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作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N8985DL
短編 |
※流血、殺傷シーンがあります。
あまりに恐ろしいため歴史からも消されたメランコリック・ダイナソー。優しい心を持ちながらその一族に生まれた恐竜ブルーの夢は花冠を作ることだった。ある日ブルーは残酷な心を持った少女アカネと出会う。一緒に過ごすうちにブルーはアカネに惹かれていき、アカネは優しい心を育んでいく。しかし二人が一緒にいるのを見つかってしまい、ひとは森に火を放った。優しすぎる恐竜と優しさをおぼえた少女の恋の物語。
以下、ネタばれあ有りのあらすじです。
あまりに恐ろしく、残酷なため歴史から消された恐竜、メランコリック・ダイナソー。
その一族に生まれながら、優しい心を持つブルーの夢は、花冠を作ることだった。
恐竜の住む森の近くの村には、残酷な心を持って生まれたアカネという孤独な少女がいた。
鏡合わせのようなアカネとブルーは森で出会い、同じ時を過ごす。次第にアカネは、触れるものを壊さなくなっていく。
明日も、きみといられたら。
それだけを願っていた二人を引き裂いたのは、人間と恐竜の争いだった。
アカネが恐竜と一緒にいるのを見た村人は、襲われることを恐れて先に武器を取った。捕われたアカネは薬で眠らされ、牢屋に閉じ込められた。
目を覚ましたアカネが鎖を引きちぎってブルーのもとへ行こうとすると、幼馴染のリョクが引き止める。アカネへの恋心を打ち明け、行かないでくれと言うリョクに、アカネは妹のアンズを託して森へ駆けていく。
わざと囮になったブルーが息を引き取ると、アカネの血に眠っていたメランコリック・ダイナソーの本能が爆発する。アカネは恐竜たちに襲い掛かり、殺しあって、殺された。
かみさまは、たくさんの命を奪ったアカネを裁き、生まれ変わりの輪から外した。
ときのない世界でアカネを呼んだのは、頬に鱗を残した、人間の姿をしたブルーだった。
かみさまに救いの手を差し伸べられたブルーは、アカネのところに行かせてくださいと頼み込み、姿を変えてもらった。
約束の花冠と、花の指輪を贈ったブルーに、アカネはようやくこの気持ちが恋で愛であることを知る。
誰もいない世界で、二人はいまもずっと一緒にいる。
それを覚えているのは、優しい世界を作りたかったかみさまだけ。
ジャンル:ハイファンタジー〔ファンタジー〕キーワード: 身分差 最終更新日:2016/08/14 00:05 読了時間:約46分(22,922文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N3360DL
短編 |
どんぞこもりのそこどんは、なまえのとおり、どんぞこもりをしています。
たくさんかなしかったり、こわかったり、きずついたりしたひとたちの、おっこちてくるどんぞこで、おっこちてくるひとたちをまっています。
そこどんは、がんばれとはげましたり、だいじょうぶとなぐさめたりはしません。
いたいのならいたいだけ、どんぞこにいていいよと、そういって、かえりたくなったら、かえりみちをおしえてくれるだけです。
きょうも、そこどんはおおいそがしです、
きっと、ずっと。
ジャンル:童話〔その他〕キーワード: ほのぼの 最終更新日:2016/08/01 23:07 読了時間:約2分(824文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 10 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N6786DK
完結済 (全4エピソード) |
巷で話題のヒーロー少女は、天使のように優しいことからひと呼んで、ヒーローアンジュ。
