伯爵家の三男として生まれながらも、無能と蔑まされ、父に家を追放された少年サイラス。 少年は絶望の中で魔法を求め、命を懸けた過酷な儀式に挑んだ。 十五年間、家族から虐げれた境遇を糧に、激痛に耐えた彼はついに強大な魔力を手にするのだった。 それがやがて、ミルガルド大陸最強の魔法使いと呼ばれるようになることも知らずに。 正妻の娘ではないことを理由に婚約を破棄され、王宮での立場も失ったシルウィア。 追い打ちをかけるように母も病で亡くなり、心が砕ける中、少女は母の遺した手紙に出会う。 ――誇りと自由を持って。王族ではなく、あなた自身として―― その言葉に背中を押され、少女は母の故郷フェルヴェリアへと旅立つ。 誰かの影ではなく、自分の人生を歩むために。 魔物を狩る騎士として、大陸中を仲間と共に旅するロイは、ある港町で一人の少女と出会う。 奴隷商に連れられるその少女に、かつて失った妹の面影を見たロイは、彼女を保護し、故郷の国へ連れ帰ることを決意する。 しかし旅の途中、亜人や魔物といった人類の脅威が次々と立ちはだかり……。 これは、人間不信に陥った少女と、お気楽ながらも真っ直ぐな騎士の、心を通わせていく物語である。 三者の運命が交わる時、世界に混沌が巻き起こる……！

男爵子息シャベル・スコッピーはスコッピー男爵家の四男であった。愛人の子供であるが故に正妻から嫌われる彼は、それでもけなげにスコッピー家の一員であろうと日々努力を欠かさなかった。 だが十二歳の授けの儀で女神様より授かった職業は無情なものであった。 彼は決意する、「細々でいい、自分なりに生きて行こう。」と。 これはそんな主人公シャベルが日々を懸命に生きて行く物語である。 主題は「生きる」です。

異世界なんてあるわけがないと思ってた。そんなのファンタジーにすぎないって。『異世界？　なにそれおいしいの？　異世界だのなんだの、そんな現実離れした架空の話なんて知らんがな』そう小馬鹿にしていた世界へどうやら転移させられたっぽい。多種多様なコスプレをした連中に囲まれて物々しい雰囲気。 早々に前言撤回するわ。異世界はある、おそらくきっと。だってここ多分、異世界だわ──。 「名はなんという」 「人に名前を尋ねる時、まず自分から名乗れって教わってません？」 私の終わりかけてた人生が、新たに始まる──。 「正室とは正妃になるということだな」 「せいひ……？」 「正妻のことだ」 「？」 「妻と言えば分かるか？」 「誰の」 「俺の」 「え？」 「ん？」 「妻？」 「ああ。側妃ではなく正妃だ」 ・・・なんてこったい。 かくかくしかじかで絶対的な君主として存在する皇帝 ガノルド・ラフマトスホユールの正妃になることになった佐々木美織ことレディア・ウィンテルシア。 「皇帝なんでしょ！？　一番偉いんだよね！？　なんとかなるでしょ、紙切れ１枚くらい……ね？　ガ　ノ　ル　ド　様♡」 「どうした、目が痛むのか？」 「ウインクだよ！！」

　――超有名な古典文学〝源氏物語〟の登場人物、〝葵の上〟をご存知ですか？ 　左大臣家の姫として生まれ、主人公である光源氏の正妻に選ばれながらも二人の間に愛はなく、子どもが宿ったことで少しずつ打ち解けるも、浮気性な夫が手をつけていた女性の一人に恨まれて呪われ、出産と引き換えに命を落とす――って冗談じゃない！！ 　昨日まで気ままに生きてたアラサーオタクが、何をどう間違えば〝葵の上〟なんかに転生するの！？　このままだと私、二十代半ばで呪殺ルートまっしぐらなんですが。自キャラの行動どうにかするだけじゃ回避不能な呪殺ルート、既に詰み感ハンパない！ 　それでも、三十前にあの世行きが決定しているのは流石に辛いし、可愛い我が子を遺して死ぬのも嫌なんで、ここは一つ腹を括って、呪殺ルート回避に邁進しようと思います！ 　中身アラサーオタクな〝葵の上〟が生き残りをかけて超有名古典に挑む、愉快痛快原作ブレイクストーリー！！

