大森さんは彼とやりたい。 3か月付き合ってる彼氏は全然手を出してこない奥手年下男子。 そんな大森さんはあれやこれやと悪戦苦闘し、彼を誘惑するがお望み通りになるのか。彼はなぜ、かたくなにしてくれないのか。健全で善良な男女が送る甘く切なく尊いラブコメ。

【シリーズ】「ちょっと待ってよ、汐入」 僕、能見鷹士は三十路を前に一念発起し、中小企業に特化した個人コンサルタントとして起業した。そして何故かいつも探偵業を営む汐入悠希の無茶振りに巻き込まれてしまう。この間も猫探しに巻き込まれたばかりだ（シリーズ【1】猫と指輪）。そんな汐入と腐れ縁の始まりは高校生の時分に遡る（シリーズ【3】）。 高校一年の秋、僕は学校の帰りに汐入と大森さんが何やら話しているのを目撃する。えっ？まさか？大森さんと汐入が急接近？大森さんはついこの間まで二階堂玲さんに熱をあげていたんだぞ（シリーズ【4 】）。いくらなんでも変わり身が早過ぎる。一体、なにが起こっているんだ！？考え始めると電車も乗り過ごし、授業も頭に入ってこない。なんで僕はこんなに気にしてしまうのだろう。

【シリーズ】「ちょっと待ってよ、汐入」 僕、能見鷹士は三十路を前に一念発起し、中小企業に特化した個人コンサルタントとして起業した。そして何故かいつも探偵業を営む汐入悠希の無茶振りに巻き込まれてしまう。この間も猫探しに巻き込まれたばかりだ（シリーズ【1】猫と指輪）。そんな汐入と腐れ縁の始まりは高校生の時分に遡る（シリーズ【3】）。 これはその高校生時分のお話し。とある事件で知り合いとなった工業高校の千本松くん、梅屋敷さん、大森さん。僕と汐入は初夏のある日、3人それぞれからあることを頼まれる。そしてそれが3人の恋路を賭けた闘い発展していく・・・。

逆に、あたしが、知らされたのは、 すごい事実だった。 そのあと、知ったら、貴女、 結婚してて、赤ちゃんまでいるっていうじゃ あ〜りませんか。 うわ、裏切られてしもたッ！

「秋哉くん、自分を犠牲にするようなことをしてはだめよ」 「貴方は強い人よ。だから決して、勇気を出してはいけない」 「秋哉くんは、自分のためだけに生きて」 「大切なものを見つけて」 「幸いを目指しなさい」 　人の心がわからずに仮面をかぶり続ける秋哉には、唯一その仮面を外して接することのできる先輩がいる。稲穂色の髪をした図書館の主にして、妾の子。悪い意味で有名で孤独なアリカ先輩と図書館の片隅にいるときだけが、秋哉が誰かと自然に笑える時間だった。 　しかしそんな日々は、同じ図書委員の大森さんからの告白で、少しづつ変わってゆく。 　 　まるで、最初からなかったかのように。 　まるで、それが淡い夢であったかのように。 　自らが思う幸いを目指す二人の物語。

ここらでひとつ、話をしてもいいだろうか。 大森さんちのお隣には、小林さんが住んでいる。 大森さんちは男の子、小林さんちは女の子。二人はとても仲が良かったんだけど―――

「真島くん」同じクラスの大森さんは、突然僕を指差した。「キミに、『マジレス禁止令』を申し渡しますっ！」意味が分からない。確かに僕は生来融通が利かず道理道徳を重んじる、自分でも嫌になるくらいに生真面目な性格をしていて、要するに真面目腐っているのだけど。とりあえず、僕は眼鏡を直して彼女を振り返る。「レスっていうのは、基本的にレスポンスの略で、独自の用語として電子掲示板とかでよく使われているものであって会話には相応しく……」「わーっ、わーっ！」大森さんは、突然耳を塞いで叫んでしまった。これは真面目腐った僕と大森さんの、対話を探るちょっとした日々。