その正体は人間に紛れて暮らす、悪魔の跡取り娘、あんずだった。悪魔として悪いことをしなければならないというのに、あんずはいいことがしたくて仕方がなかったのだ。
絶対にばれてはいけないヒーローアンジュの正体をある日助けたクラスメイトの忍に見破られてしまう。誰にも言わないことを約束する代わりに、忍はあんずのヒーロー活動を手伝いたいと言ってきて……ちぐはぐながらも、今日もヒーローコンビは街を行く。
※以下、ネタばれ有りのあらすじです。
人間を惑わせ不幸へ誘う悪魔と、より良き道へと導く天使。
現代では迷った時に頭の中の本能と良心としてしか現れない双方は、いまもなお存在していた。人間に紛れて暮らしながら、悪魔は人を不幸へ、天使は人を正しい道へと導くノルマが課せられて、長い間対立していた。
安久沢《あくざわ》あんずは悪魔の一族、その跡取りに生まれながらも、誰にも内緒で「ヒーローアンジュ」として巷で人気のヒーローとして困った人を助けていた。あんずは悪魔でありながら、固く禁止されている「いいこと」をしたくたまらなかった。
ある日クラスメイトの井居《いい》忍《しのぶ》を助けると、正体を見破られてしまう。
忍はあんずに正体を黙っている代わりに自分もヒーローの仕事を手伝わせてくれと持ちかける。始めは全く気が合わないが、次第に息のあったチームプレーで困っている人を助けていく。ちゃんとコンビを組んで活動しようとあんずが切り出したとき、忍が天使の一族、天ケ市《あまがし》家の人間であったことが発覚する。
あんずがヒーローをしていたことも家にばれてしまい、天使と悪魔が大抗争を始める。巻き込まれた町の人を避難させたあんずは両家の間に飛び込む。ずっと親を恐れて言いなりになっていたあんずが、押し殺していた心を口にして、初めて口答えをする。捨て身のあんずをかばった忍は、両家の当主からの通達を読み上げ、悪魔と天使のノルマが廃止された。
忍はあんずの祖母と茶飲み友達で、あんずのことを知っていた。魔王を継いだあんずの祖母と、神を継いだ忍の祖母がとても仲のいいことも知っていた。
あんずは忍と正式にコンビを組み、今日も街を駆ける。
正義のヒーローでもダークヒーローでもなく、互いに誇れる自分であるために。
ジャンル:ローファンタジー〔ファンタジー〕キーワード: 青春 ヒーロー ラブコメ ハッピーエンド 最終更新日:2016/07/18 15:00 読了時間:約80分(39,894文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N3607DK
完結済 (全6エピソード) |
あらすじ
大きな松の樹のある、小さな八幡社には、人好きで、いたずら好きな、怒ると怖い神さまが住んでいると云われています。
人々は親しみを込めて、「御宮≪おみや≫さん」と呼んでいます。
その御宮さんには、時折少しだけ風変わりな子供が現れます。
まるで鈴の音のように、歩くたびにカラコロとよく鳴る下駄に、朱色の羽織。
ぴょんぴょん跳ねた飴色の髪と、同じ色したどんぐりまなこ。
「ばかだなあ。きみが知らないから、ぼくが知っているのさ」
傷を抱え、痛みを抱え、立ち止まってしまった人たちに、子供は生意気にそう言って、なんだか楽しげにわらいながら、ずっとそばにいるのです。
春には迷子の女の子が、夏にはいじめられっこの少年が、秋には寂しげなお母さんが、冬には暖かな家族が。
それぞれの傷と、痛みを抱えて御宮さんに訪れます。
涙をこぼしたり、うつむいたり、生きている彼らに、神さまは何もしてはくれません。
飴色の少年も、何もしてはくれないけれど、呆れも、わらいもしないで、ただただそばにいてくれます。
泣いたらいいよ、と、そう言って、ただ、そばに。
迷子の女の子は、やがて自分らしさを受け入れて恋をします。
いじめられっ子の少年は、死ぬことなく大人になって、おじいちゃんになります。
寂しげなお母さんは、小さな息子の幸せを願って、天国へ帰ります。
暖かな家族は、いつかの迷子の女の子。
季節を、時を経て、巡り巡る物語。
