12年前の謎の爆発事故「ロスト・セレーネ」で記憶、家族、全てを失ったカゼドラ・レガリスは、悪夢に苛まれながら義父チグリナと生きてきた。18歳の誕生日、突如襲う「パラドックス」――不死の怪物が血と瓦礫を撒き散らす。罪の連鎖と記憶の断片に抗い、少年は内に秘めた力を呼び覚ます。守るため走り出す彼の運命。ダークファンタジーの新星、ここに開幕。

引っ越し先の古い家で、悠真が感じたのは、静けさではなく“違和感”だった。 そして家そのものが語りかけてくるような記憶の断片。 癒しと恐れ、優しさと呪い――その狭間で、悠真は“赤い女”に出会う。 家に宿るものは、過去か、それとも彼自身の心か。 静かな町の一軒家で始まる、記憶と感情の物語。

【目覚めた時、俺は“空白”だった――　かつて俺がいた街は、地図から“消滅”していた】 記憶喪失で目覚めた少年は、滅びかけた村で、人々から怯えられる。 しかし、彼は持ち前の“無自覚な才”と、消えた記憶の断片を頼りに生き延びる術を探す。 村の祠に残された“黒い灰”が、偶然ではなく、誰かの手で“封印が壊された”証だと知った時、彼は決意する。 この歪んだ世界の裏側に隠された真実を解き明かし、自分の存在証明を懸けて戦うため、彼は次なる地へと歩みを進める。 その旅の中で――彼は《メモリーバンク》に目覚める。 失われた知識と技術を呼び覚ますそれは、虚構を暴き、真実への道を切り開く鍵だった。 彼はそれらを手に、この世界の“本当の姿”を探し始める。 たとえ世界が偽りだとしても、誰かの希望の光があるのなら――彼はその輝きを、世界の“設計図”に深く刻む。 これは、誰にも捉えられない少年が、崩壊する世界の真理を解き明かす、観測と記録、量子と記憶が交差する異世界SFファンタジー！ 誰にも捉えられない少年が、崩壊する世界の真理を解き明かす、観測と記録、量子と記憶が、世界の謎が交差する異世界SFファンタジー！ 存在証明をを懸けた戦いが、今、幕を開ける――。 ※カクヨム様でも同作を投稿しています。 旧タイトル　【メモリーバンク：量子の魔法が世界をかえる】

かつて世界を救いながらも、自らの存在を歴史から消した英雄「影」。その力を再現すべく王国が生み出したレプリカ戦士・レイヴンは、影の記憶の断片を宿していた。 レイヴンは弓使いのフィオナ、僧侶のミラと出会い、旅に出る。彼らは封印された魔物、影の遺した剣、石碑に刻まれた言葉など、英雄の痕跡を辿りながら、世界の均衡を守る使命に目覚めていく。 レイヴンたちは新たな使命を胸に旅を続ける。かつて模造品だった戦士は、今や自らの意思で世界を守る者となった。そして、誰にも知られず、誰にも語られず、影の本体もまた静かに歩き続ける――。

　少年は迷宮の中で目覚めた。持っているものは少しの記憶の断片と死者から剥ぎ取ったものだけ。何度も死の淵から逃れ出会ったのはたった一柱の神。神は外に出ることを望み、少年はそれに協力（強制）することに。 　一人と一柱は外界を目指し。無限とも思えるほど広がる世界を旅する話。 　一章　大海知らず 　間幕　 　二章　鯉の門昇り 　間幕←現在連載中 　三章　小判鮫と釣り人

平安時代のようなところで目を覚ました主人公の光。自分が光源氏だと呼ばれている事も理解できない状態で生活を始める。従者の惟光に言葉や常識を習いながら、失った記憶の断片を拾っていく日々。 ある時、予知できないタイミングで現実世界へ戻った光は、絵の中で怨霊を退治し、無事先輩を助け出す為に行動していた事を思い出す。 再び絵の中に戻った光は、またしても記憶を失っていた。そんな状態で怨霊に襲われ、対処方法も分からないまま必死の思いで撃退する。 身に覚えのない結婚に、見知らぬ舅、記憶のない愛人達に囲まれて、誰が味方でどれが怨霊か曖昧な世界。 次に現実世界に戻れるまで無事でいられるかは、光のセンスにかかっていた。

