昔々とある国には、獣の姿をした恐ろしい神様が居ました。 恐ろしいけどとても強いから、ずっと機嫌良く居てもらわないと困るので、国民は悩みました。 そして、そのために小さな女の子が『贄姫様』と呼ばれ、獣の姿をした神様への生贄として捧げられました。 神様は優しくない神様だから、小さな女の子だとしても、すぐに殺されてしまうに決まっています。 だけど、初めて神様に会ったその時、女の子は恐ろしい神様に向かってニコニコと笑って、こう言いました。　 「ニエね、神様に会いたかったの！」　 　 ――これは獣の姿をした残酷な神様が、女の子に出会ったお話。 ※本作はカクヨムにも投稿されています