母を突然の事故で亡くしたアリシアは時々母と暮らす家に顔を出していた男性…実父であるロンヴァート侯爵に引き取られる。 学生時代恋人同士だった2人は母の身分が低かったことで泣く泣く別れ、その後再会。やがてアリシアが生まれたと言う。つまり婚外子。 そんな娘を父の正妻である義母が受け入れるはずもなく、疎まれ冷遇される。 仕方ないかと自分の境遇を受け入れて数年、相変わらずな義母に見下す使用人、引き取った癖に無関心な父親。このまま飼い殺しにされるのはウンザリだと、逃げることを決意。 無計画に逃げ出したせいで早速詰み、絶望するアリシアに1人の少年が声をかけた。

目が覚めると、そこは平安時代の宮廷だった。 しかも、俺は「光源氏」として生まれ変わっていた——。 俺は現代の日本で普通に生きていたはずだったが、ある日突然、異世界転生のような形で光源氏になってしまった。しかし、恥ずかしながら『源氏物語』の内容はほとんど知らない。聞いたことがある程度で、どんな物語なのかもよくわからないまま、俺の新たな人生がスタートした。 けれども、これはただの貴族の優雅な恋愛劇なんかじゃない。政治、陰謀、嫉妬、策略——美しくも厳しい宮廷社会の中で、俺は「光源氏」として生き抜いていかなければならないらしい。 平安時代の貴族文化はあまりにも異世界すぎる。言葉遣い、礼儀作法、貴族の身分制度——何もかもが現代とは違う。最初は「まあ、なんとかなるだろう」と思っていたが、甘かった。俺は帝（みかど）の寵愛を受ける皇子でありながら、母の身分が低かったせいで、宮中での立場は決して盤石ではなかった。そして、ある日、俺の人生を大きく揺るがす出来事が起こる。 帝の正妻・弘徽殿の女御（こうきでんのにょうご）から、俺の母が激しく嫌われていたのだ。彼女の嫉妬と権力争いによって、俺の母は病に倒れ、そして——。 この時、俺は思い知った。これはただの恋愛劇なんかじゃない。宮廷という戦場で生き抜くためには、知恵と慎重さ、そして時には策略が必要だと。 しかし、俺は「光源氏」として、あの有名な女性遍歴を辿ることになるのか？ それとも、俺自身の選択で未来を変えることができるのか？ 物語の運命に逆らうことは許されるのか？ ——これは、平安時代に転生してしまった男が「光源氏」として生き抜く物語である。 美と知略が交錯する宮廷の世界で、俺は何を選び、どう生きるのか？

掟の女神テミスは、神々の王ゼウスの2番目の妃だった。 けれど、神妃という座を退いた今もなお、彼女はオリュンポスの傍らに立ち続けている。それは愛のためではない。世界を律する秩序と理のため——。 ゼウスの新たな正妻となったのは、結婚と家庭を司る女神ヘラ。叔母でもあり、前妻でもあるテミスに対し、彼女は憎しみも嫉妬も抱かない。ただ、理解しきれぬ感情が、胸の奥で静かに渦巻いていた。 そして、誰も知らぬ場所から二人を見つめる声がある。 それは最初の妃、深き叡智を持つ女神メティス。 彼女はかつてゼウスに飲み込まれ、その精神の奥底で、今も静かに“思慮”として生きている。 掟か、愛か、それとも思慮か。 神々の王のもとで交差する三つの在り方が、今日も天上の秩序を形づくる。 これは、“妃ではなくなった女神たち”が、それでもなお大神の傍に在り続ける物語。