現代高校生の紺野春菜は、交通事故に遭い目覚めると魔法と陰謀渦巻く異世界・アーデルフェルに転生していた。 彼女に与えられたのは「記憶魔法」という、他人の記憶や過去の断片を読み解く力。しかし魔力は弱く、学院では失敗ばかり。不適合者と蔑まれる日々を送る。 そんな春菜が初めて関わった事件は、学園祭前夜に起きた儀式の失敗。仲間との確執、ライバルとの競り合い、そして国家を揺るがす陰謀が少しずつ明らかになる。 弱者と呼ばれた少女が、見えぬ記憶の断片を繋ぎ、自らの力で真実を暴き、仲間と絆を紡ぎ、そして強者へと成長していく――。

過労死の末に目覚めたのは、剣と魔法の異世界の小さな村だった。 右も左も分からないまま暮らし始めた主人公を待っていたのは、子供や女性が相次いで失踪する不気味な事件。 そんな折、彼は自分が「他人の夢に入り込み、潜在意識や記憶の断片を覗ける力」──“夢渡り”を持っていることに気づく。 夢に潜れば、犯人しか知り得ない証拠や秘密が見える。 だが同時に、夢の中には狂気が形を取り、命を狙って襲いかかってくる。 もし夢の中で死ねば、相手も現実で死ぬ……危うい力だった。 唯一、この秘密を打ち明けられたのは、村で出会った元奴隷の少女。 二人はやがて「夢」と「現実」の狭間で繰り返される事件に巻き込まれ、否応なく世界の闇へと踏み込んでいく。 ――夢に潜ることで見える真実は、救いか、それとも破滅か。

幼くして政略婚約を行った王太子レオリックと伯爵令嬢のフィオナ。 二人の関係は義務的でぎこちなかったがフィオナが前世の記憶の断片を映す夢を見るようになってから二人の関係が一変していく。 「表向き完璧だが心に孤独を抱える王太子」 ×「前世の記憶を思い出すポジティブ伯爵令嬢」が繰り広げる貴族の陰謀と過去の記憶が交錯する異世界恋愛物語……

遥か昔、世界の終わりを招いた五つの大陸にまたがる壮絶な戦い、「終焉戦争」が勃発した。この戦争は、ある大陸の王の禁忌によって引き起こされ、神々の怒りを招いた結果、世界の均衡が崩れ、終焉の時を迎えた。その戦争の中で、五人の強者「終焉の五刃」として知られるコウ、センセイ、千代、ケイ、悟は数々の戦いを繰り広げ、皆悲惨な運命を迎えた。その戦いの最中、最強の剣士と謳われた夏葉瀬コウは、謎の神による呪いを受け、力と記憶を失ったまま現代へと飛ばされる。 目を覚ましたコウは、自らの過去をほとんど覚えていないまま、柳田学園高等部の一年生として新たな生活を送っていた。そこで彼は、かつての戦友・千代を思わせる少女、千織。無骨ながらも頼れるケイの面影を持つ青年、ケン。しかし、似てはいるが他人の空似…2人ともコウのことは知らなかった。そして、学校生活を送る中で何よりも深い絆で結ばれていた「センセイ」と再会する。センセイは今や学園の理科教師であり、コウとの過去を覚えていなかった。 静かに過ぎていく日常の中で、コウの中に眠る戦士としての本能が目覚め始める。同時に、かつての敵が現代にも影を落とし、彼を狙い始める。追手の正体は、終焉戦争で倒したはずの者たち。その中には、再び世界の破滅をもくろむ存在が潜んでいた。 「何者にも縛られず、ただ生を味わい尽くす者」 かつてそう語ったコウは、失われた力を取り戻し、記憶の断片を手繰りながら戦いに身を投じる。果たして彼は、現代で何を選び、どのような運命を切り拓くのか。そして、センセイは何を思い、どんな役割を果たすのか。 過去と現在が交錯する中、再び世界を揺るがす戦いの幕が上がる。 ーーーーーー ファンタジーですが主軸が学園モノなので、最初の方はファンタジー要素ほぼ無いです。

