体力に限界を感じながら、老後の資金のために働くしかない４５歳の看護師　久美子　独身。恋愛や結婚にもう興味も希望も持てない。癒してくれるのは推しだけ。コンサートにも握手会にも行ったことはないけれど、いつかは実物を見たい！という目標だけを楽しみに生きる久美子に訪れる突然の死。 推しに会わなければ、死んでも死にきれない！ その一心で、人生をやり直してみることに。しかし、推しに近づく道のりは簡単ではない。どんなに目標を掲げたところで、思い通りにいかない人生の中で、やり直しの目的からは遠ざかっていき、１周目とは全く違う、別の思い残しが生まれてしまう。 やり直しの人生で、目的を果たすことができたなら、何も思い残すことなく死ねるのか。目標を果たしてしまったら、寿命までのその後の時間はどう生きるのか。 「生きる」とは「死」とは。 　

RPG『エターナル・クエスト』の悪役貴族【ディラン・ベルモンド】に転生してしまった俺。 ゲーム通りに進めば、勇者一行に断罪されて待つのは「死」か「国外追放」の二択のみ。 そんな破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 原作のディランとは真逆の人間になろうと――！ 血の滲むような鍛錬で剣術を磨き、勉学に励んで教養を身につけ、原作でやらかす数々の悪行を徹底的に封印。 そうして涙ぐましい努力を続けること５年。 ついに迎えた物語の開始地点、ルミナス学院の入学式で、俺は万全の準備でその時を待っていた。 ……しかし。 待てど暮らせど、お約束のイベントは何も起こらない。 それどころか、物語の主役であるはずの勇者はゴブリンに心を折られて【引きこもり】に。 清廉潔白だったはずの聖女は「祈るより稼ぐが勝ちよ」と【敏腕商人】にジョブチェンジ。 天才と謳われた賢者に至っては【理想の男性100箇条】を掲げて絶賛婚活中！？ ――どうやら俺の努力は、世界のシナリオそのものを根底から破壊してしまったらしい。

落ちこぼれが掴んだ、大逆転のチャンス──それは「死」と隣り合わせのバイトだった。 時給十万。普通なら怪しいと笑うだろう。だが、妹の巨額な医療費を抱える国木田大貴（くにきだ だいき）にとっては、人生を賭けるに値する甘い誘いだった。 名門高校の落ちこぼれクラスで用務員を兼ねる日々。夜は地下闘技場でモンスターを相手に小銭を稼ぐ。そんな日常を変えるべく挑んだバイトの面接は、東大院レベルの筆記試験、そして命懸けの格闘トーナメントだった。 そこで再会したのは、疎遠になっていた幼なじみの天才、紺崎夕姫（こんざき ゆき）。彼女は大貴を「理不尽なまでに獰猛」と評し、謎の強化兵器『マギアス』のパイロットに抜擢する。 時給十万の仕事──それは街を脅かす赤竜を、たった一人で討伐すること。 強化スーツ『マギアス』を纏い、常人を超える力を手にした大貴は、その狂気すら帯びた拳で赤竜に挑む。 だが、この仕事の裏には、人知を超えた「魔法」や「ダンジョン」、そして「金」に群がる大人たちの思惑が渦巻いていた。 彼が掴んだのは、本当に希望か──それとも破滅か。 「魔法」という才能がすべてを決める世界で、 「才能なし」と烙印を押された一匹の獣が、その拳一つで運命をぶち破る！

ギャンブル中毒で借金まみれのフリーター、三上蓮。 自分の人生なんてもう詰んでいる――そう思っていた矢先、怪しげなアルバイトの求人を発見する。 仕事の内容は神社での雑用。 しかし、そのアルバイトには夜間の仕事ーー除霊活動があった。 現代最強の除霊師である神代千早の荷物持ちとして除霊活動に同行した蓮はそこで本物の幽霊と対峙する。 蓮には、触れた霊の記憶を追体験することができる力があった。霊の「死」を見ることによって、蓮は自分自身の人生を見つめ直していく。 これは、そんな青年が体験した物語。

――生まれる前から、俺の運命は「死」と隣り合わせだったのかもしれない。 祖父は常々言っていた。 「わしは七十四歳で死ぬからな。迷惑をかける前にスッと逝くわ」 誰もが冗談だと思っていた。 だが俺が生まれ、最後の孫として祖父に抱かれたその一週間後、祖父は本当に七十四歳で息を引き取った。 祖父との記憶は一瞬。 けれど――それがこの「不思議体験譚」の始まりだった。

リリアーヌ＝シルヴェストリは、この世界がとある乙女ゲームと同じだと知っている。 待ち受けるのは、婚約者である王太子アレクへの毒殺未遂によるバッドエンド確定の断罪イベント。 しかし。 「僕のリリアがそのような真似をするはずがないだろう？」 リリアを容赦なく断罪するはずだった氷の王子本人が、そんなことを言ってきた。 困惑しながらも、生き残るために事件を追うことになった私。 そこで明らかになったのは、世界の根幹にまつわる恐ろしい秘密と、私が「死ねない」という特異な運命だった。 どこかでバグった世界と、思った以上に重ための愛に翻弄されていく話。

