冒険者ギルドのサポーター、ライル・グレイアード（35）は、戦闘能力ゼロの地味な後方支援職。 　そんな彼に、ある日王命が下る。 　「異世界から召喚された勇者を補助せよ」――。 　現れた勇者は、制服姿の女子高生・一ノ瀬ミナ（17）。 　チート級の能力を持ちながらも、この世界の常識をまるで知らない。 　「スマホが使えない！」「ご飯はお米じゃないの？」「鎧って重い！」 　その突拍子もない行動の数々に、ライルは日々胃を痛める。 　だが、彼女の“人を助けたい”という真っすぐな想いに触れるうち、ライルは次第に彼女を支えたいと感じ始める。 　一方、ミナも現実主義で不器用な彼の優しさに惹かれていく。 　旅の道中、数々の人間の歪みや社会の理不尽を目の当たりにする二人。 　やがて、ミナの力には“命を削る代償”があることが明らかになり――。 　世界を救う戦いの果てに、二人が選ぶのは「帰還」か「共に生きる」か。 　戦えない男と、常識外れの勇者が歩む、少し不器用な異世界ロードストーリー。 毎日12時投稿を頑張る予定です…たぶん…きっと…

剣と魔法の世界「レグナリア」。 魔法は「貴族の血」を引く者のみが発現し、庶民にとっては絶対的な力の象徴。 学術・軍事・政治・宗教までも魔法が支配しており、身分制度が強固に根付いている。 しかし、庶民出の少年が偶然“灰色の魔導書”を手にしたことで、魔法の「理」を独学で解き明かしていく。 彼には魔力はない。だが、理論をもって貴族たちの「神聖な力」に挑む。