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作者:樫山泰士/作品情報/Nコード:N2280JO
完結済 (全145エピソード) |
拝啓
ご無沙汰しております。
先日、そちらの近所を歩いていたら、とてもきれいな果実を見かけました。赤味をおびた黄色の果実で、ふるいお家の垣根の庭が、なんだか華やぐようでした。
その時の僕は、そのきれいな果実に、目をうばわれるだけうばわれていて、それに気づいたのは、そこを通り過ぎたあと、そのあと行った図書館でのことでした。分かりますよね? 神社の向かいの、あの図書館です。
心には下ゆく水のわきかへり 言はで思ふぞ言ふにまされる
さて。この歌は、『古今和歌六帖』という歌集にのっている歌だそうで、『枕草子』で清少納言が――と、こんなことは書かなくても、先生ならご存知のことかとは想いますけれど、あの図書館の司書のかた曰く、この歌を読み解くには、『古今集』のこちらの歌も知っておく必要があるということでした。
山吹の花色衣ぬしや誰 問へど答へずくちなしにして
つまり、最初の歌の「言はで思ふぞ」と、こちらの歌の「くちなし (口無し)」とはかかっていて――これも僕は初めて知ったのですが――どうやら、僕らの知っている「山吹色」は「くちなし色」とも言われるそうで、それでつまり、ここの「山吹の花色衣」という句も、最後の「くちなし」とかけられているのだそうです――が、ちゃんと説明出来ているかな? 分かりにくかったら、ごめんなさい。
と、それはさておき。ここで話は最初に戻るのですが、先日僕が見かけた、ふるいお家の垣根の庭で見かけた、あのキレイな果実、あれは、あの夏の日の朝、あなたに教えてもらった、あの、しろい花の木になる実のようなのです。
あんな白い花の木に、あんな黄色の果実がなって、とてもきれいな黄色の布を染めることになるのだそうで――もう、秋なんですね。
それでは最後に。くちなしついでに、図書館の司書さんから紹介された本にはいっていた歌を、もうひとつ。
くちなしの 実の朱くなり きみ恋し
どうか、お体に気を付けて。
敬具
ジャンル:ローファンタジー〔ファンタジー〕キーワード: ネトコン13 集英社小説大賞6 シリアス ほのぼの 女主人公 和風 現代 日常 ハッピーエンド パラレルワールド 最終更新日:2025/01/12 18:10 読了時間:約744分(371,985文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 10 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 6 pt |
作者:応援されたい作者/作品情報/Nコード:N4624EQ
短編 |
エタりそうな作者様、エタが嫌いな読者様へ送る小説家になろうの現実です。
エタ=エターナル=永遠に完結しない連載作品。
ジャンル:エッセイ〔その他〕キーワード: 作者様と 読者様へ 手紙を書きました 小説家になろうの エタに関するものです 作者様へのエールです 現実は厳しいですが お体に気を付けて 日々の執筆を 楽しいものに してください 追伸 ここのデータは なろうデベロッパー なろう小説API を使って作りました 最終更新日:2018/03/20 21:45 読了時間:約8分(3,720文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 6件 挿絵あり 総合ポイント: 9,158 pt ブックマーク: 635件 評価人数: 841 人 評価ポイント: 7,888 pt |
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