かつて世界を焼いた、金色の竜がいた。 七日間で一つの国を滅ぼしたその災厄は、後に「滅国の七日間」と呼ばれることになる。 滅びのただ中、ひとりの少年が生き延びた。 名を失い、すべてを失い、それでも――彼は「エル・オルレアン」と名乗った。 これは、かつて皇子だった少年が、 星の力とともにもう一度“生きる”ために歩き出す物語。 魔導と星が交錯する大地ユーロピアを舞台に、 英雄の血を継ぐ者と、それを見守る者たちが運命に抗いながら進んでいく。 その身に宿る"星"は祝福か、それとも災厄か。 名を選んだそのときから、少年の物語は静かに始まった。 ※カクヨムの方でも掲載させて頂いております。

元ヤクザの作家と不登校の少女が織り成す短編ホラー。 様々な怪異に対して出される雑な解決方法。元ヤクザの「暴」と脳筋少女の「暴」。今日、殴られるのは怪異か人か。

奈落の深淵を踏破した者たちが紡いだ、英雄譚――『奈落の果ての冒険譚』。 だが、その光に満ちた物語の裏には、語られることのなかった“もうひとつの道”が眠っている。 ──あの瞬間、手を伸ばさなかったなら。 ──あの決断が、違っていたなら。 勇者は悪夢となり、救済の旅は破滅を呼ぶ。 これは、クロスたち冒険者の戦い、リゼルグ盗賊団の暗躍、そして奈落六大将の野望が交錯する、 “異なる奈落”を描いた外伝集である。 【収録エピソード】 ◆〈主人公のジーナ〉 　兄ジークを失い、甥のクロスを育てる道を選んだ彼女。 　だがもし、悲しみを胸に、兄の仇を討つ冒険者となっていたら──。 ◆〈冒険者は奈落で堕ちる〉 　冒険を始めたばかりのクロスたちが、死人騎士に追い詰められた絶体絶命の刹那。 　もしあの時、グレンの救援がなかったら、彼らの物語は──。 ◆〈魔王の目覚めと世界の終焉〉 　最終決戦で奈落六大将の中枢・不安のシャスエティが勝利していたなら。 　その先に広がるのは、絶望に飲み込まれる終末の世界──。 ◆〈権能：チート　無敵のクロス〉 　数千人に一人が授かる神秘の力【権能】。 　本編では薬草や鉱石を見抜く力、天候を予見する力などが登場したが、もしクロスが無敵の権能【チート】を授かっていたなら、物語はどう変わるのか──。 英雄譚の影に潜む「もしも」の世界。 これは、誰も知らないもうひとつの奈落の物語。 ※毎週　月・金曜日　AM6:00 更新！ （進捗状況や、作者都合により休載する場合は、近況報告にて連絡いたします）

かつて最強の騎士アルガードは、邪悪な王の陰謀を打ち砕いた。 若き王子ルシアンが即位し、王都には新たな時代の兆しが訪れた――はずだった。 だが三年後。 税に苦しむ民は疲弊し、王都の地下には瘴気が渦巻く。 家族を奪われた一人の男・アダンは、その深淵に潜む力と共鳴し、「魔王」として立ち上がる。 搾取され続けた民衆の反乱、旧体制を守ろうとする貴族たち、理想の国を築こうとする若き王子―― 三つ巴の戦いが、国の未来を決する。 前作『奈落の果ての冒険譚』の続編にして、 新たな視点で描く革命と魔王譚。 前作を知らずとも楽しめる、新章開幕！ ※毎週水曜日　AM6:00　更新！

　夢を追った青年が辿り着いたのは、思い描いていた未来ではなかった――。 　都会で理想を求めて働くも、気づけば何かがおかしい。 　「ここに来たら終わりだよ」 　同僚のその言葉をきっかけに、快晴は仲間たちと共に大きな決断を下す。 　仲間と笑い合いながら働く日々の中で、夢は本当に終わったのか？ 　それとも、別の形で生き続けているのか？ 　夢と現実の狭間で揺れる若者たちの青春群像劇。 　心のキャンバスは、どこにでも描ける――。 ※この小説は、不定期更新です。

