入学祝に魔道具作りが趣味の妹からもらったブローチ。婚約者が居るのに想い人にあげるようにと言われたが、意味が分からなかった。その想い人が出来るまでは……。 で、妹のくれた魔道具をあげてみたら。

乙女ゲームの序盤にヒロインのために命を落とすハイスペック錬金術師師匠。 それが私の前世の推し。 推しを救う唯一の手段を求めて、私は今日も実験を行っていた。 ……けれど、１３回目の実験は失敗に終わる。 私は実験中に作り上げた植物の蔦に絡みつかれて、逆さまにつりさげられてしまっていた。 「この惨状を見ろ。もう何度だ」 「……１３回目」 「そう、１３回目だ！　ミラベル。どう植物を配合すれば、意思を持つ植物なんてものが毎回できあがる。しかも、なぜ毎回襲われる？！」 　助けようとしているはずの推しに、今日も助け出される私。 　１３回目の実験失敗により、物語は動き始める。 　それは、乙女ゲーム序盤に命を落とすハイスペック錬金術師が、落ちこぼれ錬金術師ヒロインを溺愛する、隠しヒーロールートの始まりなのかもしれないのだった。