妖(あやかし)と呼ばれる魑魅魍魎が跋扈する江戸の町。 近頃、腕の立つ武士が相次いで行方をくらませるという怪事件が町人たちを騒がせていた。 そんな折、旅の少年・迅太郎は職を求めて浅草を訪れる。一見、ただの人当たりの良さそうな青年だが、彼の正体は【紫炎刀の迅】という名の超人的な実力を持つ剣客。それは決して他人に知られてはいけない秘密だった。 迅太郎は妖に襲われていた千代を助けたことをきっかけに、彼女の母親が営む料理屋に居候することになる。 料理屋の仲間たちとの生活は楽しく、しばし平和な日々が続いたが、やがて件の魔の手は迅太郎たちのもとにも忍び寄ってきた。 人を人とも思わない卑劣な悪党たちに【紫炎刀の迅】の怒りが爆発。大切なものたちを守るため、孤高の剣客が今立ち上がる。

　鬼ヶ島に封印された太古の魔王『悪路王』 　その悪路王を封印し続ける戦士たち、彼らは『鬼武者』と呼ばれた。 　鬼武者は、鉄の掟と鎖国の教え、そして何よりも悪路王に対抗する最高戦力たる『娑婆刀(サバト)』とそれを操る武術『斬道』によって五千年間の平和を守り続けていた。 　そんな中、鬼ヶ島に一人の男が生まれる。 　朝日・辰巳。 　鬼ヶ島の当主の長子として生まれながらも、才能を持たずに生まれた彼は、島中の人間から蔑まれながら育つも、弱小の鬼武者である青年、海棠・幸司朗と出会う。 　彼によって人生が変わった辰巳だったが、その人生は幸司朗の死によって再び変わる。 　そして辰巳は復讐を誓う。 「……殺してやる。この島の奴らは、皆殺しだ」