「次の部長は、おまえだ」 　それは、人づきあいが苦手な僕に訪れた転機だった。 　部員三名の天文研究部。 「いつも眺めているだけなのね」孤独な同級生と、「こいつは昔からこうなのよ」優等生の幼馴染。 　駆け足のように過ぎてゆく毎日。その日々が持つ意味を、僕はまだ知らなかった。 「それに気づくのは、いつも後になってからなのだ」 　自分と他者。近くて遠い存在。それは、まるで星と星の間の、果てしない空間のようで。 　積極的に他人と関わったとして、その先にどんな未来があるというのだろう。 　でも……。 　僕たちは、求めた。星と星を結んで、星座をかたちづくるように……。（2020.09.05加筆改稿）

　君ならこの星を、何と形容するだろうか。山奥で最終バスを逃してしまった「僕」は、そこでたまたま出会った天体写真家の男と一夜を過ごすことに。星について語る彼に、「僕」は秘めた孤独をみる。 　短編一話完結。