転校生のユウは、誰とでも話せる「いい人」。 でもその仮面が、彼を少しずつ壊していく。 そんな彼を救ったのは、質問ばかりしてくる無口な科学部の少女・ナナミだった。 「問い」を通して始まった、ふたりの不器用な“関係”。 答えのない対話の先に、彼らが見つけたものとは――

帝国の大陸統一戦争の最終版。 続々と大国が滅ぼされていく中、最後まで帝国に抵抗しそして滅んで行った国があったそうな。 巧みな外交戦略によって生き抜き、大陸の中で最後まで独立を維持し続けた国があったそうな。 その国は、たった数百の軍しか持たず、王は若く、騎士は女で、城は貧弱だったそうな。 そして、歴史として語られている。 数万の帝国軍を九十九度退けたこと のべ、15万もの兵を退け続けたこと 最期――帝国は20万もの兵を動員してその国を滅ぼしたこと そして伝説らしく――最後、こんな締めで終わるのだ。 その小国の王と騎士は、いまもどこかで生きていて いずれ、どこかで、ある時いつの日か 再起を図ろうとしている――と

これは、幼馴染と恋人の間に挟まれるという、幸運な悲劇を演じた男の物語。 ある日、四季七瀬は幼馴染である三人へこう言った。 「そういえば俺、彼女できたわ」 一言から、日常は一変する。 迫りくる（顔だけは）美少女な幼馴染三人と、不敵に笑う俺の彼女。 彼女たちの反応は俺の予想を大きく超えて激しくて……？ 恋人×幼馴染の、俺を巡った全力争奪戦――開幕。 「『運がいいだけ』と、君はよく言うが 　 「可愛らしい幼馴染が三人が 「十年間、変わらず、ずっと 「君という人間へ、好意を寄せ続けている現状が 「――本当に『運がいいだけ』で、実現したと思っているのかい？」

そう遠くない未来、日本では成人を迎えれば酒に煙草、風俗と同じ様にとある権利が解放される。 ──性転換。 持って生まれた性別は法の元で改変が許され、ファンタジーは現実となった。 男子はママになる権利を手にし、女子はその逆も然り。 性の垣根は崩壊した世界で、今日もまた一人新たなピカピカ成人がTSクリニックを訪れる。

にーしゅん研究所所長からのお題１枚絵小説です。

　もう長い年月。その大陸は冬に幽閉されていた。 　悠久の時間は人々の記憶から蒼天に輝く“■■”を奪い、深緑が溢れ花々が芽吹く“▲”をお伽噺に仕立て上げた。 　降り頻る雪は山も森も川をも凍てつかせ、全てを平等に漂白し──”黒き雪”は永遠に覚めぬ疫病を運んだ。

雨の日は好きですか？ そう質問されたら私は迷いなくNOと回答する。外で遊べないとか、洗濯物が干せないとかそういう一般的なレベルでのNOでは無くて、『私』という人間は雨の日にはとことん悲運に恵まれてしまうのだ。 ただあの日だけは、人生最大に変な雨の日だった。 おかしなカラスに導かれた先で、それでも私は「雨が嫌い」とお決まりの台詞を呟く。

　ある日、引き籠りの弟が死にかけの猫を拾ってきた。 　かつて天才児と持て囃された彼はいまや自室でネットとゲームに入り浸るばかりの日々。 　たまたまゲームを買いに行った弟の出先で、たまたま眼の前で撥ねられた猫を家で看取った事で、二年間停滞していた俺達兄弟の時間が動き出した。 　これは一匹の猫の死が導いた、物語の始まり。

地球衛星軌道外縁に、突如巨大な物体が出現した。 それはとても巨大で、とても生物的な動きをしていて、そして奇妙で『アレ』に似た姿形をしていて…… 謎の存在に挑むＮＡＳＡと地球人の奮闘が、今始まる。 遠い宇宙から来訪した謎の巨大の物体と地球人の邂逅を描く、ＳＦ短編作品。

あんの、クソ社長めッ！ と或るオフィスビルの一角、会社員の佐藤は怒りに満ちていた。AI新商品に関する会議での社長決定に、どうしても納得いかなかったのだ。 落ち着くために向かった喫煙室で、しかしまた心穏やかにならざる状況になってしまう。 AI開発企業の喫煙室から始まる近未来SF短編小説。 【作成課題】文中に「大統領」「幼女」「カニバリズム」を入れて短編を作ること。