社会不適合者の俺、佐藤優真。高校でいじめに遭い中退、 引きこもり生活はもう10年。母はそんな俺を理由に父と離 婚し、俺自身も何も踏み出せずにいた。 唯一の救いは、画面の向こうで輝くVtuber 雨宮莉 。毎日の配信を見て、俺は現実を忘れる。やがて母のクレジットカードを盗み見ることに葛藤しながらも、 スパチャを送る日々――それが母の怒りを買うことになる。 ある日、母が俺の推しグッズを次々と破壊し、絶望の叫び を上げた瞬間 俺の意識は突如として雨宮莉の中にあった。 俺は現実世界で弱者だった自分を捨て、画面の向こうで光 り輝く“彼女”として生きることを強制される。 これは、弱者が憧れに成り代わり、現実と虚像の狭間で再 び自分を取り戻そうとする物語。

三十一歳の配信者・広末直哉（愛称ヒロちゃん）は、三重の実家で母や冷笑的な父、兄家族と暮らしながら日々配信を続けている。ホラーが苦手で方向音痴、特徴的な笑い声を持つ彼が、ある午後の配信を通して自分の居場所と存在意義を静かに見つめ直す物語。

選挙って、「推したい人を通すゲーム」じゃなくて、「落としたいやつを落とすゲーム」らしい。 それを配信ネタとして盛って話してたら、ちょっと世界がざわついた。 ドヤ顔の先輩が語る“選挙の裏技”。 私はそれを静かに聞き、ネットでは知識人キャラで配信する──。 推しはいない。でも、落としたいやつはいる。 ※選挙の話ではありますが、特定の誰かの応援ではありません。ネタです。この話はフィクションです。