第一幕。 いつからか、ずっと追われている。 灼けついた砂浜を歩き続けている。 赤い怪人と青い怪人が、太い鉄棒で自分を殴るためにあとをつけてくるからだ。 森は茂みが濃く、波打ちぎわにはウミヘビがいて、逃げ場はない。 全裸なので体も足裏もヤケドを負っている。 ひたすらに苦しい。 なぜ、こんなことになっているのだろうか。 わからない。 自分が何者であるかすらわからない。 ただ逃げる。 だが、力尽きて追いつかれ、鉄棒に腕をへし折られる。 第二幕。 目が覚めると馬に引かれる荷車に乗っていた。 見たことがあるような、ないような山あいの道を進んでいる。 馬の手綱を握っているのは祖父だ。 頭がはっきりせず、自分の事さえまともに思い出せない。 しかし。 雲が異常な速さで飛び去り、入った田園地帯で見た異様な光景に、だんだん理解が追いつき始めたのだった。

バブル末期を田舎で燻っていた世代に捧げる、中身のないノリだけ現代ファンタジー☆ ハイでもローでもないファンタジーなのでジャンル迷子の学園ものです。 一周回ってカッコいいをコンセプトにしてる天堂 勇麒君をどうぞ笑ってやってくださいませ(*´∀｀)つ