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作者:安路 海途/作品情報/Nコード:N3401JM
完結済 (全10エピソード) |
「世界は呪うか、祝福するしかない場所なのよ」
と、その人は言った。
――古い洋館、たった二人の住人、観葉植物であふれた部屋、外界から遮断されたような生活。
藤谷志仄は、その洋館に住む女主人だった。正体不明の、本物の魔女だとしてもおかしくないような女性。
わたしはひょんなことから、彼女と親しくするようになる。でもそれは、危険も冒険もない、いたって平穏なものだった。いつもコーヒーとお菓子がつくような、静かな会合でしか。
それでも、志仄さんが謎の人物であることに変わりはなかった。
例えばその左手には、ひどい火傷の痕が残されていた。彼女は自分で、自分に火をつけたのだ。自由を手に入れるために、世界と戦うために、自分を生きるために――彼女にはそうするだけの、理由と必要があったから。
一方のわたしはといえば、あくまで凡庸で、中途半端で、幼稚な人生を生きていた。そこには耳をつんざく雷鳴も、猛り狂う炎も、不吉で残酷な運命なんてものもない。あるのはただ、柔らかくて、窮屈で、愛情にあふれた、箱みたいなものでしか。
光と緑の部屋で、わたしと志仄さんが過ごした時間――たわいのないおしゃべり、いくつかの出来事、奇妙な頼まれ事。
やがてそれは、いたって不可解な終焉を迎える。そこには何のヒントもなければ、ほのめかしさえ存在しない。
そして数年後、わたしは偶然の邂逅をはたすことになる。それが何を意味するのか、正確なところはわからないにせよ。
結局のところ、わたしと志仄さんのあいだにあったのは、フィクションとリアルの奇妙な交錯だった。彼女が本当は何者だったのかは、今でもわからない。
それでも志仄さんは……そのフィクションは、わたしにとって〝リアル〟だった。
(21/10/18~21/11/10)
ジャンル:ヒューマンドラマ〔文芸〕キーワード: 現代 ホームドラマ 短編 高校生 魔女 洋館 口笛 フィクションとリアル 世界と戦う 自分に火をつける 母親 最終更新日:2024/09/12 00:00 読了時間:約99分(49,078文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 12 pt ブックマーク: 1件 評価人数: 1 人 評価ポイント: 10 pt |
作者:もふもふもん/作品情報/Nコード:N5627FL
短編 |
ある晴れた、穏やかな日曜日の午後。
部活の練習帰りの女子高生二人組に襲い掛かる、理不尽な災難。
回避する事は可能だったのだろうか……?
それは、誰にも分からない。
フィクションとリアルの区別が付かない方は、気分が悪くなる恐れが、大いに有り得ますので、読むのを差し控えられた方がよろしいかと思われます。
ジャンル:ホラー〔文芸〕キーワード: R15 JKの災難 ギャグ フィクション 最終更新日:2019/04/22 15:52 読了時間:約5分(2,390文字) 週別ユニークユーザ: 100未満 レビュー数: 0件 総合ポイント: 61 pt ブックマーク: 0件 評価人数: 8 人 評価ポイント: 61 pt |
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