選ばれたわずかなものだけが使える神の奇跡たる魔術、ほとんどの人間が使える身体強化。全ての生物が生まれ持つ魔力、それを使う才能がほぼ全てのこの世界で、魔力を使う才能を持たない少数の人間はゼロと呼ばれ社会の最底辺として蔑まれてきた。 幼い妹と王都で二人暮らしの少年、規格外の魔力量を持ちながらそれを制御できない主人公カノンもそのひとり。だが、理不尽な理由で過酷な仕事をクビになったその日、カノンは運命の出会いを果たす。 見て見ぬふりもできず体を張って窮地を救った、高名な博士の研究所を無能と追放された錬金魔導技師の少女と、彼女がつくった試作錬金魔導具〈魔砲〉。 最強の威力と引き替えに規格外の魔力量を必要とし、だれひとり使えない致命的な欠陥を持つそれを－－カチリ。世界で唯一使えるカノンがその手にした瞬間から、過酷な運命に置かれた二人の人生は逆転する。 追放者の妨害、凶悪な竜、心優しき姫を襲う陰謀。王都を襲う災厄の魔物－－カチリ。立ち塞がる全てを指先一つでぶっ壊し、ギルドマスター、宮廷魔術師、姫、あらゆる有力者から賞賛され、廉価版〈魔砲〉を量産し、巨万の富をも手に入れて、数々の実績を経たその名声は世界全てへと轟いていく。 そしてカノンはやがて、家族同然のパートナーとなった錬金少女と唯一の家族の可愛い妹とともに最高の幸せを手に入れるのだった。 ※タイあら試行錯誤中。 ※この小説は他のサイトでも掲載中です。