彼らは飴色の少年に救われたというけれど、終わらない神さまの命のさびしさを癒してくれたのは、傷を抱えて生きる彼らで。
だから、飴色の少年は、今日も嬉しそうにわらっています。
ジャンル:童話〔その他〕キーワード: ほのぼの 最終更新日:2016/07/11 23:59 読了時間:約59分(29,045文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 6 pt ブックマーク: 3件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N2500DK
連載中 (全1エピソード) |
色々な、おとぎ話の詰め合わせです。
ショートショートのようでもありますが、おとぎ話です。誰かを好きになったり、愛したり、それゆえに残酷な展開になることもあるかと思います。
キャラクターが死んでしまうような描写のあるものには本文冒頭に注意書きを付けておきます。
グロテスクなものは無いかと思います。
ジャンル:童話〔その他〕キーワード: ほのぼの ダーク ハッピーエンド 魔法 最終更新日:2016/07/09 23:15 読了時間:約7分(3,028文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N1313DK
連載中 (全2エピソード) |
一話完結のおとぎ話です。
こちらには季節の行事をモチーフにしたものを少しずつですが投稿していきます。
ジャンル:童話〔その他〕キーワード: ほのぼの 最終更新日:2016/07/07 17:00 読了時間:約9分(4,283文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N0071DK
完結済 (全5エピソード) |
あらすじ
戦争に鍵をかけた魔女がいた。
魔女は月が凍り、終わりかけた世界に宝をばらまいた。
魔女の宝を求めて魔宮で戦うトレジャーハンターの男前な美少女ヒメと、相棒二足歩行犬のロードはある日。自称アンドロイドの少年、エソラを拾う。三人で魔宮を巡り、仲間になっていくけれど、三者三様の過去が立ちふさがる。
世界を諦めない最強の三人組は、過去も傷も抱き締めて今日も旅をする。
以下、ネタばれ有りのあらすじです。
戦争に鍵をかけた魔女、ウォーロックは世界中に宝をばらまいた。
数百年後の現代、月が凍り、終わりかけた世界で、人々は戦争のない暮らしを送り、トレジャーハンターたちは宝を求めて魔女の迷宮に挑んでいた。
自称アンドロイド少年のエソラは、命の代替品である「ハート」を手に入れるため、博士の遺した地図の指すツクヨミ街に向かう道中、絡まれていたところをトレジャーハンターの少女ヒメと相棒の二足歩行のパグ犬ロードに助けられる。
宝を守る迷宮のいくつかは魔力の暴走により魔宮と化し、周囲に影響を及ぼしていた。
ヒメは魔宮の影響によって月を失った、生まれ故郷であるツクヨミ街を元の活気ある姿に戻すために、ロードと組んで魔宮の宝を狙っていた。エソラの戦闘能力をかって、目的のために三人は手を組む。
ヒメとロードと過ごすうちに、エソラは様々な感情を思い出し、次第にヒメへ苛立ちを募らせていく。盗賊団からのスカウトを断ってツクヨミ街に固執するヒメに博士を重ねたエソラはヒメと口論になり、エソラは街を出ていく。
別行動をとったエソラの義手の銃から博士の手紙が現れ、エソラは自分がアンドロイドではなく、博士が半分機械にして生かしてくれた人間だったことを思い出し、愛されていたことに気づいて引き返す。
魔宮内でピンチに陥っていたヒメとロードを間一髪で救ったエソラは、義手の銃で魔宮を打ち砕く。空から失われた月が現れ、魔宮は消滅する。
エソラは自分と博士が伝説の魔女ウォーロックであることを明かし、「ハート」を手に立ち去ろうとするが、ヒメに呼び止められ、ロードにも誘われ、今度は仲間になる。
