巫女騎士イシュタルーナ・イノーグは古い一族の族長の娘であったが、敵であるエミイシによって一族の村ごと家族親戚すべて虐殺された。復讐を想うも、イノーグ村の滅んだ日にイノーグ山に降臨した“いゐりゃぬ神“が神に仕えよと命じたため、復讐はままならず、果たせない。。神にとっては人間の正当な復讐など意にも介さぬつまらぬものなのだ。 　そんなうちにも、粗末な社は次第に巨大化し、生き残った巫女騎士独りの居場所だったところが、大神殿となり，地域の大勢力となって、王国から独立し、強大な神聖都市国家へと変貌していく。 　IE（イデア・アース）シリーズ＃４

イツキとゼツメイ――古い一族の二人の兄弟――は、運命の夜に巻き込まれた。 一族の秘密、血、そして闇が彼らを包み込み… そして、真実を見つけ出すための道が始まる。

　日本史には登場しない古い一族。 　常にその時代の為政者から『遠慮』されてきた一族・天羽一族。 　本家と分家の四家からなる彼等は天然の要害である七の谷に里を成し村と成り、現代では小さな市と成って血脈を繋ぎ続けた。 　『天羽』は鳥の民。何処から飛来し、言の葉を残しまた去る。 　現代に受け継がれた天羽の｜裔《すえ》であるまい香が、失踪した兄に替わり家を継ぐことになった『成人の儀』の前夜、不意のアクシデントにより異世界へ｜渡る《・・》ことになってしまった同じ時、一人の皇子が過酷な運命の扉を開こうとしていた。 　皇子に従うのは将来を嘱望されてはいるが未だ見習いにすら付いていない近衛衛士の子弟たち１４人。 　凍土に飛ばされ敵地を進むしかない彼等とまい香の運命が重なる時、異世界・アランデルの運命も動き出す。