ベルクのその圧倒的な才能ゆえに幼少ながらも公爵家の『最高傑作』と恐れられていた。その才能で孤立することを心配した元英雄の祖父は「無償で手を差し伸べる」善人になれと助言した。しかし、ベルクが大事な人を全員失い世界を滅ぼした未来から来た悪魔は祖父の言葉を拒絶する。悪魔はその言葉を否定するためにすべてを捨てて回帰していた。善人になることに疑問を感じたベルクは自分で考え、善人になることを辞めた。すべては大切なモノを守るため、そして自分を利用しようとする者たちを排除するため、その力を使うことを決めた。 ――もう誰にも奪わせない。 　そう願いながらも興味で古代の魔法陣を作ったり、首都に向かう巨大隕石を消し去ったりと好奇心と大事な人を守るために振るった力が人々を救う。本人は意識していないのに勝手に善人にされるのだった。 　これは、最強の男が好きなように力を振るながらも、大切な人たちと恋愛関係に葛藤し、やがて大切な人たちと幸せに暮らすまでの成長を描いた物語。

ある日異世界から勇者がやって来た。 村の子供が日記につけた転生者たちの物語