世界を諦めない最強の三人組は、世界中の魔宮を攻略するため次の街へと旅に出る。ヒメに恋したエソラを乗せて。
出会い、手を組み、わらって、ご飯食べて、喧嘩して、ピンチを助けて仲間になる話。
ジャンル:ローファンタジー〔ファンタジー〕キーワード: 冒険 ラブコメ ハッピーエンド 最終更新日:2016/07/04 17:00 読了時間:約179分(89,484文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 12 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N0065DK
完結済 (全6エピソード) |
省エネ少年の前に現れたのは、半透明で身体に鱗を持った幽霊少女、ユーレイさんだった。成仏してほしくて振り回されているうちに、岬の日常が色付いていく。
※自傷癖のあるキャラクターが登場しますが直接の描写はありません。
以下、ネタばれ有りのあらすじです。
「うらめしやっほー!」中二の夏休み、ハイテンションな挨拶とともに岬《みさき》の部屋に現れたのは、やたらとクラシカルな服を着た幽霊だった。何事も要領よく、親しい友人も恋もしないで無機質な岬の日々を、半透明の「ユーレイさん」が色付けていく。覚えているのは、高校二年であることと、家族のこと。ユーレイさんはお姉さんぶって岬にあれこれ口を出す。
両親健在で、健康で、ただ生きていられることは当たり前ではないのだと、家族とろくに口もきかない岬に、ユーレイさんは両親からの受け売りだと、友人、家族、恋と、持論を交えて言い聞かせる。
誕生日ケーキを食べたいというユーレイさんに、それが未練かと岬がスポンジケーキを焼くも膨らまない。さっさと成仏させようとホットケーキやフレンチトーストを教わるうちに、岬は兄への劣等感など、少しずつ年齢相応の本音をこぼすようになる。ユーレイさんはわらったりしないで岬の言葉を受け止めて「傷は大切な人が出来たときに役に立つよ」とわらった。
成仏することにした、とユーレイさんが言いだしたのは夏休みの終わる二日前。いっそこのまま一緒にいてもいいと岬が思い始めていた頃だった。岬はパンケーキを積み上げて誕生日ケーキを贈る。
ちゃんと見つけてね、と意味深な言葉を残して消えたユーレイさんを思いながら、高校生になった岬はユーレイさんの面影を持つ少女、茉莉《まり》に出会う。茉莉に惹かれた岬は、過去の傷も受け入れて恋人になり、結婚する。
岬は長女と双子の弟の父親になったが、娘が高二の夏に病に倒れ、生きるか死ぬかの手術を迫られる。娘の強い希望で手術を受けることにした岬は、麻酔が効いている間に行けるマジカルランドを医師から勧められる。麻酔が効いてから意識が戻るまで、脳波を通じて仮想空間に滞在できるのだ。娘は九月の誕生日ケーキとプレゼントを約束して手術に臨んだ。
誰も気づかずに起こるバグを、岬だけは知っている。
高二の娘の行く先が、中二の岬の夏休みであるということを。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 日常 青春 ハッピーエンド 最終更新日:2016/07/04 17:00 読了時間:約129分(64,285文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 8 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 6 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N0054DK
完結済 (全6エピソード) |
主人公は干支になれなかった猫の末裔の少年。
彼には気になる少女がいる。香りに惹かれて恋を自覚したけれど、彼女は敵と教えられていた干支のねずみの末裔で……
これは恋なのか、食欲なのか?
猫とねずみの恋はハッピーエンドに辿りつくことが出来るのか?
