正直に言って、出だしはランキング上位に居る割に引き込まれる作品ではありませんでした。
ただランキングに留まるくらいだからそれなりに面白いんだろうなぁ。という中途半端な期待と惰性で読んでいましたが、3章あたりから書きたいものが見えてきてそこからは一気に世界に引き込まれました。
特筆すべきは主人公の言葉選びの秀逸さ。そして魅力的なキャラクターです。
女性を軽くあしらう、ということを読者が不快にならないような言い回しで書くのは意外と難しいものだと思います。これをとても上手に書いてます。不快にならないどころか魅力の一つとして昇華していると言ってもいいでしょう。所謂ダンディズムですね。
そして魅力的なキャラクター。
最初の頃はキャラがブレブレでしたが段々とキャラが固定されていって、今では各々が自由に動き回っているような錯覚すら覚えました。今度はなにをやらかすのか、勘違いするのかが凄く楽しみです。