山奥の秘境で退屈な隠居生活を送る齢数百の化け狸の綿狸。 とある日、昔馴染みの狐があるものを持ってきた。 雲外鏡が作りし雲外フォン、通称ユーフォンである。 ユーフォンではネットとやらが使えるらしいぞ、とそれを渡して狐は去っていったが、これが全ての始まりだった。 退屈な生活に突如として投げ込まれた、現代のネット文化。 現代の娯楽の誘惑に逆らえるはずもなく、綿狸は自堕落なネット生活を謳歌し始めた。 しかし、そこに突然運営からのネット利用料の催促！ そしてネット利用料が無料になるという特典付きの配信者オーディションの案内！ 綿狸は自堕落なネットライフを守るべく、そして推しのvtuberにおひねりを投げるべく、オーディションに赴くのであった。 これはネットリテラシーのネの字も知らない化け狸が、新人配信者として生活を始める話である。