※旧タイトル：【記憶喪失の悪女は、夫の愛の檻に囚われる】 → 2025年6月29日に改題しました。 侯爵夫人ミレイナ・エルフォードは、階段から転落し――すべての記憶を失った。 目覚めた先にいたのは、冷たい目をした夫ユリウスと、怯える使用人たち。 どうやら彼女は、かつて仲睦まじい婚約者同士を引き裂き、 正統な婚約者を排除してまで、ユリウスを自分の夫に“奪った”悪女だったらしい。 執着と嫉妬に塗れた策略――誰からも恐れられ、忌み嫌われていた過去。 けれど今の彼女には、その記憶も、なぜそこまでして彼を手に入れようとしたのか、その理由さえもわからない。 罪悪感に苛まれたミレイナは、夫に離婚を申し出る。 それが彼を――再び狂わせる引き金になるとも知らずに。 「……は？ 離婚？ 君がそれを言うのか？ 　俺を地獄に引きずり込んでおいて？　――そんなの、絶対に許さない」 記憶を失った“元・悪女”と、彼女を許せない夫。 愛と罰が絡み合う、その関係の先に待つのは――救いか、破滅か。

伯爵令嬢アデリナの婚約者、第二王子ヴァルターは冷たい人だった。 いつでも実妹のセラフィーナ王女を優先する彼が、アデリナにほほえみかけることはない。 ある日、セラフォーナ王女が暗殺されてしまう。 妹の死がきっかけとなり闇落ちしたヴァルターの心は益々凍りつき、冷酷な国王へと変貌を遂げる。 それでも彼のことが放っておけなかったアデリナは、愛されないまま妃となりヴァルターを支え続けた。 やがて周辺国から攻め入られ、ヴァルターを庇ったアデリナは瀕死の重傷を負ってしまう。 命の灯火が消える直前、ヴァルターは「愛している」と告げて、時戻しの魔法を使い人生をやり直す選択をする。 けれどなぜか、時を戻した張本人が、無責任にも記憶を失ってしまい……。 巻き込まれやり直し人生。婚約者をどうにかしないと詰んでしまうアデリナは、以前とは違う関係を築くために奮闘するのだった。 過去編はシリアス。回帰後は未来の夫を善人に育てようとした結果、なぜかヤンデレ執着系ヒーローが爆誕してしまうお話です！ ※カクヨムにも掲載

ジェイドには、幼い頃から国が絡んだ婚約者がいる。隣国の筆頭魔術師の嫡男で、高価なプレゼントはどしどし寄越すくせに、どういう訳だか一度たりとも逢いには来ない婚約者が。何が良くて自分が望まれたのかも判らないジェイドにとっては、何の想いも抱きようがない相手だ。だから顔も知ろうとしないまま、淡々と嫁ぐ日までを遣り過ごしていたのだが、よりによって結婚を目前に控えて、ジェイドは恋をしてしまった。魔術学院で出来た親友、スティーヴンに。しかも、ひょんなことからスティーヴンがジェイドにとって奇跡的な、ある意味、運命的な相手だと判ってしまう。その上どうやらスティーヴンも満更でもなさそうで……ってそれは全部がダメである。何故ならスティーヴンにも婚約者がいるのだから。 自分の馬鹿さ加減に泣きたくなりつつ、見たことも無かろうといけ好かなかろうと定められた婚約者を裏切ってはいけないとジェイドは自らを戒め、嫁ぐ覚悟を新たにしたのだが……。

小国の公女アナスタシアは、大陸有数の大国である帝国へ政治的な理由から滞在することになった。 ひょんなことから帝国の皇太子ランドルフに執着されるようになってしまったアナスタシア。 大国の皇太子であるランドルフと自分では釣り合いがとれないと、彼から逃げることにした。 何だか様子のおかしい皇太子から逃げ切れるのか？ ひたすら好意を伝えてくる愛が重めの皇太子と、彼から逃げる公女の話。 ※ちょっと暴力的な描写があります。 ※皇族、公族などでてきますが、こんな世界観なんだなと緩く受け取ってくだされば幸いです。