウンダー


何者かになりたい誰かと、それを巡る誰かの物語。
深く深くかかわっている人もいれば、ただ通りすがっただけの人もいる。
人生きっとそんなもの。
これは、彼らと彼らを巡る人々の一生のうちのほんの一部。

「ねぇミレーネ、あなたは一体何のために魔法を使うの？」

ある日、同僚の魔女に言われた言葉が頭を離れなかった。

「何のために魔法を使うのか」

そんな魔導士として当たり前のことを、彼女は咄嗟に答えることができなかった。
魔力を持っているから？人の役に立ちたいと思ったから？それしか道がなかったから？
わからない。

そう思ってしまった魔女のミレーネはバカンスと称して自分の答えを探す旅に出る。

「何のために……か、そんなの、もう忘れてしまったよ」

これは、一人の魔女と一匹の契約精霊が答えを見つけるため旅をする物語である。

「おい、俺のことを忘れてんじゃねぇぞ？」

失敬、正確には一人の魔女と一匹の契約精霊、そして、数奇な運命を背負った少年が神様からの使命を果たすため、旅をする物語である。

旅の途中で、何度も旅を阻む敵と出会うだろう。
けれど、それは彼らにとって、なんの障害にもならない。
どうか彼らに神々の祝福が届かんことを

VRゲームという革命によって、プロゲーマーがプロスポーツ選手と同じほどの地位を得た社会。

天神悠哉はプロゲーマーになることを夢に見るが、家族である華道彩音の才能の前に夢破れる。
自己嫌悪しながら全てから目を背けていると、友人の厳島啓司の叱責を受ける。
誰かに背中を押してほしかった自分の情けなさに吐き気を覚えるも、天神悠哉はもう一度その夢を追いかけることを誓う。


プロとしての勝利に対する責任と、個人としての勝負への拘り。
遊びと仕事。その矛盾に挑む。

　エリュシオンは、七つの大罪を背負ったロードたちが覇権を争う世界だ。

　各ロードはカルマと呼ばれる罪の力を宿し、その力はバトルメイドサーヴァントに与えられる。
　メイドたちは聖契約により、主人のカルマを戦闘力に変えるが、その代償として主人の苦痛を共有する。
　カルマは主人の身体に痣として現れ、領土の問題を象徴する。
リシアの主、アルヴィンの傲慢の痣は、シルヴァーナ領の貴族の腐敗と民の不信を映し出す。
　戦乙女（バトル・メイド・サーヴァント）達の覇権を掛けた戦いが今切って落とされる。

脳トレよりこれ読んでください

【事故死に見えるなら、殺人じゃない】
“事故”に偽装された死――
その裏には、完璧すぎる殺人鬼タースの影。

無差別かつ、証拠ゼロ。
だが、静かにそれを見抜く者がいた。

冷徹なる探偵シスリア。
その隣には……何故か、ポンコツ助手・マサト。

――一人は、神にも等しい完全犯罪者。
――もう一人は、ただの探偵（と残念な助手）。

だが戦いは始まる。
言葉一つ、視線一つに張り巡らされる、知性と狂気の静かな戦争。

「真実を“見る”覚悟があるか？」

タイトル：オールアクシデント
ジャンル：静謐×知能戦ミステリー
読むたびに、脳が研がれる。……かもしれない。