アルファポリス 第8回ライト文芸大賞・投票期間 令和７年５月１日〜３１日 令和7年4月1９日(土)時点・アルファポリス先行公開中・１５０話公開中 王道の青春ドタバタラブコメ 「パンツが、僕の創作インスピレーションなんだ――！」 そんな言い訳が通じると思ってた、高校二年生ラノベ作家・真壁弘弥。 妹（従妹）との再同居から始まった、青春ラブコメ生活は、気づけば修羅場だらけ！ ヒロインは個性派ぞろい。 毒舌ツンデレ妹、観察系無感情ヒロイン、お姉さん優等生、ギャルに中二病……さらには、 外国の王女に、内親王（しかもガチ恋ファン）まで参戦!? 王女に渡された“脱ぎたてパンツ”がきっかけで、妹ブチギレ、ヒロインたち集結。 創作机の引き出しから“証拠のブツ”が見つかって、 今、恋とパンツと青春を懸けた修羅場大戦、開幕。 「創作」か「恋」か、「パンツ」か「純愛」か。 ――パンツで物語を書く男と、それを全力で阻止するヒロインたちの、 ちょっとバカで、でも真剣なハーレムラブコメディ、絶賛連載中！

とある中世の中華帝国の初代皇帝。 彼は、一身に三つの性を兼ね備えた男と、後世に称されている。 一つには、良民を慈しみ善政を布き、前王朝の悪政によって 荒廃した中華大陸を立て直した聖賢の性。 一つには、史上初めて中華大陸南部より身を興し、 幾多の激戦を勝ち抜いて中華大陸全土を支配した豪傑の性。 一つには、彼の覇業を助け支えた功臣功将たちを己の猜疑心によって 次々と粛清し、その九族に至るまで族滅した盗賊の性。 そんな彼が、ある日とある女性と出会う。 彼女は、彼が先達として敬い慕う男の正妻であった。 彼は彼女のぼやきを聞き、そして彼も己の行動について 彼女に弁明する。 これもまた、しがない物書きの妄想の産物である。

その家には二人の娘がいる。 一人は正妻である貴族の娘。 一人は妾である平民の娘。 美しいのは幸せなのか、美しくないのは幸せなのか。

敗戦国の主として戦勝国に嫁いだメイベル。戦勝国の王は彼女に正妻としての地位と寵愛を与えたが、彼は野心の強い男で、自身の野望のためならメイベルにも犠牲を強いる。 野心家の王と、そんな夫に尽くして賢妃と呼ばれるまでになった王妃――ひどい夫に利用されて大変な目に遭う彼女を守ってあげたいと寄ってくる男もいるけれど、本人は夫を愛することが幸せというお話(惚れたほうの負けと王妃は思っているが、意外と王も妻にベタ惚れ)。 ※今作はヒーローが夫としては割とろくでもない男で、自分の野心のためなら妻をも利用し浮気もします。それに対して健気に尽くした結果、複数の男と関係を持つことになるヒロインで、貞操観念や倫理観には問題多め。 ※1/1　プロローグ部分を変更しました。

勇者パーティの軍師、オリンポス。その天才的な発想は勇者パーティの頭脳として遺憾無く発揮され物語を彩るアクセントとなっている。 しかし正式な文書での彼の活躍は驚くほど少なく、実在が危ぶまれている。また、後のソーラス公爵の正妻の名前もオリンポスであるため、男尊女卑の強かった当時の王国ではその存在を抹消されたという声も大きい。 そんな彼（彼女）の実際はどんな存在だったのか。その謎を追求していきたい。 ココ「えっと、ここから先は外伝の外伝で濃厚なTSF、女装、精神的BLを含みます。ご注意ください」 オリンポス「こんな事書かれてるけど、ぶっちゃけ色々嵌められた結果というか、流された結果で僕は最初から男でソーラスと結婚する気も無かったんだ。なんでこういう事になったか理論的に説明していこうか」