飛び降りた夜、青年はタクシーの後部座席で目を覚ます。運転手・尾張花の仕事は、亡くなった魂を彼岸へ届けること。やがて相乗りの男が乗り込み、夜は別の重さを帯びる――終点で手渡されるのは、一枚の切符と、一篇の詩。 ※カクヨムの方でも掲載させて頂いております。

『奈落の果ての冒険譚』では語られなかった、英雄や仲間たちの知られざる過去――それを描くのが、この外伝集です。 【収録エピソード】 ◆〈アレクシオ＝リオンドール 〜陽は落ちても、灯は残る〜〉 　本編では語られなかった、もう一つの“英雄譚”。 　過去と現在、静かに繋がる、命のバトンの物語。 ◆〈エリス＝マギア〜風はあの日、母を貫いた〜〉 　襲い来る奇病《奈落病》。モンスター化した母。 　薬師の少女エリスは、自らの手で“母を殺す”という選択を強いられる。 　それでも彼女は立ち上がる。妹・ミリスの命を背負い、あらゆる病と闇に立ち向かうために。 　これは、一人の薬師が奈落に挑む、希望と贖罪の物語。 ◆〈マロン=アルバトロス〜兄の背中を目指して〜〉 　奈落を踏破した英雄の兄ジャン。 　その背中を追い、妹マロンは冒険者として歩み出す。 　憧れと葛藤を抱えながらも、仲間と共に試練を越え、自らの道を切り開いていく物語。 ◆〈奈落の果ての後日譚〉 　奈落を踏破した冒険者イグニスは、今日もギャンブルの種銭を求めて奈落へと挑む。 　そして同じく奈落を踏破し、小説の取材と妻の薬屋の材料集めのため、彼に同行するのはクロス。 　伝説の冒険者たちに同行するのは、次代を担う2人の冒険者。 　怪力を誇るグラドと、氷のボウガン使いリラ。 　本作は、まだ伝説になりきれない二人、グラドとリラの成長と奮闘に焦点を当てた物語。奈落の過酷な試練の中で、彼らは何を学び、どんな冒険を紡いでいくのか――。 ※こちらは不定期更新です。

《《最高ランキング92位！》》 「死後の魂は、どこへ向かうのか」――その一説に、ブラックホールという説がある。 あらゆるものを飲み込むその闇から放たれた、負の感情の塊。 それは漆黒の隕石となり、グランドリオン領・サンライズシティ近郊へと墜ちた。 大地にぽっかりと穿たれたその巨大な穴こそ、今ではこう呼ばれている――【奈落】。 奈落の深層には、人々の「希望」が具現化し、 未知の秘宝、万能の薬、究極の食材、最強の武器など、 数多の奇跡が眠っているとされる。 冒険者たちはその希望を手に入れるため、絶望に挑み、奈落を目指す。 それは、命と運命を賭けた、終わりなき旅の始まり。

本作は、現職首相・石◯が辞任したとしても、日本社会の根本は変わらないという根深い閉塞感を描いた短篇小説集です。四つの“後継シナリオ”を通じて、政治の停滞と市民の無力感をあらわにします。 パターン1：岸◯の場合 穏健さをアピールするが、中身は前政権と同じ。 「顔が変わっただけ」で、国民の不信はさらに深まっていく。 パターン2：◯泉の場合 レジ袋有料化や給水車対応など“珍政策”の連発。 次々と繰り出される突拍子もないアイデアに、国民は笑うしかなくなる。 パターン3：◯野の場合 デジタル改革を掲げるものの、現場を無視した制度を強行。 マイナンバーと保険証の統合、確定申告の義務化など、国民生活は混乱の渦に。 「改革」の名の下に、負担だけが増していく。 パターン4：高◯の場合 保守色を前面に押し出し、古風な価値観を政策に反映。 「選択的夫婦別姓」など社会の変化に背を向け、外交・防衛では強硬姿勢を強める。 一部には支持されるが、多くの国民は「時代に逆行している」と感じてしまう。 ※この作品はフィクションであり、実際の人物とは関係はありません。

