一家を狙った殺人事件が起きた。齢5歳で家族を奪われ天涯孤独の身となった少年、夢野現は「空白(仮)」と呼ばれる存在に拾われ孤児院に引き取られた。幸福とは言い難いものの現はその生活に不満を抱いてはいなかった。しかし、またしても悲劇が現を襲う…現が引き取られてから10年目。現が15歳になったある日孤児院にいた全員が突如として姿を消した。その衝撃から現の心は閉ざされ、過去10年間の記憶を喪失した。老夫婦の養子として迎え入れられた現は偽りの感情を基に人格を形成し、年を重ね…3年の月日が流れた。大学生活が始まり少し経とうとした頃、大学の講義を受けている最中に激しい睡魔に襲われ深い眠りについてしまう。夢の中でとある声を聞いた。彼の耳に響くその声はどことなく懐かく感じるのであった。そして、その深い眠りから目覚めると、 「うん、これは異世界だろうな」 さも当然の様に頷く現。そこは…天穹大都市《セラフィム・グランド》と呼ばれる世界規模で不安定な浮遊都市が聳え立っていた。 この世界には地上はない。あるのは浮遊都市と真紅色に染まった地底。 右も左もわからない現はおっちょこちょいな謎の少女ルナメイアと出会い元の世界へと戻る方法を探す為に志半ば強制的に天穹騎士魔導学園《セラフィム・ナイトメア》に通うことに？！