そのことに直面してから、忘れていた事を思い出す。 ブレーキの効きが悪いのを思い出したのはブレーキを踏んでからだった。 その商店街は、なんだか普通じゃなかった。ただカフェで少しだけ身体を休めたかった。 老人と猫、魚屋のおっさん、そしてワツドモ屋での体験。 全てが黄金に輝く。

　異星人〝ルナリアン〟の侵略を受けた地球文明は衰退、文化と科学の大部分が忘れられてしまい、人類も滅亡するかに思われた。 　が！　 　旧時代の遺跡から回収された一本のＵＳＢ、その内部に記録されていた様々な知恵、アイドルの歌声が人類を励ました。奮起した人類は奇跡の逆転大復活、ヘンテコながらも文明を復興させ、ルナリアンに対抗する為の手段としての神聖決戦存在〝アイドル〟を生み出す。 　アイドル！ 　歌って踊って侵略者野郎をぶち殺す超人乙女！ 　応援せよ！　 　推せ！　推せ！　推せ！　 　君の応援が彼女達を強くする！ 　アイドル皇帝陛下万歳！　聖アイドル帝国万歳！　侵略者をぶっ殺せ僕らのアイドル！ 　敵前逃亡者、無断での応援列離脱者、コール＆レスポンスの手順を間違えた者は即刻処刑する！！！ 　炎の低徊趣味的熱血情熱鉄血愛と友情と努力のアイドルスポコンミリタリーＳＦルサンチマンアイドル偽ワイドスクリーンバロック絶対無敵最強賛否両論形而上学的御伽噺曇り時々晴れ的スペクタクルプロレタリア百合ポリティカルポストアポカリプスペダンチックダークファンタジーアイドル皆殺しアイドルラブシンデレラストーリー、ここにオン・ステージ！ ⚠️表紙絵は澄石アラン先生に描いて頂きました。 ⚠️本文の５割強がミリタリー、ＳＦ、歴史、政治、文学、都市伝説、陰謀論、宇宙人、UMA等のアレなネタとその解説、世界観の開示、矢鱈と憂鬱な少女の心理描写に費やされる等、どうしようもない内容ですが、自重する気は１ミリもございません。予めご理解下さい。

第１話　時空を超えた想い 2032年7月24日 60歳になった黒崎英生はライフログデザイン社の創業者ある。 人生のログをあらゆるフォーマットに出力できるアプリを開発し世界に提供している。 黒崎はふと40年前のことを思いだした。・・・ 1991年4月1日 黒崎を含む５人、青田信平、茶山良太、赤池夏子、白川雪子は、大学の軽音楽部の部室で出会った。 彼らは好きな音楽の話で意気投合して、その場でバンドを組むことになった。 ギター／黒崎、ベース／青田、ドラムス／茶山、キーボード／雪子、ヴォーカル／夏子 の５人組バンド「PETRA（ペトラ）」が誕生した。・・・ 第２話　不足してしまった愛情 夏子はある想いを抱えていた。 それは彼女のパフォーマンスに力を与えた。・・・ 第３話　交錯する運命 良太はライブを観に来ていた紺野春美が気になっていた。 そして、良太と春美は恋に落ちた。・・・ 第４話　静かなる情念 雪子のヴォーカルが会場の雰囲気を一気に変えた。 雪子は人には言えないある悩みを抱えていた。・・・ 第５話　５人の別れ 1995年3月20日 PETRAのラストライブも終わり、５人のメンバーはそれぞれ違う道に別れていった。 彼らが再会したのは25年後の2020年であった。・・・ 2021年7月24日 「JOJO」のイントロがはじまった。 再結成したPETRAがステージに立っていた。・・・ 第６話　変貌した世界での再会 2020年7月21日 信平の勧めで５人はTwitterアカウントを取得しネット上で再会した。・・・ 第７話　点滅する鼓動 2021年12月24日 良太のライブハウスでクリスマスライブが開催された。 信平はいつものベースを置きキーボードの前に座った。・・・ 第８話　交差する視線 2022年7月24日 雪子の歌声に会場は息を飲んだ。 美しく澄み切った声は会場に響き渡り観客を魅了した。・・・ 第９話　脱げなかった鎧 2023年7月24日 ペトラのラストライブがブルーノ・マーズの「24K Magic」で最高潮を迎えていた。 夏子と雪子のコール＆レスポンスで会場のボルテージが一気に上がりライブは幕を閉じた。 別れを惜しみつつ、５人はそれぞれの居場所に戻っていった。 そして、その夜、悲劇は起きた。・・・