ニヒルの国の女王ノエルは隣国との戦争から国民を守るために、国で噂になっている人物を探していた。それは暗黒の守護者と呼ばれ、暗黒の森で魔物に襲われている人々を助けているらしい。 　暗黒の森でその守護者を探していたノエルだったが、魔物に見つかり襲われてしまう。もうここまでかと思ったとき、ある男が彼女を助けた。その男・ユニこそが噂されていた暗黒の守護者だった。 　事情を聞いたユニはノエルに協力することを了承した。 　もしも戦争に負けてしまったらノエルは見せしめに殺されてしまう。ユニはノエルとニヒルに住む人たちを守ることを決意する。 これはユニという1人の男の戒めによって紡がれていく物語

異世界。 そこは目を疑う光景が広がっていた。 見上げる程に高い建造物が色鮮やかにいくつも立ち並び、人はみな平然と歩いている。 さらには見たことのない形をした四輪のものが馬車をはるかに凌ぐ速さで走っている。奇妙なことにそれがいくつも走っているのに衝突することはなく規律をまとっているかのようにスムーズに移動しているのだ。 嗅いだことのない匂い。感じたことのない汚い空気。そして見たことのないものばかりだ。 そんな場所にいきなり転移してきたのだ。決して望んできたわけではないではないが元の世界とは全く異なる世界に少しだけ興味がそそられることも事実であった。