後日談完結！ ３万ユニーク　２３万ＰＶ達成ありがとうございます！ 駅の階段の転落事故に巻き込まれ死んだ高野恵実、２０歳、大学生。 転生先を決めるガチャで大当たりの異世界ヒロイン枠を引き当てる。 女神ユーチャリスに転生枠を譲ってと言われ、恵実は転生の間にひとり残された……。 女神の兄神デルフィニウムに助けられ『ネモフィラ』の贈名をつけてもらい、転生した先は、女神が転生したヒロイン枠アリスの３歳年下の異母妹エミリアだった……。 愛する母と辺境伯爵領で育つが、母が事故で亡くなり王都に引き取られ、正妻や姉から嫌がらせを受ける。 前世の記憶がエミリアを守り、何とか辺境伯爵領に戻りネモと名乗り、ひっそりと生きていた。 １１歳の時、恵実を追いかけてミーア帝国第３皇子に転生してきたデルフィニウム（ウォロ）と運命の出会いを果たし婚約。 姉のアリスは自分の物語を楽しく刺激的なものにするためには悪役の存在が必要とエミリア（ネモ）を悪役令嬢に仕立て上げようとしていた。 アリスがいる魔法学校に入学したネモとウォロ。 寮の仲間にも最初は誤解されていたが、試練に一緒に立ち向かう大切な仲間になる。 学校で、ミーア帝国で様々な体験をしながら成長していくネモと仲間達。 ２年生の夏休みの終わりにネモの聖女の力を巡り神聖ホウエン王国に誘拐されるが、休学可能期間内になんとか学校に戻ることができた。 休学していた間に、ネモを敵視していた伯爵令嬢アルテイシアによって学校では様々な噂や情報が錯綜。彼女を断罪し、周囲の協力により改心させる。 ３年生の夏休み、ミーア帝国で起きている魔獣による被害が聖域の問題と結びついていることに気がつく。神殿では皇女の資格を剥奪されたはずの元第１皇女メイリンが聖女を名乗り、人々の治療を始め……。陰で暗躍するジュニアと呼ばれる男性の正体を突き止めるが熊魔獣に襲われ、大切な人を失ってしまう。 ４年生になり、ウォロと結婚。 再びミーアでジュニアとメイリンがしてしまったことの対応に追われ、学校での野営実習、魔法対戦、そしてウォルフライト国王から頼まれて、闇社会へ潜入捜査まですることに。 魔法学校最上級生になり、卒業後の進路に向かってそれぞれに進んで行くネモ達……。ハッピーエンドです！！ 《完結しました！　長い間、本当にありがとうございました！》 ☆誤字脱字報告どうもありがとうございます！！

☆男主人公ですが、三人称のボーイミーツガールなので、ときめきたい女性にもお勧めの万人向け小説です（ただしR15）。 【あらすじ】 　直人は、殺人武闘団・玄冬一族の頭領の座を最年少で継承した。 　ただ淡々と暗躍と暗殺の日々を送っていた直人の前に、天女のような美少女・紅が現れた。 「異母兄妹かも知れない。でも違うかもしれない」と言う紅は、「私を守って。対価は私の全て」と直人に依頼する。 　呪われた少女・紅を巡って、一夫多妻の一族の陰謀と愛憎が渦巻き、ふたりは30年前の殺人疑惑に辿り付く。 　『正妻の不義の子』と蔑まれてきた直人と、婚外子として連れてこられた紅の父親は、本当に同じなのか？ 　16年前に紅を身篭もった母・蘭が、最期まで紅を連れて逃避行をしていた理由とは？ 惹かれ合うふたりの運命の恋は、禁断の恋なのか？ 　☆ヒロインは第5話降臨です。

早く追放してくれよー…… 　ヴァイオリンを鳴らすことで人に活力を与える力を持つ、「音の魔女」と呼ばれるミューズ。 　彼女は、帝国南西部にあるクランギル伯爵家の長子アナトールの許婚として、戦争で兵士達を勢いづけ勝利をもたらすために演奏を強いられていた。 　そんな彼女はクランギル家の屋敷に出入りするパン屋の青年ペーチャにヴァイオリンを聞かせ、親交を深めていく。しかし、アナトールが連れてきた”正妻”エレナにより仲を引き裂かれる二人。 　一方、帝国本国の騎士団は、クランギル家の崩壊を画策し、暗躍する。 　戦争が次第に市民の自由を奪っていくなか、ミューズもまた、己の使命を意識していく……

