戦火の中を逃げまどう母娘。 　そこへ一発の爆弾が。地面にあいた大きな穴に落ちる少女。そこで、少女が見た物は、失われた文明の負の遺産、ゴーレムだった。 　ゴーレムと心を通わす少女。やがて、心を持たなかったゴーレムに心が芽生えはじめる。 　だが、心ない大人たちによって、少女とゴーレムに最悪の事態が訪れることに。

　閉鎖されたトンネルに幽棲する女幽霊。彼女は、地縛霊となったため、トンネルから一歩も出ることはできない。 　かつては、トンネルを通行する人々をおどかして、暇つぶし（憂さ晴らし）をしていたが、新しいトンネルが開通したため、この古いトンネルを利用する者はいなくなった。 　女幽霊から相談を受けた浮遊霊の男が、全国から仲間の浮遊霊たちを呼び集め、女幽霊の憂さ晴らしに協力することに。

　ぼくが小学校四年生の時の担任。教師になったばかりの新米先生。 　運動が得意で、子ども思いのやさしい先生。 　ときどき、失敗もするけれど、それはご愛敬。 　何事にも真摯な態度で臨む姿は、ぼくのあこがれだった。 　そんな先生と過ごした一年間の楽しい思い出を綴ったぼくの回想録。

　ウサギたちの依頼を受けて、日本むかし話の謎に挑む写六少年。 　森の集会所に集まったむかし話の登場人物たちの証言をもとに、謎の解明に挑む。 　その謎とは。 　なぜ、ウサギとカメが駆け比べをしたとき、ウサギは途中で眠ってしまったのか？ 　なぜ、因幡の白ウサギの計略がサメに露見したのか？ 　真相究明の結果、意外な真実が・・・。

　おいしい樹液がたっぷり出る台場クヌギが群生する森。虫たちの楽園、台場シティー。 　そんな森が、人間によって壊されようとしていた。 　そこで、森に集う虫たちが、台場シティーを守るため、微力ながらも力を合わせ、人間との戦いに挑むことになった。 　果たして、虫たちは人間に勝利し、台場シティーを守れるのか？

　梅雨の長雨のため発生した土石流にのまれ、崩れた家の中に閉じ込められた少年。 　奇しくも幼い頃、祖母から聞いたホタルの話と似た不思議な体験をすることになった。 　瓦礫に埋まり疲労困憊した少年の前に現れた一匹のホタル。少年の耳に届いた、亡くなった祖母の声。祖母がホタルに姿を変えて現れ、少年を元気づけたのだろうか？ 　瓦礫とぬかるみで重機が使えず、その上、停電で暗闇となった被災現場での救助活動は難航した。 　その時、そこにいた人たちは、さらに不思議な体験をすることになった。どこかから数万ものおびただしい数のホタルが現れた。 　ホタルの光が照明の役割を果たし、明るい中で救助作業を円滑に進めることができた。 　おかげで、少年は無事救助された。 　少年を救ったホタルたちは、一体何だったのだろうか？ 　死者の魂が、ホタルとなって、現世に現れたのだろうか？

　浦島太郎に間違われ？乙姫様の呼ぶ声に誘われて、おとぎ話の世界に飛び込んだ村島太郎。 　乙姫様の願い（依頼？）で、混乱したおとぎ話の世界を救うことに。