人は必ず死ぬ。 しかし、その瞬間までにどんな選択をし、何を遺すのか――。 『ラストシーン』は、一話完結の短編集。 登場人物も舞台も毎回変わる。ある者は雪山で、ある者は戦場で、ある者は病室で、ある者は異世界や宇宙で――。 ただ一つだけ共通するのは、「主人公は必ず最期を迎える」という結末。 だが、その死は決して“空虚”ではない。 家族を守るための死、仲間に未来を託す死、愛を伝えるための死、真実を告げるための死……。 さまざまな“死の形”を描くことで、むしろ「生きるとは何か」を強烈に浮かび上がらせる。 死を知るからこそ、生の一瞬が鮮烈に輝く。 その最期の刹那に、読者は涙し、震え、そして考えるだろう。 ――人はどう死ぬのか。 ――人はなぜ生きるのか。 これは「死」を描きながら、「生」を問う物語である。

本書は、一つの「施設」に集った人々が、それぞれの過去と心情を抱えながら「生」と「死」の境界に立たされた記録である。 　描かれるのは派手な事件でも英雄譚でもない。そこにあるのは、孤独、疲労、喪失、そして最後に選び取られた静かな尊厳である。 　人がなぜ生きるのか、なぜ終わりを望むのか。 　社会が抱える不条理と個人の決断は、決して切り離せない。 　本書は、その交差点に立ち現れる「声」を拾い、記録し、残そうとした試みである。 　あなたの心のどこかで、この声が響き、消えずに残ることを願っている。

悠人は平凡すぎる日常を送る高校生。勉強も運動も中の上、クラスではただの背景キャラ。唯一の楽しみは、壊れたゲーム機や3Dプリンタを使った地味な趣味だけだった。 ある朝、通学電車で幼馴染の由依と一緒にいると、突如狂気じみたサラリーマンが現れ、悠人たちを襲う――。背中に激痛が走った瞬間、意識は暗闇に沈み、悠人は「死」を感じる。 しかし次の瞬間、目の前に広がったのは、ネオンと飛行車両が輝く未来都市の光景。胸に残る電撃の感覚と死の記憶を抱えつつ、悠人の「二度目の人生」が、思わぬ形で幕を開ける――。

呪いに蝕まれた男と、不老不死の魔女――。 契約から始まった夫婦の旅路は、やがて愛と対立の物語へと変わっていく。 一族にかけられた宿痾を背負い、車椅子に縛られた貴族・トーシュ。 彼に妻として選ばれたのは、最果てに生きる不老不死の魔女・リディアだった。 愛情ではなく契約、必要に迫られて結ばれた二人。だが旅の途上で幾度も「死」と「救済」に直面し、彼らの関係は次第に揺らいでいく。 魔女は冷酷にして好奇心の化身。 男は生に執着せず、誇りを手放さぬ存在。 二人を繋ぐのは愛ではなく、それぞれの「宿痾」――外から与えられた呪いと、内に巣食う執念。 最果てを目指す旅の果てに待つのは、救いか、それとも新たな呪縛か。 「妻」と「魔女」という二つの顔を持つリディアと、矛盾に抗い続けるトーシュ。 冷酷と温もりの狭間で揺れる契約夫婦の物語が、いま始まる。 ＊５話までは短編での内容です。

かつて賑やかだった町の外れに、誰も近づかなくなった古い校舎がある。 夜な夜なそこからは、誰のものとも知れぬ 声 が響くと噂されていた。 主人公・安藤凛は、偶然その声を耳にしたことから、忘れ去られた者たちの「記憶」と「死」に触れていく。 それは単なる心霊現象ではなく、この町に潜む過去の惨劇と、人々が無意識に目を背けてきた「罪」を暴き出す連鎖の始まりだった。 次々と仲間たちは怪異に飲み込まれ、声を残して消えていく。 残酷で無慈悲な死は、彼らの心の奥底にある「後悔」を形に変えたものだった。 なぜ声は残るのか。 なぜ忘れられるのか。 そして最後に凛自身が耳にする声は――。 記憶と怨念が絡み合う中、物語はやがて避けられぬ結末へと収束していく。

設定です。悪役令嬢カロリーナにふりまわされる主人公の話。（※重複投稿作品しています）仲仁へび

聖暦学園――優秀な才女が集う学園の“暦”には、生徒一人ひとりの未来が書き込まれている。しかし一部には『死』の文字が刻まれることもある。そんな“死の予定”を視る少女・桐島カノンは、運命を改変する力「暦術」で死を“編集”する。しかし消したはずの“死”は学園を揺るがす大きな陰謀の断片だった。仲間と共に、カノンは学園の未来を書き換える決断を迫られる――。