中国・明清時代に似た架空の王朝　国名：天瑞（てんずい）。そこは、科学技術は進んでいないが、薬学・毒物学が発展し、外交や貿易も行われ、異国の文化や毒薬が後宮に流入していた。太后：蘭明蕙（らん めいけい）は、先代皇帝の正妻であり、今は後宮の実質的な支配者（現皇帝は側妻の子であるため血の繋がりはない）。口癖は「暇ね〜」。そんな彼女が愚痴を溢していると、事件が向こうから飛び込んできて……。

　修道院で暮らすバレリーの元を大叔母が訪ねて来た。大叔母はこのレバーデン大公国の元大公妃。バレリーはこの大叔母の孫であるウォルフリック公子の許婚だったが、彼は１０年前に姿を消していた。 　大叔母はそのウォルフリック公子が帰って来たと言い、バレリーに還俗を促す。帰ってきた公子と再び婚約するようにと言ってきた。 　彼と再会したバレリーは、ウォルフリック本人なのだろうかと疑いを持ち始める。彼には失踪する前の記憶が無かった。しかも彼は隣国で家族同然に暮らしていたというディジーという名の娘を連れてきていた。親密な様子の二人。 　現在大公が寝付いている状態で、後継者不在に揺れていた大公家。そこにタイミング良く現れた大公の息子ウォルフリック。大公弟リヒモンドを大公の座に着けたい反大公派や、周囲の思惑や騒動に巻き込まれていく内に、バレリーは１０年前の公子失踪や、隠されていた大公妃の死の謎に触れていくことになる。

大衡国(たいこうこく)の公爵、潭国公(たんこく)に嫁いだ鄭(ていえい)瑛。 潭国公のお屋敷にはボス級の妾・董蓉(とうよう)がいた。董蓉は正妻のように振舞っており、彼女には鄭瑛が目障りだった。嫁いで早々、董蓉らからの嫌味の応酬がはじまる。他の妾たちにも見えない序列があり、穏やかそうに見えても、緊張状態だった。 たんなる家同士の結婚だと思っていたが、実は後宮の妃嬪たちの陰謀が渦巻いていた。 孤立無援だと思っていたが、人脈をフル活用して協力者を増やしていく。 「正妻」鄭瑛は今日もお屋敷で生きるために戦っている。

貴族に飼われた孤独な異能持ちの美少女が後宮入りして、皇帝陛下に溺愛されつつ、次第に仲間など出来つつ、後宮の穢れの浄化活動をしていくお話です。 宇澄国有数の門閥貴族、周家。周家は代々にわたり、妖を飼っていた。喰呪鬼と呼ばれるその妖は、衣食住と安全と引き換えに、家にかけられた呪詛を全て解呪する力を持っていた。当代の喰呪鬼である夜鈴は、先代の喰呪鬼と周家当主との間に生まれた禁断の娘。当主の正妻とその娘からひどい虐待を受けて育った夜鈴は、後宮に入り妃嬪の一人となることを宮廷から請われる。 名前の中国語読みはなし。後宮の設定もゆるふわで。 一話6万字程度の中編連作の予定です。カクヨムでも公開中。

愛人であった日陰者の母は、父の正妻の怒りそのほかにより病に倒れて死んでしまった。母の一人娘であったモヴが唯一頼れたのは、母方の祖母一人。しかしその祖母も病には勝てずに亡くなった。モヴはそんな時に、よくわからないまま、祖母との約束だからと、父の元に引き取られる前に連れ出した男、フォスの屋敷に引き取られた。待っていたのは思いもしない贅沢な暮らし。たくさんの教養を学ぶ夢のような生活だったが、結婚が可能になった誕生日、モヴはフォスに襲われた。 間一髪で自分を守ったモヴは、ぼろぼろになりながら、それまで出てはいけないと言われていた外に飛び出したのだった……！　と言うどっかで聞いたことのある展開から始まるお話です。