作品情報
短編
12,612文字
ヒューマンドラマ〔文芸〕
最終更新日:2025/06/25 06:40
伯爵令嬢カヌセーラが婚約破棄された。
その結果、伯爵領は不景気に見舞われた。
不満を抱える領民たちだったが、まさか伯爵令嬢を名指しで批判するわけにはいかない。
だがある日、誰かがこんなことを言いだした。
「これは『友達の友達のいとこの友達』の話なんだけど、地味な娘でねえ。地味すぎて結婚相手に逃げられたって言うのよ。まったく情けないったらないわよね!」
『友達の友達のいとこの友達』とは伯爵令嬢カヌセーラを意味する隠語だ。
この隠語を使った悪口は領民たちの間で大流行した。
そんな伯爵領のとある町の一角で、平民の娘ルデーナは少女ベルイエと出会った。
ベルイエは問う。
「『友達の友達のいとこの友達』は自分の恋を最後まであきらめなかったのです。彼女はどうすればよかったと思いますか……?」
その問いに対しルデーナは、伯爵令嬢カヌセーラの「間違い」を指摘した。
ルデーナの指摘する「間違い」とは?
伯爵領は果たしてどうなってしまうのか?