ここ東京では、連続猟奇殺人を引き起こす者たちに"通り名"が与えられる。　 『殺人鬼』『教祖』『悪魔』『死神』――。 その誰もが超常の力を持ち、己の信念に従い、人を殺す。 しかし、そんな「死」を汚す行為に異を唱える者たちがいた。 彼らは“闇部” 死を美と捉え、汚れた死を否定し、浄化することを目的とする能力者たち。 納棺師、葬儀屋、画家、彫刻家、研究員、祓い屋……美しき死の使徒たちが集う秘密組織である。 ――「死は最期の芸術。ゆえに、美しくなければならない」 闇部は東京に蔓延する“歪んだ死”を粛正するため、それぞれ異なる信念を持つ殺人者たちと対峙していく。 一方、かつて事件を追っていた刑事・神楽李有は、捜査本部が解散された今も一人で真相を追い続ける。 彼女の傍らには、天才探偵・綾辻仁。 生と死、美と醜、正義と狂気――。 すべてが曖昧に揺らぐこの都市で、彼らが辿り着く“最期の美”とは何か？ 美しく死ぬことが幸せか。美しく生きることこそ罪なのか。 これは、死と美を巡る黙示録。

伯爵ファーデルは病を患い、自身の「死」を考えるようになっていた。 そんな彼の懸念といえば、子供たちのことであった。 ファーデルの息子にはアトロス、デュアル、ライトという三兄弟がいるのだが、彼らは各々優秀であるにもかかわらず、非常に仲が悪い。 そこでファーデルは、彼らを結束させるためのある“教え”を思いつく……。

　若い頃から一生懸命働き、定年を迎えました。 　妻と老後の生活を満喫していた主人公のアル。 　ずっとお互い共働きで働きづめだったこともあり、妻のローズは重い病にかかってしまいます。私は「死」というものに直面しました。 　祖父母や両親、もう随分昔に他界しておりますが、これまでの別れとは比べようにならないのです。 　愛する妻の「死」。これを受け止めなくてはいけません。でも、どうしても今のアルには受け止めることが出来ませんでした。 　妻の体調が良くなるように祈ります。しかしそんな祈りとは裏腹に妻は日に日に衰えていきました。 　今巷で話題の「シェルター事業」というものがあり、そこに入る事が出来れば未来永劫延命処置が働き、シェルターに入っている間は死ぬことはありません。 　妻にそのシェルターに入って貰おう。それなら起きる事はなくとも、死ぬことはありません。 　しかし一度入ってしまったものは、特別な方法でしか現世に戻る事は出来無くなってしまいます。 　シェルターの先は異世界。その先で待ち受けているものは一体なんなのか。

侯爵家の令嬢にして、都一番の変わり者――神楽坂澄玲（かぐらざか すみれ）。 清楚な容姿に似合わず、口は毒。興味の対象は、人の「嘘」と「死」だけ。 舞踏会の最中に起きた毒殺事件を皮切りに、澄玲は仮面の街に潜む権力者たちの暗部を軽やかに暴いていく。 だが彼女にとって推理は、単なる娯楽ではない――「人の罪を解き明かすこと」こそ、己の存在証明であり、譲れぬ戦いなのだ。 冷ややかに微笑む令嬢と、振り回される護衛兼書記官。 二人が挑むのは、仮面の街に隠された「真実」という名の迷宮――。

これは、社会の理不尽と人々の悪意に心を壊され、現実と幻想の境界を見失った一人の男の物語。 彼にとって、死は唯一の救いだった。 しかし、自ら命を絶つこともできない弱い自分に絶望し、毎晩「死」を祈り続ける。 唯一の安らぎは、目を閉じた時に現れる、誰もいない美しい平原。だが、その幻想の楽園は次第に、彼を嘲笑う不気味な存在に侵食されていく。

　幼い頃に母からの虐待を受け、重度の女性恐怖症になったバージル。 　彼は人と関わることをやめ、長い修行の果てに心と身体を鍛え抜いた俺は、すべてを受け入れ、ついに「死」すら恐れない境地に至った。 　しかし、修行を終えた彼がたどり着いたのは「女性が圧倒的に強く、男は護衛なしでは外も歩けない」貞操逆転の異世界だった――。 　男というだけで視線を浴び、囲まれ、迫られる日々。 「……男は、いつ何時も堂々と、毅然と全てを受け止めるべし」 　無自覚に女性たちを魅了し、振り回し、時に戦い、時に支配し――。 これは、貞操逆転世界に降り立った最強のおっさんが、次々とヒロインを攻略していく物語。

「ゆっくりお休み、そして目を覚まして枕元を見てみろ。俺が座ってらぁ。」 とある事故、あるいは病、あるいは不可解な瞬間。 死にきれなかった者たちは、突如として奇妙なZoom会議に招集される。 その名も──「死神見習い選考会」。 彼らは現世とあの世の狭間、「未確定ゾーン」で死神候補として選抜されることに。 試されるのは“死に様”、そして“他人の命”を演出する覚悟。 滑稽で不条理、でもどこか真剣なこの世界で、彼らは「死」とどう向き合うのか──。