別人として生きた記憶の断片を持って生まれてきた瀬川律月。 そのせいで自分の性別について悩みを抱え、中学生のころに起こったトラブルによって自分に自信を無くしてしまっていた。 そうして高校に入ってすぐのころ、たまたま興味本位で覗いたバーチャルライバーの配信にて運命の推しと出会う。 推しがどんどんと有名になるにつれて自分の中で推しに会いたいという若干の厄介オタク感をはらんだ欲求が膨らんでいく。 推しに会うために一から独学で勉強して切り抜きや作曲、絵師と多彩な才能を身に着け、ついにはイラストレーター兼Vライバーの『瀬良リツ』として活動を始めることとなった...。 このお話はオタクにやさしいギャルに翻弄されたり夢の世界に現れる謎の人物と対峙したりしながらも、推しに会うという目標のためにVライバーとして配信をするというやりたいことをこれでもかと詰め込んだ日常ストーリーです。また、律月の周りに現れる個性あふれる面々と少しづつ問題に向き合いながら立ち上がっていく律月の成長もお楽しみください。 ※基本的に主人公は自分の推しに会うこととそのついでに自分の前世について手がかりを掴むことを主軸に行動しています。また、この作品はすべてフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 基本月1~4回の頻度で週末に投稿しています。誤字脱字や設定の不整合を発見した方はこっそり教えてくれると助かります。

天文部の部室で流れ星に願いを託した夜、高校生の凛と大地は、三国志の英雄たちが割拠する乱世へと、そして、別々の場所へ転生してしまう。 北の極寒の雪原で、部族長の娘「雪華」として目覚めた凛。彼女は持ち前の知略と、前世の記憶の断片、そして氷月というかけがえのない盟友の助けを得て、精強な「雪狼兵」を育て上げ、やがて「雪原の女帝」として北方にその名を轟かせる。 一方、南海の未知の島で「太陽」として目覚めた大地。彼は持ち前の優しさと、人々を惹きつける不思議なカリスマ性、そして岩牙という屈強な腹心の助けを得て、多様な部族を「太陽の連合」としてまとめ上げ、「太陽王」と慕われる存在となる。 互いの生存を信じ、再会を熱望する雪華と太陽。 これは、時空を超えた愛と絆で結ばれた二人が、血塗られた歴史を塗り替え、新たな理想国家を築き上げる、壮大な異世界歴史ファンタジー。

素敵な大人の方に捧げるファンタジー・スペースオペラ 平凡なOLだった主人公が、或る事件を切っ掛けに東オリオン宙域に於ける多次元に亘る軍事紛争に巻き込まれます。 そして不時着した、空間的に隔離されてる地球の双子惑星「セラ」での彼女の生活と活躍が後編と成ります。 彼女自身が次第に、女神宗家の後継者で有る事実に目覚め、それを受け入れて行くプロセスで、多くの個性的で魅力的な存在達との交流が待ち受けています。 輪廻転生世界外の真なる宇宙と、ヴァーチャルな輪廻転生世界での主人公の気付きと学び。 更には輪廻転生世界で善と悪を分けたオリオン大戦の真相を含めて、幾つかの記憶の断片と相俟って、善悪に対する固定観念の崩壊も、本編の隠されたサブテーマです。 どうぞ、存分にお楽しみ下さいませ。

