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作者:海森 樹/作品情報/Nコード:N0364GW
短編 |
「ちょっと待っとけ」
そう言った老人は竿を置いて地面に手をつくと、下を向いて嘔吐した。老人の胃の内容物が吐き散らされる音がする。一度は目を逸らしたものの、好奇心に負けて思わず目をやってしまった。真っ黒な液体と入念に咀嚼されたであろう黄色いペースト状の何か、そしてクリーム色の幼虫が吐瀉物の中で蠢いていた。あたりにはコーヒーと胃液を混ぜ合わせたようなすえた臭いが立ち込める。真っ黒の液体はどうやら老人が飲んだコーヒーのようだった。
僕は気分が悪くなり、鼻を摘んだ。老人はそんな僕の様子を気にすることなく、自分の吐瀉物の中からクリーム色の幼虫を拾い上げた。
「こいつを餌にすると、ここらの魚はよくかかるんだ」
老人はそう言って笑った。残り少ない黄ばんだ歯は唾液の糸を引いていた。そして、手入れがほとんどされていない顎ヒゲにはトマトかパプリカのような赤いカスがこびりついていた。
ジャンル:純文学〔文芸〕キーワード: R15 最終更新日:2021/03/20 13:39 読了時間:約6分(2,865文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 0 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 0 人 評価ポイント: 0 pt |
作者:帰初心/作品情報/Nコード:N2432DE
短編 |
ある日、藤巻麻紀子さんの左手の小指には、呪いの灰色の糸がついていた。
糸の先には学年一のブ男で、臭男(くさお)とあだ名のついた男の子。
女子の間で有名な「あんたにはあんなのがお似合いだよね」という悪意で発動するという、呪いの灰色の糸。
でも、麻紀子さんは理系女子だから気にしないのだ。
ジャンル:ホラー〔文芸〕キーワード: 日常 青春 サイコホラー お似合いだよね 数学女子 ブサイク 中身は普通 マウンティング女子 ガールミーツボーイ すえた臭い 気にしたらおしまい 最終更新日:2016/03/06 16:45 読了時間:約16分(7,939文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 236 pt ブックマーク: 28件 評価人数: 21 人 評価ポイント: 180 pt |
作者:夏景色/作品情報/Nコード:N8181BJ
短編 |
「そっとしておいて」
叔母の言葉を裏切るように、僕の心は、僕の体を動かそうとする。眠ろう、だれも彼もがやすらかに過ごせる眠りの中へ。けれど眠りはいつまでたっても訪れはしない。ラークの煙の臭い、空調からでるすえた臭い、あらゆる人が吐き出す声と息と咳の混ざった生ぬるい古い風、それと入れ違いでやって来る、新鮮で冷ややかな風の死の臭い。そんな何もかもが僕の不安を掻き立てていく。
本当に下手くそな文章でごめんなさい。
ジャンル:ノンジャンル〔ノンジャンル〕キーワード: 現代 電車 親戚 年の差 ちょっと暗め 短編 最終更新日:2012/10/12 18:00 読了時間:約12分(5,819文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 2 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 2 pt |
作者:深川 火鼠/作品情報/Nコード:N4348BF
短編 |
すえた臭い。浮浪者たちの寝床で、殺人鬼ジョーンズは目を覚ました。
殺人衝動に突き動かされるようにして、彼は街をさまよう。そして見つけた次の獲物へ、ゆっくり近づいていく。
ジャンル:ノンジャンル〔ノンジャンル〕キーワード: R15 残酷な描写あり サスペンス 最終更新日:2012/05/23 16:20 読了時間:約19分(9,119文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 12 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 2 人 評価ポイント: 12 pt |
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