ルティリエール・エルトナーは魔法騎士家の落ちこぼれだが、三年前の『竜の顕現』をきっかけに白魔導士を目指す。 　家族の反対を押し切って、十五歳になる年にロシュフォード王立魔法学校に入学したものの、初っ端から念願の友だち第一号に夢を否定されてしまう。 　それでもめげずに前へ突き進んでいると、『竜の顕現』によって英雄となった同級生のレイス・リーデロウェルが魔力封じという呪いにかかっていることに気づく。 「え、どうしてわたしがリーデロウェルさんに触れると魔力が回復するの？」 　不思議なことに、ルティとレイスの魔力の相性がよく、互いに触れ合うことで一時的に呪いを緩和することができたのだが……。 　実はルティ、三年前にもレイスの背中を押していた。 　二人の再会は偶然か、それとも必然か。 　ルティとレイスは偽りの恋愛関係を演じ、呪いをかけた犯人を探る中で、個性豊かな同級生たちの人には言えない秘密にぶちあたる。 　時に傷つけ合い、時に決別しようと、ルティはみんなと寄り添う道を選び、真実に近づいていく。 「何度だって力を貸します。わたしの力はまだ必要⁉」 これは白魔導士志望の少女と、呪いを背負った英雄たちが幸せになるための物語。 ※この作品はカクヨム様でも掲載しております。