速記を知らない者にとって、速記の話を２時間も続けられるのはつらい。速記を知っている者にとって、速記の朗読を２時間も続けられるのはつらい。

歴史上の人物が急死した例は数え切れないほどあるが、これをひたすら研究する急死学なとどいうのはおもしろいのではないだろうか。

速記録というのは、速記で書かれているものではなく、速記で書きとめたものを普通の文字に起こしたものである。

速記の心得のない人は、速記文字を見て、読めなーい、などと言うが、そもそも他人の書いた速記文字は、読めなくて当然である。

今となっては昔のことだが、文房具屋のシャープペンシルコーナーで、六色のプレスマンがずらっと並んでいるのを見ると、文房具屋になりたいと、かすかに思ったものである。

摂関政治が武家政治にとってかわられるのは、摂関政治の末期に、国法を曲げて私腹を肥やすことをみずから認めてしまったからである。もちろん、国法を徹底すれば長続きしたのかというのは別問題である。

貨幣経済が一般化するまでは、不作のとき税が集まらないのに放漫財政を改めないことは、害にほかならない。

よく考えてみたら、白プレスマンと赤プレスマンも、いい感じの箔押しになる。…青プレスマンと黄プレスマンと緑プレスマンも、悪くないような気がしてきた。

道長の時代と、その少し後の時代、天皇家と藤原家はぎすぎすする。藤原家の栄華には大きな代償が必要なのである。

百分の三寸という表現は、原作を生かそうとしたものと思われる。普通の速記シャープの芯は６センチメートル、プレスマン専用芯は11センチメートルである。

貴人が速記者を伴うのは、身なりを整えるより大切なことである。

人の妻を奪うというのは、奪われた側の言い分で、女がもとの夫を見限ったものと思うが、プレスマンは、奪われてしまったわけで、少なくともそれはよくない。

明治から昭和中期までの本邦では、帽子をかぶるのが常識だった時代があるが、平安以前の流れをくんでいるものと考えてよい。

速記は、自分で書いたものを自分で読むことを前提としているため、人に読ませるのには向かない。できなくはないが。

後三条天皇を即位させなければならないほど、道長の血を引く皇位継承者がおわさなかったということである。

齋院は、内親王が務めるもので、神聖な存在として重んじられる。齋院でなくなってからもそれは同じである。

平安時代、男装騎乗で天皇の行幸に従う男性名の女官がいた。 東豎子（あずまわらわ）、またの名を姫大夫（ひめまへつきみ）・姫松（ひめまつ）という。 きさきは無論、女房にも及ばぬ軽い地位。しかし必ず五位を賜る格はある。 何かと間にある存在、ゆえに宙ぶらりんの板ばさみ。 摂関政治が移ろい行く季節、即位直後の過渡期にあって、そんな女官が暴れ回るドタバタ物語です。 2018年カクヨムに掲載した作品に少し手を加えたものとなっております。

プレスマンには、いろいろ妙なところもありますが、みんなプレスマンが大好きなんです。多分。

先輩から速記シャープもらったりすると、お前に託したぞ的なものを感じますよね。

藤原摂関政治のピークであったはずの藤原頼通政権は終わりを迎えた。それも、後継者の選定に失敗した末での老衰による終わりであった。藤原頼通は死を迎えたわけではなく引退しただけであるが過去の人となってしまった。 藤原頼通の引退後、日本の国政を執る人はいなかった。後三条天皇は天皇親政を図り大胆な政策を遂行するが、それがこの国を好転させることはなかった。藤原摂関家を継承した藤原師実は父ほどの能力を有さず、藤原師実の子の藤原師通は自己を過大評価して国政をむしろ悪化させていく。 前九年の役を終えた東北地方では平和ではなく戦乱となり、その戦乱は後三年の役と発展してしまう。全ての混乱が収束した後、ただ一人残ることとなったのは後三条天皇の子の白河法皇であった。 本作品は2017年5月より2018年4月まで「いささめ (https://ameblo.jp/tokunagi-reiki/)」にて公開した「平安時代叢書 第十三集 次に来るもの」を再編した作品です。