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作者:XI/作品情報/Nコード:N1382KJ
短編 |
赤き竜の肌は細かく尖った鱗でささくれだっており、彼自身がそう望んだわけでもないのに、まるで他者からの接触を拒むようにできている。彼の身体そのものが触れる者すべてを傷つけるようにできているのだ。なんの因果かと思ったりもするのだが、事実は覆しようがなく――。赤き竜に同種の仲間はいない。彼は同族に出会ったことがない。だから内心寂しく感じている。今更そんなことを口に出しても仕方がないので、ただただ静観するように、世捨て人のように生きている。千年も続いている彼の時間ではあるが、生きている限りは誰に対しても誠意を示そうとかつて決めた。種族を問わず、そうあるということは、あたりまえの矜持だ――と、赤き竜は信じている。赤き竜自身、そんな自分の考え方が古ぼけた価値観であることくらいは知っている。
ジャンル:異世界〔恋愛〕キーワード: 竜と人と ウバさまに捧ぐ 最終更新日:2025/04/18 03:37 読了時間:約12分(5,527文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 54 pt ブックマーク: 2件 評価人数: 5 人 評価ポイント: 50 pt |
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