乙女ゲームの舞台であるとある国の王立学園で、学年修了パーティーで婚約破棄を目論んだ馬鹿な王太子や聖女たちと、そんな彼らを返り討ちにした王太子の婚約者である公爵令嬢のお話。ざまぁではないし悪役令嬢が完勝するとは限らない。

【コミカライズいたしました。】 「ローゼリッタ・スーサイドボム！　お前との婚約を破棄させてもらう！」 とある夜会で王太子が放った婚約破棄宣言。王太子の婚約者であり、神官でもあったローゼリッタはショックで立ち尽くした。 聖女である少女と不貞をしていたらしい婚約者は、ローゼリッタにありもしない罪を被せて断罪しようとしている。 このままでは浮気性の婚約者と性格の悪い聖女に何もかもを持っていかれてしまう。教会の権威を、地位を、創造主の加護を簒奪されてしまう。 （このままでは全てを奪われてしまう。それならば、いっそのこと……！） ローゼリッタは決意した。己の名誉と信仰を守るために、国ごと滅亡しかねない切り札を使うことを。

白亜の建物に、白い石畳。 光が射すと、ところどころ虹色に輝く。 人々は穏やかで、ドラゴンも亜人種も等しくのんびり暮らす国。 そんな国では今、そこかしこに『転生者』が居た。 乙女ゲームの悪役令嬢、世界を破滅に導く悪魔の子、性格の悪い聖女に、心残りのある剣の者……。 様々な異世界転生者たちは、己の『設定』を是とするか非とするか。 それぞれが繋がりながらも独立している、どこから読んでも、読み飛ばしても、読む順を変えてもいい、そんな異世界転生短編連作。 ※カクヨムで一日一作SS更新中の『百花繚乱』（https://kakuyomu.jp/works/16816452220371917465）でもアップしています。 異世界ものを書きたくなったときにふらりと更新予定。