転移魔法陣を何度もくぐり抜けた先の口外無用の空間でひっそりと営業しているジャパン・レストラン。 ＜異世界日本人の会＞のメンバー、勇者ライアン・僧侶レスター・魔法使いリン・王女ドルリーの４人は、月１回ここに集まり、懐かしの和食に舌鼓を打つ例会を開催していた。 普段はなかなか口にできない転生前の与太話に花を咲かせるなか、その日のゲストが発したちょっとした話題をきっかけに、会の趣向はなぜか謎解きへと変容する。 各人がさまざまな推論を披露していくが真相には到らず、まもなくお開きを迎える時間となったそのとき、いつも謎を解き明かすのは、例会のメニューを取り仕切るオーナーシェフのアンリなのだった。 ※本作品は「黒後家蜘蛛の会」をオマージュした、「異世界×グルメ×ミステリー」のオリジナル短編連作です。 第1集収録の「会心の笑い」をお読みいただくと＋αの面白さを味わえるかもです。

５編のショートストーリズ。当たらぬ占いへの恨みの成果は。家蜘蛛の扱い。幸せを感じる香りとは。傘を巡る白昼夢。運の悪いヤツ。

家の中に現れる蜘蛛とある男の話。

1970年代アメリカ中西部、貧しく不遇な10歳のトーマスの近所に越してきた、いわくありげな未亡人アビゲイル。慎ましやかで、自分を大事に扱ってくれる彼女に、少年はじきに心を開くが…　ブラック・ウィドー(黒後家蜘蛛)と町で噂されるアビゲイルの実像とはいかなるものか。 自サイトより転載。

２０歳の大学生の健太は、あるアダルトＳＮＳで美しい未亡人「奏子」と出会う。 夏のホラー2016の参加作品です。

東京の一角に佇む「facade」の名を冠するレストラン。 そこでは月に一度、金曜日の夜を選んで秘密の晩餐会が開かれるという。 彼らの歓談に供されるのは、上質な料理、そして薫り高い珈琲。 そして、ささやかな「謎」の物語である。

「蒸気が支配する世界。暴力が正義を凌駕する世界。悪徳が蔓延し、市井の人間はそれに怯えつつ、慎ましやかに生きるしか無い時代。 そんな時代に刃物使いのジャニィ・ジャニス・ヴァンクリフとガンマン、マキ・ミリアム・ヴァンクリフ、二人の少女は賞金稼ぎとなった。 力に力で対抗し、悪党を狩り続ける。その目的はあまりにも途方もなく、そしてもしかすると何も意味は無いのかもしれない。だが二人は立ち上がる。黒後家蜘蛛を意味する「ブラック・ウィドウ」を名乗る二人にとってはそれだけが今では生きる意味なのだから。 ゼロ年代に終わりを告げるスチームパンク・ノワールアクション小説がここに始まる」

暗闇のなかで開かれる、男子禁制、女性のみが参加できる会議。 アイザック・アシモフ「黒後家蜘蛛の会」のオマージュ。