誰かが世界の時計を逆向きに回した。 決して許されることはない禁術であった。 なんのために逆向きに回さなければいけなかったのか。

深層すら踏破する実力を持ち、冒険者ランキングベスト5の座にある男がいる。 その名はイグニス＝イッシュバーン。 モンスターを射抜くその眼と腕前は一流！！ …だが、金だけは常にない！ 稼いでは溶かし、勝っては奢り、負けても笑顔。 彼の主戦場は、サンライズシティの大カジノと奈落第六層ルメナリアの裏通りにある魔導パチンコ！ 「バカラは流れを読むもんじゃねえ。流れを変えるんだよ！」 「ポーカーは読み合い？違ぇな、ブラフの美学を見せてやる！」 命懸けのダンジョン探索の合間を縫って繰り広げられる、もう一つの命懸けバトル。 地下カジノでの連戦、イカサマ師との頭脳戦、ポーカーデスマッチ… イグニス流・必勝法や勝負哲学も大公開！ 「金がねぇなら、ツキで勝て！」 「負けても勝ち顔、それがギャンブラーってもんだ！」 ――運命をも賭け金に変える男、イグニスの伝説がいま幕を開ける！ ※ 本作は、『奈落の果ての冒険譚』の外伝です。 スタートは第四章終わりから数ヶ月後の話になります。 しかし――本編とは一線を画す内容となっております。 舞台は奈落の深層……ではなく、金と欲望が渦巻く巨大都市サンライズシティ。 主人公は冒険者ランキングベスト5に名を連ねながら、稼いだ金をすべてギャンブルに溶かす男――イグニス＝イッシュバーン。 本作は、そんな彼が繰り広げるバカラ、ポーカー、魔導パチンコなど、命を懸けた“本格ギャンブル勝負”の物語です。 イカサマあり、心理戦あり、恋あり、笑いあり。 剣も魔法も出ない回もありますが、そのぶん運と読みと勝負勘だけで戦う世界を、どうぞお楽しみください。

転生したら銀龍の龍になっていた…！？ 魔法と剣の世界で王道ファンタジー物語！！！

刑部里は、夜の街でビートを刻む。 808の低音は、誰かの秘密を飲み込みながら鳴り続ける。 嘘を隠すのは簡単だ。ただし、里に隠し事はするな。 ※カクヨムの方でも掲載させて頂いております。

一人が見れば妄想 　　二人が見れば現象 　　　　複数人が見れば世界となる 幼い頃から、幽霊が見える青年。 見える力を忌み嫌い、なくしたいと願う彼はある日、白銀の髪をもつ、美しい男と出会った。 『ようこそ、神霊事務所へ』 神や霊に関する悩みを受け付けるのだと、男はそんな事務所の所長を名乗る。 青年は知っていく。霊とは？神とは？そして、自分の力の正体を。 お客様は人間だけとは限らない。 人と、霊と、神が紡ぐ、この世のお話。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

大山彗は、雨の日も晴れの日も赤い和傘をさして大学に通う。 ずっと彼女を見ていた。 いつの間にか雨は降らなくなり、僕は彼女の隣に座るのが当たり前になった。 ※カクヨムの方でも掲載させて頂いております。

よっす。スズメって名前で呼ばれてる者です。 呼び捨てでいいよ。 ここは観月学苑。山もなけりゃ谷もない、平らな青春やってます。 いつもの教室、いつものメンツ、なんか眩しい空。あと、妙に整った時間割。 まーそれなりに楽しく生きてる。 正義ぶった奴に振り回されたり、足りない女の子に怒られたり、 頭にネジ足りないやつと口きいたり、突然空間ごと消えそうな奴と話したり。 ……あれ？　俺、何の話してたっけ。 とにかく、たぶんこれ、青春群像劇ってやつです。たぶん。きっと。知らんけど。 ほら、放課後の教室で誰かがギター弾いてたり、靴箱で告白されたり、屋上で弁当シェアしたり── そういう“よくある1ページ”も、ちょっとはある……かもしれないし、ないかもしれないし。ていうか、どうだったっけ。 ま、読むだけならタダなんで。気が向いたらどうぞ。 ※本作はカクヨムでも同時連載中です。

