異常気象や度重なる争いによる地形変動を繰り返したとある世界。物理的文明的に歪な世の中で「黒霧」と呼ばれる霧によって魔物化した獣や「黒霧産物」という脅威が世界に蔓延っていた。 それらに対抗すべく生まれた従来の武器を上回る性能の「超歪兵器」を用いた者を「使用者」と呼び、その武器を造る者を「製作者」と呼んでいた。 製作者の少年、シンヤ・マサキは自身を取り巻く数多くの絶望の中でもがきながらも優しさを失うことなく過ごしていた中、使用者の少女、アイリ・グレイスと知り合う。 アイリはシンヤの技術力に驚き、またシンヤもアイリの強さに惹かれつつあったが、ふとしたすれ違いにより、アイリがシンヤを強く拒絶し否定してしまう。 積み上げらレ辛うジテ危うイ均衡ヲ保ッテいた精神ハ崩れシンヤは壊れてシまっタ 貼ツイた笑顔と機械的ナ笑い声をあゲなガラこノ世の全てニ絶望シ自らガ殺サれル場所を探スたメに旅に出ルコとを決メ使用者へとナッたシンヤ そシテ心を壊しテシまっタこトへノ罪悪感かラシンヤを探ス旅へト出ルアイリ 心ヲ壊サれタ少年ト心ヲ壊しテしまッタ少女 殺サレルたメニ旅をスル少年ト死ナセナいタメニ旅ヲスル少女 黒イ霧ガ漂ウコノ世界デ歪ナ思イヲ抱イタ者タチノ旅ハコノ霧ノヨウニ黒イ未来ヘト続イテイタ ------------------------------ 専門用語が多いため用語集を作りました。https://ncode.syosetu.com/n2788ht/

　気がつけば異世界に転生していた『ボク』。前の世界の記憶を持ったその魂が宿ったのは、機工と呼ばれるその世界の『魔法』と『技術』の結晶とも言える身体だった。突然のことに戸惑い叫ぶ魂に、それを生み出した天才は『ウル』と名を刻んだ。 　……時は流れ、天才はその天寿を全うした。そして『ウル』は見知らぬ世界へふらりと旅立つ。限りなく広い世界に好奇を向けて、前世より受け継がれた憧れを秘めて、そしてその身に託された願いを背負って―― これは気ままな魂を宿した最終兵器が、奔放に世界を生き抜く物語。