「ああ、アーサー王子…」 　愛しい方の名前を口にする。 　私の名は、ルイーゼ・マルガレーテ。 　かつて、アーサー王子と婚約者だった公爵令嬢だ。 　金髪に青い目、その美しさは我が王国の貴族の子息達の憧れの存在。 　そして、誰もが羨む第一王子の婚約者。 　私は、全ての貴族の娘達から羨望の眼差しを集めていた。 　子供の頃から約束されていた王子との結婚。 　親が決めた婚約だったが、子供の頃から王子と私は仲が良かった。 　毎日の様に二人で遊び、幼い愛を育てていた。 　王都にある、諸国の王侯貴族が集まる魔法学校。 　二人が、そこに通い出してから、全ての運命は変わった。 　農民出だが強い魔法の力がある為に、特別に入学を認められたエレイン。 　可愛らしくて優しそうな顔に似合わぬ豊満なスタイル。 　茶色の肩までしかない髪。 　心優しいが、正義感で勇気を持った芯のある性格。 　努力家で学業優秀、礼儀正しく、魔法力は学園一番。 　彼女は、物珍しさからか、学校のイケメン達を恋の虜にした。 　特に女性の人気を集めていた４人の王侯貴族の息子達とアーサー王子から愛の告白を受け、王子と結ばれた。 　そう、私の婚約者を奪い取ったのだ。 「くそっ！あの農民出の牛女め」 　当時を思い出し、冬の風を浴びながら、ぎりぎりと歯ぎしりして悔しがる。 　私は、取り巻き達と、あらゆる嫌がらせをエレインに対して行った。 　しかし、彼女は学校から出て行く事は無く、王子との関係を続けた。 　最後に私は、禁断の術で魔王の封印を解き、エレイン抹殺を祈願した。 　魔王は王国を滅ぼそうとし、４人の貴族と王子、そしてエレインの５人の力で討伐される。 　特に、王子とエレインの魔力は凄まじく、”愛のパワー”と呼ばれた。 　そして、エレインは聖女と呼ばれるようになったのだ。 　私は、魔王召喚は発覚しなかったものの、聖女への数々の無礼の責任を取らされ、北方を守るフリードヒ辺境伯の元に１９歳の時、無理矢理嫁がされた。 　その私の前に、かつての執事サイファーが現れる。 　彼は力強く宣言した。 「では、お嬢様と王子を復縁させてご覧に入れます」

小学六年生の夏。僕はいじめにあった。つらい現実から逃げる為に行ったお母さんの実家で、僕は偶然、瞬くんと出会った。瞬くんは恐ろしい病気と闘っていた。頭脳明晰で不思議な力を秘めた瞬くん。彼と過ごした夏。それが僕を強くし、人生を変えてくれた。

　愛するチエのために、自らをヒトではなく単なるモノ、しかも神へ自らの身柄を単なるモノとして捧げることに徹した不器用な男の不器用な慈愛の物語。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 　時空の支配者たる邪神（明龍と叡智）は、太極によって涅槃（絶望と諦めに人間を閉じ込めた状態）をもたらしていた。しかし、時空の創造主は二千年前に自らの献身と犠牲とによって邪神に対して勝利し、解放した大地へ一人のセラフィムを伴い、御使いの大軍を派遣した。 　不足したセラフィムの後継候補となったのは、黒木ユウト。彼は、数々の試練を乗り越えて育てられていくこととなった。ただ、その途上では、人間から人間でないものへと変化する際に、困難をいくつも乗り越えなければならなかった。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 　施設で育った孤児の智慧（チエ）。身に着ける衣服は、使い古された下着とよれよれの制服だけ。クラスの男女全員や教師たちからは虐めを受ける、絶望と涙だけが糧の日々だった。 　彼女を救ったのは、超速車ゼッツーから降り立った黒木ユウト。彼は錦糸高校の秀才、また秀でた剣の修行によって衆羅（シュラ）という鬼に対抗する能力を受け継いでいた。ユウトは預言に動かされて、チエを虐める人間ばかりでなく衆羅たちを退けていく。 　チエは錦糸高校へ進学。チエは二年生の二学期末となり、実力テストの際に三年生のユウトと再会した。彼らは互いに相手を意識し、幼い愛を育てていく。そしていつしか、ユウトはチエに様々に助けられるようになっていた。 　ある事件で、ユウトはやくざ集団からチエを救い出した。だが事件がもとで彼は退学処分を受けた。彼はチエに別れを告げて、ひとりでやくざ集団との戦いに出て行き、チエは彼を追う。

突然いなくなったある、「あなた」への手紙。

ルパンと不二子の愛って、大人の愛なんじゃなくって、実はとても幼い愛なんじゃないのか？

ルパンと不二子の愛って、大人の愛なんじゃなくって、実はとても幼い愛なんじゃないのか？

精霊の愛しき花の姫と別離した死神、再び会わん事を夢見て、待ち続けている、 そうして遥かな時が経った時、ようやく出逢えた姫とのお話、果たして、彼の心は報われるのでしょうか。

　既婚の男が同じ団地に住む女子小学生と不倫の関係に堕ちた。少女は母親から虐待を受けており、男はどうにかして彼女を救おうとするが、今の関係が壊れることを恐れる彼女はその手を拒み続けていた。そんなある日、男の妻が新居への引っ越しを提案してきて――

小さな喫茶店を営む”私”の店に現れた、手編みマフラーを編み続ける少女。冬を前に完成したマフラーは、幼い愛のささやかな証の筈だったのだが……

遥（ハルカナル）が幼い愛息を遺してあの痛ましい事故で死んでから10年以上経つ。そろそろ、俺たちの体験した不思議な物語を何処かに記しておきたいと思う。あの可愛らしく悲しい女の子達と憎い魔物ばかりのあの世界の思い出を。拙い筆だ。恐らくつまらないだろう。だが見て欲しい。これは俺の。俺たちの真実の物語だ。

彼は彼女を想い続けていた。 彼女も彼を想い続けていた。 それでも生まれてしまった、小さなすれ違い。 けれどそれは、募り積もった幼い愛情を歪めてしまうには充分過ぎるもので… ならばその原因は、一体誰のせいなのだろう？

幼い愛をずっと貫き通した明日美が、時を越えて、様々なことを経験していく。

幼い愛を否定しないまま忘れないまま、私は君とはちがう人と結婚する。だけど忘れないで、私は今でも君を覚えている。