　夢をみた。何とも幸せで、甘い飴のような夢だった。眠る気になれなくて、噛み締めるように部屋を出ると、空には冴え冴えと美しい月が浮かんでいた。

東京で働くジャーナリストの神崎彰（かんざきあきら）は、かつて取材で面識のあった元刑事・黒田哲夫の不審な死を知る。その死に疑問を抱く中、編集長から高性能AI「クロノス」の開発者である若き天才プログラマー、朝倉結衣（あさくらゆい）への取材を命じられる。 取材を通して、神崎はクロノスの驚異的な能力に驚愕すると同時に、朝倉結の謎めいた雰囲気に心を惹かれる。しかし、取材を進めるうちに、黒田の死とクロノス、そして朝倉結の間に、何か拭えない繋がりを感じ始める。 一見無関係に思われた取材は、やがて神崎を予期せぬ事件の渦へと巻き込んでいく。AIが秘める可能性と危険性が交錯する中、神崎はジャーナリストとしての本能に従い、隠された真実を追い求め始める。

人との交流を嫌う主人公、遊佐一彩(ゆさかずさ)は高校3年の始業式の日にクラスメイトになった学校のアイドル、八坂真響(やさかまゆら)に声をかけられる。 今まで全く接点のなかった二人だったがとある事をきっかけに知り合う事になったのだ。 それは真響が一彩の姉、遊佐真彩(ゆさまあや)の立ち上げたVtuber事務所、ファイブハーフにオーディションを受けにきた事がきっかけだった。 ファイブハーフは小規模ながら100万人以上のリスナー登録者数を持つタレントがいる事務所で、一彩はその中の一人だった。 名前はフォニア・シンフォニィ。 薄紫色の髪を持ち、可愛らしい声と透き通った歌声を持つ女の子Vtuberで、100万人の登録者数を誇るVtuberなのだ。 事故により変性障害を負った彼が高校一年生の時に姉の配信に入ってしまったのがきっかけでVtuberデビューをした、れっきとした男なのである。 だが、彼自身はコンプレックスと世間に嘘をついていると言う罪悪感から、高校卒業を機にフォニアとしての活動も辞めるつもりでいたのだ。 そんな時に出会ったのが、真響だった。 フォニアの熱狂的なファンである彼女もまた、顔に傷があると言うコンプレックスを抱え、それでもなお、幼い頃の夢であるアイドルを目指していた。 オーディションをする事に否定的だった一彩だったが、初配信でも動じない姿と全身が震えるような歌唱力を持つ彼女に心を動かされ、真響を研修生として迎え入れる事を承諾する。 その結果、彼女のマネージメントをする事になってしまったのだ。 学校で目立つ事を嫌う一彩だったが、彼女と過ごすうちにクラスでも友人ができ、自分の気持ちに気づき始める。 その反面、彼女にフォニアだと言う事を知られたくないとも思い葛藤する。 だが、Vtuberとして順調に歩んでいく真響とだんだんと声が掠れつつある自分に一彩はとある決意をする。 彼女を世界一のアイドルVtuberにする！！ その目標の為、一彩はフォニアとして世界に嘘をつく。 ……一夜限りの嘘を、君のために。

レイファ王国五大公爵家の一つ スタンフォード公爵家に待望の女の子が産まれた。彼女の名は、アレミア。4人の兄たちは、アレミアをとても可愛がった。彼女は成長するに従って母親の遺伝により病弱になっていってしまった。ベッドでの生活が続くある日スタンフォード公爵家に王命が届く。それは、犬猿の仲にある シークスティ家の次男ルディック との縁談であった……兄たちの大反対の中アレミアは貴族の宿命だと自分に言い聞かせルディックの元へ嫁いでいく。だが、ルディックはアレミアに優しく接し時折見せる表情は愛おしいもの大切に想う目であった。これは、病弱な少女が不器用な少年と共に成長し幸せになるまでの物語。