その日、アラフォー社畜・山本道子は、残業続きのフラフラとした足取りでアパートへと最短距離で急いでいた。一分でも一秒でも早く布団にたどり着きたくて。 　眠さのあまりに大あくびをした瞬間、後頭部をぶん殴られ、飛んで落ちて引っ張り上げられたら、異世界の騎士団で幼女になってました。 　ちょっと、どういうこと！？ 　見習い神がやらかしたとある失敗をごまかすために異世界に放りこみ、幼女に転生する羽目になってしまったらしいが、それに怒った八百万の神々の抗議で、自分で自分の設定を決めていいことに。 　よっしゃ、長年の夢を叶えるチャンスだ！ 　え？　神手不足(ひとでぶそく)で手が回らない？ 　柏手パンパン、ほら起きて！ 　脳筋騎士団で中身アラフォー社畜の美幼女が構われまくる物語。 　成長したら恋愛要素が入る、はず。 　一話2000〜3000文字程度です。

エッセイです。 本当にあった話なんですよ。 皆さんもあくびする時は用心してください。

お姫様には夢がありました。 それは、広い世界を自分の足で見て回ること。 お父様からお姫様のお誕生日に送られた、世界の不思議なものを集めた図鑑が大好きでした。 例えば、入口が巨人の喉仏に見えることから名のついた大あくび洞窟。 四百九十九の骨で動く深海のボーンフィッシュ。 呪いの花だとも幸運の印だとも言われる、糸のような赤い花。 古来の魔王が根城にしていたという魔王島。 安全な鳥かごから羽ばたいて、少女は希望を抱くのか、絶望してしまうのか。

隣の席の彼女は、2学期に入ってからマスクをつけるようになっていた。 来る日も来る日もそれは変わらず、さらに1学期ではしなかった、授業中での大あくび。 マスクをしているから、そのしぐさは目立ちづらい。 あまりに繰り返すものだから、俺はじょじょに気になりだして……。

世界を恐怖に陥れていた魔王は、とある転移者によって倒された。 それから約十年。 もたらされた平和と、転移者たちの持ち込んだ知識によって世界は華やいでいた。 そんな中、レージ・クドウは突然騎士団を追放されてしまう。 「転移者などもう必要ない。これからは気高き貴族の時代だ」そんな言葉と共に。 しかし『なんでもやります』の看板を手に大あくびする、寝ぐせ頭のこの男。 実はかつて勇者として魔王を倒した”転移者”だった。 同じ頃。魔術師団には才能を嫉妬され、冷遇される才媛が一人。 城下にも、その身に魔獣を封じているがゆえに酷使される少女の姿があった。 華の王都アルテンシアで、今日も平和と欲望に溺れる貴族たち。 しかし風向きは変わっていく。 王都の影で再び動き出していた魔族に、騎士団や貴族は苦しめられていく。 これは正体を隠していたかつての勇者が、追放少女たちと再び英雄になる物語。

その日は研究授業があるとの話だった。外面を取り繕うためか、朝から服装検査が行われる。 昨夜、漫画を夜通しで読んでいた私は、検査の最中に大あくびをして怒られてしまう。「しゃんとしなさい」と。 そして先生方が集まり、一同がきちっと姿勢を整えるものの、私には耐えがたい睡魔が襲いかかり……。