エルフのレイは幸せだった。そう、幸せだったのだ。数百年の間、出会いと別れを繰り返し、様々な世界を見てきた。彼以上の幸せ者はそういなかっただろう。 しかし、その幸せは一人の少女の気まぐれで崩壊した。彼女の名はガーベラ。この世界の創造主であり、彼の師匠兼相棒だった。 彼女の気まぐれは彼を苦しめた。彼の財産を、友を、すべてを奪い去って。 全てを失った彼は森に籠った。そして、自身の寿命が尽きるまで誰にも会わず、何も持たずに生きていこうと決心していた。決心していた・・・。 そんな、彼の目の前に一人のエルフの少女が現れる。 しかし、その少女はガーベラがレイを動かすために創り出したエルフだった。