『偽りの花嫁は、紅の檻で咲(わら)わない』 　――お前は、あの女ではない。 　婚礼の夜、花嫁となったイレーネは拒絶された。 　王国の令嬢として、吸血鬼が支配する辺境の地に政治的な婚姻のため嫁いだ少女。 　吸血鬼公爵ヴァルドの冷たい瞳が見抜いたのは、彼女が「誰かの身代わり」だという事実。 　祝福されることのない結婚。愛されることのない契約。 　美しい城は檻となり、血の儀式は鎖となって、彼女を縛りつける。 　侍女たちは怯え、城主は沈黙し、夜ごと夢に現れるのは知らないはずの光景。 　記憶は曖昧で、過去は霧の向こうにある。自分は誰なのか。なぜここにいるのか。問いは深まり、答えは遠ざかる。 　夢に現れる、知らないはずの記憶の断片を思い出すとき、どうしようもなく彼女の心は震えるのだった。 　名前を与えられ、役目を背負わされ、魂の輪郭さえ揺らぐ世界で、 真実を知れば知るほど、自分という存在が分からなくなる。 　それでも彼女は選ぼうとした――誰かの影として生きるのではなく、自分自身として生き、愛することを。 　耽美と謀略が交錯する異世界吸血鬼ロマンス。 　これは囚われた花嫁が、記憶と運命を超えて咲き誇るまでの物語。

記憶をほとんど失った魔女シャルロッテ。彼女の左手に宿る紫紅色の紋様は、強大な「幻想魔法」の証であり、力を使うたびに記憶の断片がフラッシュバックする。 かつて世界を救った伝説の魔女「紫紅姫」が、その代償として記憶を失ったという話を聞いたシャルロッテは、自身の過去を探す旅に出ることを決意する。

目覚めたとき、私は自分の名前と最近の出来事しか覚えていなかった。 家は残っており、街も変わらない――だが、私を見た人々は皆、目を見開き、口々にこう言った。 「行方不明だったはずじゃないのか？」 そして、「なぜ生きているんだ」と。 失われた時間、すり替わった記憶。 私が生きていること自体が、何かの間違いなのだろうか。 真実を求めて動き出す私は、やがて“生きているはずのない日”と向き合うことになる。 --- 第1話　「生きているはずがない」 --- 　私は……人間なのだろうか。 　最近、ふと、そんな疑問が頭をよぎる。 　名前も住所も覚えている。駅までの道やコンビニの場所だって分かる。 　だけど、それ以前――一ヶ月前より前の記憶が、まるで抜け落ちている。 　まるでビデオテープの頭出し部分が白く飛んでいるみたいに、何も思い出せない。 　奇妙なことは、それだけではなかった。 　私を知る人間は皆、会った瞬間、驚愕の色を浮かべるのだ。 　今朝も、スーパーのレジで見知らぬ女性に声を掛けられた。 「……あの、もしかして……」 　彼女は私の顔を覗き込み、目を見開く。 「あなた……行方不明だったはずじゃないの？」 　私は苦笑いを浮かべて返した。 「いえ、ここにいますよ。普通に」 　しかしその瞬間、女性の表情が硬直する。 　そして低く、震える声で言った。 「なんで……生きてるの……？」 　あまりに唐突な言葉に、息が詰まった。 　なぜそんなことを――私は、ただの一般人だ。 　事故にも遭っていないし、怪我もしていない。 　その日の午後、駅前を歩いていたら、別の知り合いにも会った。 　同じ反応。 　そして、同じ言葉。 「なぜ、生きている？」 　胸の奥で、何かが軋むような感覚が走った。 　同時に、ほんの一瞬だけ――どこか暗く湿った場所で、冷たい水に浸かっている自分の感覚が、脳裏をかすめた。 　それは幻覚か、あるいは……記憶の断片なのか。 　わからない。 　ただ一つ、確かなのは――私の“存在”そのものに、説明できない穴が空いているということだった。 　そして夜。 　眠りにつこうと目を閉じたとき、枕元のスマートフォンが、勝手に光を放った。 　画面には、見覚えのないメッセージが表示されていた。 > 『おかえり。君は、人間じゃない。』