彼らがそれぞれにハッピーエンドを作ろうとする、そんな恋の物語です。
以下、ネタばれ有りのあらすじです。
あらすじ
昔話の十二支の由来に、ねずみに騙されて干支になれなかった猫が出てくる。
宮尾《みやお》ケイはそんな干支はずれの猫の子孫だった。彼は前の席の無愛想な優等生の一宮《いちみや》すずみの「匂い」に惹かれていくうちに、彼女に恋をする。散々追いかけた末、屋上で昼休みを一緒に過ごすようになるが、そのうち彼女にいじめじみた嫌がらせが起きた。孤立していくすずみを一人にしたくないと思うケイだったが、彼女が干支ねずみの子孫であることを聞かされて、屋上に行くのをやめてしまう。
ケイはすずみへの思いが恋か食欲なのか、悩む。
嫌がらせが猫の仕業であることにも散々悩んだケイは、それでもすずみへの思いを貫く決意をする。しかしすずみと一緒にいたところを猫たちに責められてとっさに友達のふりだと言ってしまう。偶然それを聞いてしまったすずみは、裏切られたことに傷つき、これまで通り猫から身を隠すために転校しようとする。何も知らないケイが理由を問い詰め言い争ううちに、ケイは好きだと告げてしまう。
裏切りだと飛びかかってきた猫から、ケイはすずみを命懸けでかばう。
そこに、実は干支を集めた神さまの子孫として二人を見守ってきた担任教師の神宮《じんぐう》が現れ、本当の話を教えた。
ねずみは猫を騙しておらず、自分の代わりに猫を十二支にしてくれと神さまに頼んだが、神さまはそれには応えず、猫がねずみを恨まなかったら王様にしてやると条件を出したこと。ねずみの一族は先祖の願いを叶えようと、猫に追いかけられる度に土地も姿も変えてきた。
命懸けですずみをかばったケイに神宮は招き猫を取り出し、願いはもう叶っていたと打ち明ける。許し許されることがもしも叶うのなら見たいと神さまが願い、福を招く、猫だけの神さまとして招き猫を作っていたのだと明かす。
家も先祖も越えて、ケイとすずみは両思いになる。
ジャンル:現実世界〔恋愛〕キーワード: 青春 ハッピーエンド 学園 最終更新日:2016/07/04 17:00 読了時間:約136分(67,530文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 14 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:水瀬透/作品情報/Nコード:N0049DK
完結済 (全4エピソード) |
強かな子供の物語。
自傷癖のあるキャラクター、精神的虐待、ネグレクト、家庭内暴力を受けているキャラクター等が登場しますが、それらが行われている描写はありません。
舞台は高校。傷を知っているから優しい優しい子供たちの隠れ家≪シェルター≫の「文化部」で繰り広げられるクコと友人や部員たちの日常の物語です。
以下、ネタばれ有りのあらすじです。
あらすじ
不仲な母親と祖父の板挟みになりながら、幼い頃から仲介役をしてきたクコ。物分りのいい優等生だったクコは、家庭内の冷戦やいじめられたこともあり、笑顔を絶やさないが、人と一定の距離を取る、ひねくれた高校生になった。
高校に入ってすぐ、クコは廊下で倒れていた男子生徒を助けたことをきっかけに文化交流部に入部する。通称、文化部と呼ばれるその部は、料理、楽器、美術などの文化系の活動を浅く広く嗜み、学生向けのコンクールなどに応募するべく様々な文化系の生徒がごった煮になっている部活だった。
その通りの部員もいるが、文化部の本質はシェルター。
家庭や学校生活、人間関係や自分自身に訳ありの生徒の避難所だった。
何をするでもなく、何も起こらない、変わらない日々を過ごすクコだったが、マツやユズと一緒に部室で過ごしていくうちに、少しずつ変わっていく。
マツはクコを文化部に誘った一つ上の先輩だ。家庭内暴力とネグレクトによって伸び放題の髪から覗く顔や細い身体には、いつもアザがある。ひとを寄せ付けないところがあるが、なついてきたクコを突き放さないのは、クコを好いているからだ。
ユズはいじめられていたときにクコに出会い、文化部に入った同級生の少女だ。引きこもりの兄が自殺して以来自分を傷つけるようになるが、幼稚園の先生になるために、音楽教師を目指す部員にピアノを習っている。
クコは気付く。死ぬまで家に縛られていくと思っていたが、その気になればいつでも出ていける、自分を縛り付けていたのは自分だったこと。
お菓子作りをしているときに、マツにはお腹にたまるものがいいのではないかと作ってみたパンの世界に惹かれている自分に、マツへの恋心に。
マツ主催のクコの誕生日パーティーのなかで、クコはマツに好きだと伝える。
ままならないままでも、子供は強かに生きていく。
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 日常 青春 学園 最終更新日:2016/07/04 16:00 読了時間:約34分(16,567文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 4 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
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