世界は美しい。そう思えるのは、いつぶりだっただろうか。私がこの作品に出会ったのは数ヶ月前。事あるごとに読み返し、世の儚さに浸っていた。
この作品のおかげで、貴方は「日本語という言語はここまで美しいのか」と、何度だって思うことが出来る。
世の中、楽しいことばかりじゃない。誰だって死ぬし、他人を呪うし、恨み、嘲る。
でも、その営みが有限だからこそ。完璧じゃないからこそ、そこに美しさを見出せるのではないか。この作品は、そんなことを教えてくれた。
薄いガラスを隔てて、今日も世界のどこかでびいどろが鳴る。彼女といつか出会う時、僕らはなんの話をしてあげられるのだろう。どんな話が聞けるのだろう。
ぽっぺん、ぽっぺん。
今日も世界の片隅に、まだ誰も知らない美しき黄金の煌めきが。