成績はそこそこ優秀、運動神経も高く友人も多い、日々を楽しく過ごしていた17歳の女子高生アマノ・カナタは、友人と学校の屋上で昼食を摂っていたある日、大量の魔獣に焼かれる街を見た。 　小さな頃からカナタの身に起きていた幻覚・幻聴と称していた現象は、実は未来視という『異能』の力であり、未来に起きる出来事を一部分だけ知る事が出来るというもの。 　わけもわからず異世界に召喚されたカナタは正直早く家に帰りたい、戦いも好きじゃない、しかし異世界で出会った人達の窮地を見捨てる事も出来ない。 　そんな彼女は未来視の異能と仲間達の力を借りて様々な困難を乗り越え、異世界の大国の関わる争いに巻き込まれながら元の世界への帰還を目指して行く。

※1章編集中 　地図上で南側に位置する場所にある小さな孤島。どこの国にも属さないその地の村で、亜人と人間の混血である少年ウルガーは暮らしていた。　 　家族や親しい人達に囲まれ、平和で穏やかな日々を送っていた彼の夢は、外の世界を旅し色々なものを見て回る事だった。 　しかしある日、島の外から現れた集団により平穏だった村は地獄へと変わり果ててしまう。 　島の人達を、家族を、殺され傷付けられた少年は、集団を率いていた男『ベルモンド』へと復讐を誓い、島の外へと旅立った。 　奪われた全てを取り戻す為に。憎い敵を殺す為に。復讐の為に。――そう、何かが少年の脳裏に語り掛け扇動する。 　海を渡った先の大陸にてウルガーは、呪いの刻印を持つ『魔女』の少女と出会い、故郷の島に惨劇をもたらした元凶である組織『魔導会』へと挑む。　　 　戦いの中で少年は、想いを託され、本当の倒すべき敵の存在に気が付き、復讐に塗れていた心を変化させていく。 　その変化が、強大な敵を生み出す事になるとは知らずに。