地球から異世界に転生した俺は、その地で剣と魔法を２０年修行して勇者となった。 さらに他次元からの侵略者どもと３０年に渡って戦い、遂にこれを殲滅する。 その最終決戦で死に瀕した俺は、世界を守った褒美として過去の地球に再転生させてもらえることになったんだわ。 １９６０年代の日本に再転生し、そこで自由に生きていくことが出来るようになった俺が３度目の生で選んだのは「野球」だった。 やっぱ敵を殺さずに済む闘争は最高だよな。 少なくとも野球に於いては魔法を封印した俺は、努力と知力で野球の道を究めんとする。 ま、まあ少しはチートも使うけど。 それにしても昔の日本には馬鹿や理不尽が多くて苦労するぜ…… ＜加筆訂正終了、投稿１９回分増量（当社比）＞

　ある日、総一郎が玄関を開けると、そこには鎧を身に纏う少女がいた。 　彼女は『役職：勇者』と書かれた自らの名刺を差し出し、総一郎に言う。 「突然ですが、私と一緒に魔王を倒しに行きませんか！？」 　これは勇者と共に魔王を倒すという競技に参加する羽目になった大学生とサルと宇宙人とその他大勢の物語である。

極々一般的な日本人ばかりが勇者召還される異世界国家イツカミテイロ国。新たに呼び出された勇者に渡された本の表紙には「新たな被害者への助言と記録のマニュアル」と書いてあった。