かつて、異世界からの迷い人『勇者』と、『魔王』と名乗る魔物の王が戦った“人魔大戦”があった。その大戦は熾烈を極め、五年にも及ぶ戦争の結果、勇者と魔王の相討ちにより、戦争は終結となった。 　それから50年の時が経ち、人々は、鉄の巨兵に乗り込み、日夜魔物との戦いに明け暮れていた。 　そんな折、一人の騎士が人命を守るべく、国から出された待機命令に反きつつ立ち上がった。 彼の名はクロスグリンベルト・シャジアルーグ。 　彼の命を賭した奮闘により、被害は最小限に抑えられる。 　しかし、彼の体はその機体ごと魔物の尖角に貫かれ、死に瀕することとなった。 　救助に来たエルフの少女に搬送されたクロスは、死の瀬戸際から生還し目覚めるが、その体は少女の体へと変貌していた。 　獣人のような黒毛で覆われた長い耳を携え、再び立ち上がったクロスは、クロ・リュミナーレと名乗り、スカートと尻尾を靡かせながら人々を救うのだった。