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作者:植木天洋/作品情報/Nコード:N1238HO
短編 |
うつろ舟
ある日、川の上から小さな家ほどもある器が流れてきました。それはぴったりとしたふたをされて、ゆらゆらと揺れています。大きいのに、水に浮いているのです。
村の男たちが三人そこに通りかかり、大急ぎで川へかけ降りました。器はとても大きいのですが水につかっているのは下のすこしの部分だけで、ぷかぷか浮いています。
三人は尻をはしょり川に踏み込むと、力を合わせて器を岸へ上げました。
器は岸へ上げたとたん突然どすんと地面に落ちて、もう少しで三人は足の指先をつぶされてしまうところでした。
「これはなんだろうか?」
「中から何か音がするよ。ひっかくような音がするよ」
通りかかった男の子が、言いました。
そう言われて耳をすますと、確かに何かをひっかくような音が中からきこえてくるような気がしました。
「まさか、中に誰かいるのかな?」
「誰か、というか、何か、かな?」
三人は顔を見合わせ、男の子は三人が黙っているので退屈していなくなってしまいました。
「あけるか? あけないか?」
二人が問答していると、一番最初に器を見つけた男が器の上にのり、蓋を持ち上げていました。蓋は、大きさのわりに案外軽いようでした。
「おーい。勝手にあけるなよー」
二人は器の上に立った男を見上げて、声をかけました。
「あけなきゃ、なにが入っているかわからないよ」
なかにはなにもありませんでした。
「なにかあると思っているうちはなにかあるのに、あけてみるとなにもないとは」
何かを期待していた三人はがっかりしました。
「うつろな舟だー」
ジャンル:童話〔その他〕キーワード: 日常 怪談 童話 おとぎ話 読み聞かせ ホラー 最終更新日:2022/03/29 21:38 読了時間:約2分(634文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 2 pt |
作者:琥珀/作品情報/Nコード:N8592HB
完結済 (全3エピソード) |
婚約者である王太子アルフォンスと「親しい」男爵令嬢ジュリエットを階段から突き落としたとして捕らえられ、櫂も帆もない小舟に乗せて海に流す「うつろ舟」という刑に処せられてしまった公爵令嬢ジュスティーヌ。
断崖に囲まれた小さな入り江に漂着したものの、どうやら無人島の模様。
勝手のわからない南の島、持ち前の魔力を頼りになんとか生き延びようとしていたところ、今度はジュリエットも「うつろ舟」の刑を受けたとかで島にやってくる。
恋のライバルだった令嬢2人は、生き抜くために力を合わせることになるが、ある日、3隻目の「うつろ舟」が入り江に流れ着き──
※3話完結です。
※「王太子アルフォンスが雑な扱いを受ける短編とか中編」(https://ncode.syosetu.com/s2814g/)シリーズの1篇です。
※前回はアルフォンスとジュスティーヌがいい感じに爆発しやがったので、今回はアルフォンスがギタギタにされる回です。
ジャンル:異世界〔恋愛〕キーワード: ガールズラブ ハッピーエンド? 島流し ファイアボール最強説 無人島 三角関係 サバイバル 女は上書き ネトコン13感想 最終更新日:2021/07/14 19:00 読了時間:約28分(13,639文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 1件 総合ポイント: 1,078 pt ブックマーク: 73件 評価人数: 108 人 評価ポイント: 932 pt |
作者:音野内記/作品情報/Nコード:N2486FY
短編 |
江戸時代の記録に風変わりな舟が打ち上げられたというものがあります。その舟は「うつろ舟」と名付けられ、現代ではそのフォルムからUFOだったのではないかとも言われています。
魚屋の半吉はうつろ舟の漂着を告げるかわら版を手に入れ、長屋の隠居に読んでもらう。隠居に嘘を教えられた半吉は、毎晩呪文を唱えた。すると、半吉に不思議なことが起こった。大工の牛五郎が加わり、話は妙な方に転がる。
ジャンル:歴史〔文芸〕キーワード: 時代小説 江戸時代 うつろ舟 都市伝説 長屋 瓦版 時代劇 庶民 丼 異国の女 最終更新日:2019/12/30 17:00 読了時間:約14分(6,755文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 挿絵あり 総合ポイント: 12 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
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