目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。なぜここにいるのか、一切の記憶がない。しかし、部屋に残された一通の手紙に書かれた「真実を知りたいなら、あの場所に行け」という言葉が、田中を過去へと誘う。 手紙の言葉に導かれ、田中はかつての友人・佐藤のもとを訪れる。久しぶりの再会に喜びを感じる田中だが、佐藤の表情にはどこか不安の色が浮かんでいた。二人が話すうちに、田中の記憶を奪った原因が、数年前に彼が巻き込まれた**“ある事故”**にあることが明らかになる。 手紙の「あの場所」が幼少期に遊んだ公園だと気づいた二人は、記憶の断片をたどりながら公園へ向かう。そして、公園の中央にあるブランコの前に立った瞬間、田中は失われた記憶をすべて取り戻す。 あの日、自らの選択が事故を引き起こし、その結果として記憶を封じ込めたこと。そして、その選択が友人との関係に深い影を落としていたこと。すべてを悟った田中は、過去と向き合い、未来を生きる決意を固める。 過去を乗り越えた二人は、改めて友情を誓い、新たな一歩を踏み出す。これは、失われた記憶の謎を解き明かし、友情の絆を取り戻す感動の物語である。

人は皆、どこかの神から御魂を分けられて生まれてくる──そう語り継がれてきた。ムーの最後の夜、禁忌の儀で「誓い」を交わした二人は、やがて大陸の沈降と共に引き裂かれ、何万年もの輪廻へ落ちた。 幾度も世をまたぎ、何百年ごとに出会っては失い続けた二人は、ついに現代日本で再会する。 彼は、かつて私を殺し、そして救った人。 アロマセラピストの私、天宮詩織には、物心ついた時から続く“喪失感”があった。 ある日、サロンに現れたのは、医療機器メーカーの若き社長、神凪 蓮。 彼と視線が合った瞬間、魂が叫ぶ。 ――この人は、私を知っている。 触れた指先から蘇る、ありえない記憶の断片。 燃え盛る神殿、沈みゆく大陸、そして、彼の瞳に映る絶望した私の顔。 幾度となく転生を繰り返し、出会いと悲劇を重ねてきた魂の恋人たち。 これは、何万年も前に交わされた“誓い”と“裏切り”、呪縛を断ち切り、今度こそ、輪廻を終わらせることで“本当の愛”を始めるための物語。

記憶を失った浅倉遥は、深瀬彼方との出会いをきっかけに、忘れかけていた大切な過去を少しずつ取り戻していく。これは、儚くも切ない記憶の断片が彼女の心に光をもたらす物語。

ある町で、少年は夢の中に“燃える火山”を見始める。 それは単なる風景ではなく、誰かが名を呼び、届かぬまま消えていく記憶が渦巻く場所だった。 そんな彼と、同じ夢を見ている少女・月森しおりが出会い、ふたりは夢を通して過去の忘却と記憶の断片を拾い集めていく。 しおりは幼き日に、名もなき“火神の子”に出会い、「ひかげ」と名付けたが、彼の記憶を封じていた。 少年こそ、その“忘れられた名”であったことが徐々に明かされる。 やがて夢と現実の境が崩れ、神話の継承者・神主の烏丸斎が現れ、祭を通して町に眠る記憶の風を呼び起こす。 しおりが再び「ひかげ」の名を呼ぶことで、少年は自身の存在を取り戻し、ふたりは記憶の灯火を分かち合う。 そして町の風は、忘れられた声たちを語り始める。 灯火は文化となり、語り継がれずにいた記憶は風音祭で祓われ、祓詞（はらいことば）として残る。 物語の終盤では、風の中に生まれた少女灯（あかり）が登場し、語られなかった記憶を拾い集め、 “名のない記憶”を新たな物語として他者へと手渡していく。 最後に、町を訪れた青年が灯の語りを聞き、「これは、自分の物語かもしれない」と涙を流す―― こうして灯火は、誰かの胸の内でふたたび揺れ始める。