一年前のあの日から 俺はもう前に進めてない。お前のいない現実で どう生きていけばいいのかも分からない。 「もう好きじゃねぇから 早く消えろよ … ッ！！」 　この心からお前が居なくなれば 俺は前に進めるんだ。お前さえ嫌いになれれば 俺は救われるんだよ。だから頼む 一度だけでいい、本当に一度だけでいいから―― 　　　――お前の事が嫌いだと 叫んでくれ 。 『 私は 好きだよ 。白 』 「ぇ … … 」 　聞き覚えのあるその声 。学生の頃 何回も聞いてきた愛おしい声。零れ落ちる雫を我慢する事もなく、声がした方へと振り向くと そこにいたのは―― 。 　現在 大学に通う十九歳の不良、天条 白《あまじょう はく 》。 とある事件で この世から亡くなった彼女、桜庭 美羽《さくらば みはね》。 『生きていく意味も 死ぬ意味も、もう そんなの探さないで？』 「なんで … ッ。どうして 美羽がここに？」 　死んだハズの人間が この世にいるのはありえない。だがしかし 死んだと思っていた彼女は確かにそこにいてーー？ 　そんな彼女に伝えられる信じ難い全ての真実は、白の灰色と化していた現実をひっくり返す事になる。幽霊だの 生きているだの 可能性だの 半信半疑で聞いている途中で視界に入る 風で揺れているカレンダー。 「2017年 4月7日？」 　それは今から約3年前の日付を表していた。つまりーー 「俺は今 … … 高二って事か？ 」 【Re:mist 〜時を懸けた想い〜】 タイトルは 【リミスト】と読みます。 意味は【繰り返す約束】と言う意味です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ミント様の作品【好きな人を救うため、俺は過去をやり直す】はこの【リミスト】と一緒に書いています 。 設定は同じですが物語の内容が違う、空の視点が描かれています。そちらも 面白いので是非見てください。