世界初の設計者は神様だった。神は世界を設計し、人間を設計し、亜人種を設計し、最後に不条理な格差を作り出した。 ビゾン歴８７２年。奴隷奉仕法制定により、人類は栄華の絶頂期を迎えた。 輝かしい魔法技術の進歩の裏、臭い物に蓋をするように、みんなが目をそらした奴隷達の扱いは最悪を極めた。 　イリスの親は世界有数の奴隷商人だった。金には困らない環境で育つが、彼は心に問題があった。人の心が分からない。痛みも、喜びも、悲しみも分からない。そのお陰で、人へ平等に接することができる。それは奴隷にとって甘い密であり、同時に猛毒でもあった。 　これは異世界から全ての奴隷を開放する物語りである。

天使が感動を与えてくれるのだろうか？ 神様が感動を与えてくださるのだろうか？ だとすれば、その助けてくださる条件はあるのだろうか？ 天使を感動させた時。 神様を感動させた時。 それは起こるのだろうか？ それは起こるのだろうか？